2000年を経験した人も、2020年頑張った人も『恋愛レボリューション21』を聴いて欲しい

今から20年前の2000年末。『遂に新世紀』『来たれ21世紀』と言った輝かしい未来の到来への希望の声と、『さよなら20世紀』『戦争と激動の20世紀』といった100年間ひっくるめて振り返り、別れを惜しむ声があちらこちらで飛び交っていた。
それに加えて毎年恒例のクリスマスから年末年始にかけてイベント目白押しで慌ただしい日々。2000年の12月は今までにない特別感が漂っていた。

そんな12月の丁度真ん中、2000年12月13日に発売されたのがモーニング娘。11枚目のシングル『恋愛レボリューション21』だ。
新世紀へのワクワク感、20世紀への別れ、年末年始のキラキラ感が全て詰め込まれていて、この時期になるとあの頃を懐かしみ必ず聴きたくなる1曲になっている。

1000年に1度だけの経験

世紀が変わる瞬間は100年に1度。21世紀に変わる瞬間と22世紀に変わる瞬間のどちらも経験出来る人はかなり限られるだろう。更に2000年というミレニアム・イヤーを体験出来て、次の3000年を経験出来る人はまずいない。つまり、2000年を経験出来た人は1000年に1度だけの時を生きた、とてもラッキーな人なのである。
ただ、当時はそんな事を考えずに普通に生きていた。小学生だったというのもあるけれど、1999年にノストラダムスは来なかったし、鉄腕アトムもドラえもんも誕生する気配はない。いつもと何ら変わらぬ1年を過ごしていた。しかし12月にもなると少しずつ空気が変わり始める。

例年通り、クリスマスや年末年始に向けて慌ただしく、でも煌びやかな時期。小学生にとってはクリスマス、冬休み、お年玉とワクワクが目白押しのゴールデンタイムだ。
一方で大人からは寂しさを感じていた。20世紀、昭和を回顧する番組が多く見られる様になり、大人はそれを懐かしみ、別れを惜しんでいる感じだった。

そして、色んな感情が入り交じるこの時に『恋愛レボリューション21』が発売された。

2000年の12月が全て詰まっている

この曲は大ヒットを飛ばし、『LOVEマシーン』と並ぶモーニング娘。の代表曲として現在も歌い次がれている。20年経った今年もCMソングとしてカバーされたり、広瀬香美さんが弾き語りでカバーした事で話題に上がった。

ただ、この曲の肝はやはりリリースされた当時の世相が全て詰まっている所だ。

『紙コップで乾杯』『飾りはあるもので』といった歌詞でスタートするこの曲は、家族や友人とのクリスマスパーティーの風景を連想させる。

そしてインパクトがあって印象的な『超超超 いい感じ』というフレーズ、真似しやすい振り付け。忘年会シーズン真っ盛り、早速真似してカラオケで盛り上がろう！と言わんばかりの曲。情報番組で振付の解説がされるほどだった。

モーニング娘。らしい、パーティー・ソングである一方で20世紀を頑張って生きてきた証とも言える歌詞がサビにある。

『恋もして 仕事して 歴史きざんだ地球』
『恋をした 寝坊した すべて見てきた地球』

地球規模で見ると、個人の恋も仕事もとてもちっぽけな事。でも当事者にとっては毎日恋や仕事で嬉しい事があったり、朝起きられないほど辛い事があったり、とても大きくて大事なこと。色んな思いを持ってこの地球を歩き、そこに足跡を刻んできた。20世紀、何だかんだ頑張って生きてきたんだなぁと沁々感じさせてくれるのである。

そしてラストのサビ

『All together now!』
『みんなで恋愛革命』
『Love revolution 21』

紙コップで乾杯しながら20世紀を振り返り、最後はみんなで大合唱。21世紀、革命起こそうぜ！と新世紀への期待を込めて盛り上がってこの曲は終わる。4分50秒の中に2000年の12月がギュッと詰まっているのである。これは当時を経験した人だけが感じられる事。2000年という特別な年を経験できたラッキーな方はぜひ、当時を思い出しながらこの曲を聴いて欲しい。クリスマスプレゼントのリボンをほどいていく時の様にワクワクとキラキラで満たされるはずだ。

2020年、頑張ったみんなに聴いて欲しい

2020年、本当に大変な年だった。たった1年でこれほど世の中が変わってしまうなんて想像できなかった。それでも今、元気に生きているという事はこの1年必死に頑張ってきた証だ。
まだまだ落ち着かない日々だけど、1日だけゆっくり休む日を作り、何となく部屋を飾り付ける。なくても良いけど、何かあると特別感がでるからやっぱり飾り付けよう。そして1人でも誰かと一緒でもオンラインでも良い。2020年を振り返って、頑張った自分をとことん甘やかす日にしよう。その後は2021年の幸せを、発展と革命を願う。もちろんBGMは『恋愛レボリューション21』で。【21】は2021年の【21】でもあるのだから。