#おばあちゃん
story おばあちゃんの幸せ
おはよう
目が覚めると
おばあちゃんは
窓の向こうの
おひさまに
挨拶をした
カーテンをあけると
おばあちゃんは
ゆっくりベットから
おりて着替えをした
読みかけの本も
編みかけのストールも
ベットの脇のランプの横で
昨日のままに重なっている
変わらないって
良いことね
だってこんなに
安心するもの
春になって
ずいぶんと外が
明るくなった
ひばりの声がする
おばあちゃんは
レース
story My grandma
おばあちゃんはひとり
山で暮らしていた
薬草や香草
木の実なんかを集めて
昔ながらの煎じ薬を作っていた
山道を登って少し開けたところに
おばあちゃんの家はあった
樹々の切れ間に
木漏れ日がさして
近くの沢から
涼やかな風が吹いてくる
時折り小さな動物たちが
家の側を横切って行った
鳥たちは楽しげに
囀りながら空を舞った
幼い頃の私にとって
そこはまるで別の世界に来たようで
少し怖い