【連載小説】マジカル戦隊M.O.G.(第23回)
前りゃく
これが最ごになるだろう。
もう意識もあまりない。
ていうか、カーテンごしに世界を見てるみたいで・・・。
正じき、ちょっと決心が揺らいでる。
でももうあと戻りはできない。
スイッチは押されてしまった。
俺はお前たちに立ちはだかる巨大なかべとなって、世界を暗黒に塗りつぶす恐ふの存在になる。
もう間もなく。
この手紙を書き終えたら、俺はもう二度と、人間には戻れないだろう。
お前たちとコミュニケーションをとるしゅだんは潰える。
これがホントのおわかれだ。
色々ありがとう。
奥さんにも、俺のことは忘れろと伝えてくれ。
ハジめからそんなじん物は、いなかったんだと。
こん後お前たちが生きノコれるように、せめてヒントを残しておく。
これから俺たちが、人間にはありえない圧倒的なチカラで、せ界をどう変えていくか。
それを書いておくから、ぜひさんこうにして上手くやって欲しい。
まず、化石ねん料が使えなくなる。
石油・石たんにエネルギーをイゾンしている人るいの文明は、これだけでホウ壊すると思う。
それらは徐々にエネルギーを出さなくなって、およそ2年ごにはただの石ころに変わるだろう。
現在ち下にあるものも、空気に触れたとたん使えなくなる。
その上、世界中の電気がとまる。
はつでん所その他の施設はことごとくハカイされ、そして「細くて長いきんぞく」をふ食させる働きを持つレトロウィルスがまかれる。
これで自家はつでんその他の方ほうも、役に立たなくなる。
このウィルスは、キキの一族が魔力で生み出したもので、おさである彼女をコロせば、しばらく後にふたたび使えるようになるだろう。
だがそれまで、電気をつかったあらゆる機器が役に立たなくなる。
当ぜんコンピューターも、インターねっともだ。
これだけでおそらく、じん類の8割はしにたえるだろう。
だからきっと、かなりていこうされると思う。
でも、人類の今の力じゃ、我々にはとうてい敵わない。
だから2~3年いないに、必ずすべてが止まると思って、今から準びをしておいてくれ。
その後、チカラを失ったじん類を、少しずつ魔物が狩っていくだろう。
我々が人間を狩るのは、単純に食りょうをえるためだ。
ニクを食べるものもいれば、チを好むものもいる。
精神体をえさにするものもいるし、体液だけをすうものもいる。
とてもおぞましい話だが、我々はそうしないと生きられないから、仕方がないのだ。
つまり、人間の天敵というわけだ。
だが人間も、そんなにおろかではないだろう。
生きのこるためにきっと知恵を絞って(大型な割に身体能力のひくい、人間という生物のサイダイのブキじゃないか、知恵は)我々をハイジョしようとするだろう。
主に役立つのは魔法のチカラだ。
我々魔物がニガテとする、結かいやらじゅ符やらが色々あるから、その手の専門家を今のうちにぜひホゴしておいてくれ。
それから、われわれと戦うための手段は、魔じゅつと刀剣るい、それから体術などになるだろうから、それらをたやさないようにしておいたほうがいい。
その専門かもあつめておいてくれ。
あ、我われのなかまには火やショウゲキに強いものも多いから、火薬やじゅう火きはあまりこうかがないだろう。
それらは岩を壊すのやら花火やらに、へいわテキに利用してくれ。
そうこうしてるうちに、いつかお前かその子孫が、俺たち魔物をクチクし、世界を再び人の手に取り戻す日が来るだろう。
それがいつになるのか、いまはまだはっきりとは分からない。
だが方法は確実にある。
その方法を見つけたとき、じん類はきっと、今以上にシンカしたイキモノとなっているはずだ。
ニク体的にではなく、精神テキにだ。
俺たち魔物の目には見えるんだ。
生物の精しん体も、ニク体どうように、さまざまなシンカを繰りかえしていることが。
そのヒができるだけハヤく来ることを、ネガってやまない。
それじゃこんどこそさいごだ。
さよならはいわない。
たとえてきどうしだとしても、またあえるひをたのしみにしているよ。
早そう
ついしん:イマまでのテガミをホンにまとめて、できるだけおおくばらマいてほしイ。カズがおおいほどウシナわれるカクリツはヘルからナ。そのナかにきっとオオクのひんとがある。
できれバ、ブンメイシャカイガホウカイスルマエマデニ、タノム