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関西フィル&代弾き前田妃奈

【過去の演奏会より】

日時:2022年11月10日(木)
場所:ザ・シンフォニーホール(大阪)

・指揮:マクシム・エメリャニチェフ
・管弦楽:関西フィルハーモニー管弦楽団

【演目】
・ベートーヴェン作曲 「アテネの廃墟」
・ブラームス作曲 ヴァイオリン協奏曲
・ラフマニノフ作曲 交響的舞曲

ブラームスのヴァイオリンコンチェルトを弾くはずだったオーギュスタン・デュメイさんが体調不良のため、ヴィエニャフスキ国際バイオリンコンクールで優勝したばかりの大阪出身前田妃奈さんが代弾きすることになったことを彼女のTwitterから情報を得て、聴きに行くことになった。

指揮者のエメリャニチェフさんは長身長で手足も長く伸び伸びとした指揮ぶりで、要所要所での的確な指示はとてもわかりやすく、若く溌剌とした棒はオーケストラの能力をグイグイと引き出している感があった。特にラフマニノフは難解なリズムの変化を振り分け、ロシア的なメロディには流れるような表現が印象的だった。

前田妃奈さんのヴァイオリンは高い技術を聴かせながら、全身で演奏する喜びを表現していた。楽器を演奏するのが楽しくてしょうがないといった様子で、感動的だった。こちらまで喜びの気持ちが伝わってきた。急遽の代弾きによくこんな人が見つかったものだと感心した。楽器はストラディヴァリウスの1715製ヨアヒム。初演でヴァイオリニストのヨアヒムが使用した楽器とのこと。まさにこれ以上ない楽器の音が聴けた。前田さんの今後のさらなる活躍に期待したい。

関西フィルは安定したサウンドの中にそれぞれの楽器の個性がよく出ていた。特にオーボエの音色は独特で強烈だった。

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