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セラピストのルール【地雷除去マガジン】とは?

2021年6月から、セラピストのルールについてのマガジンを執筆し始めました。

これは、そのマガジンについての説明記事になります。

・セラピストが知らないルール上での地雷とは?

・どういう人に読んで欲しいか

について解説しています。

セラピストが抱える「400~500万円をどぶに捨てる」リスク

いきなりですが、国家資格を所有するセラピストの皆さんは、常に400~500万円をどぶに捨てるリスクを持っています。

これが何かと言いますと、学費です。

柔道整復師が若干安いですが、基本的には400万円から500万円は平均で学費でかかっています。

これをドブに捨てるリスクとは何でしょうか?

ずばり、法令違反です。

国家資格者の免許には欠格事由というものがあり、これに該当した場合、免許取り消しになることがあります。※絶対なるわけではありません

そうした場合、免許を使えないため、ここで払った学費はどぶに捨てたことになります。

これだけ聞いてもピンとこない人はいるかもしれません。

「要するに、保険が使えないってことでしょ?」

ちがいます。

その免許を使ってできる活動が全滅します。

・柔道整復師がけがの処置をすることができなくなる

・鍼灸師がはり・きゅうを使用できなくなる

・マッサージ師がマッサージできなくなる

みたいなことが起きます。

保険関係はあくまで免許を活用した経済活動の一環であって、国家資格=保険ではありません。

もしそうだったら、「自費で勝負!」みたいなことを言ってる人は全滅しますよね?

章のタイトルに金銭を出すというお下品をしましたが、その後資格が使えないって考えると、損失は400~500万円では済まない気もします。

マナー違反は知らずに済むが、法律違反は捕まるんだ

ルール違反って言っても色々とありますが、例えばマナー違反というものは、知らないで済むケースは多々ありますよね。

しかし、法律違反は、知っていても知らなくてもつかまります

大目に見てくれてるので案外捕まっていないものもあるかもしれません。

2歳児がコンビニの商品持って外に出ちゃったから親ごと逮捕ってやらないみたいなことです。

ただし、違反自体は違反で、特に私たちセラピストは20歳以上なので、知らないから違反行為しても許してくれるかって言うと、そこは厳しいものがあります。

知っていてやってる人はまだいいんですが、知らなくてやっている人はかなりまずいですよね。

安全だと思って歩いていた地面に、実は地雷が埋まっている、そんなことはセラピスト界隈では結構あると思います。

その地雷を除去、または回避するためのヒントを共有するのがこのマガジンになります。

地雷の回避は知識と知恵

ルールについての地雷に対処するためには知識と知恵が必要です。

知識とは、地雷を踏んでしまったときに除去するために必要なものです。
知恵とは、地雷がある場所にそもそも行かないために必要なものです。

どっちも必要ですよね。

知識偏重の界隈

そして、多くのルール系のセミナーで感じるのは、知識を与える系が多く、知恵がつくものが少ないという印象です。

これは技術系のものでも共通だと思いますが、このような質問をセミナーで聞いたことはありませんか?

「○○な時はどうすればいいですか?」

「○○な患者さんが来た時はどうしたらよいですか?」

これは、知識の質問になるのですが、知識の厄介なところは、今日つかえるものが、ずっと使える保証がないという点です。

毎回同じ地雷ではない場合、知識がないと除去できないケースがあるという事ですね。

つまり、半永久的に更新するものであるという事です。

これを臨床だとやれる人は多いと思いますが、ルール系でやれる人はそんなに多くないんではないかと感じています。

観測している限り、例えば療養費の不正請求に関する議論って、全然知識のアップデートをしていない人が参加してるので、10年前と今であまり大きな内容の変化は出てないんですよね。

もちろんそれはそれで問題なのですが、地雷がない道の選択をしてれば、難しい選択をする回数が劇的に減ると思いませんか?

そして、この道いつもと違うな、地雷があるのかな?と思ったタイミングで知識をいれれば何とかなるというケースの方が増えてくれば、知識の無間地獄に使う時間を短縮できると思われます。

なので、知恵をつけることを推奨します。

もちろん、下敷きとして知識は必要なので、どっちも大事なのですが、どちらかしか取れない人は知恵をつけるべきだと思います。

臨床でも、知識足りてなさそうなのに、リスキーな施術をしないで結果を出してるタイプの人は、知恵、思考力があるってことなのかなって言うイメージです。

斜陽産業が患者さんを遠ざけてはならない

30代以下のセラピストの皆さんは感じていることだと思いますが、セラピスト界隈は斜陽産業の部類といっていい程度の認知力です。

社会的に信用がない、と言い換えてもいいです。

そんな中、セラピスト界隈の誰かがルール違反をするとどうなると思いますか?

・整骨院で性犯罪

・鍼灸院で不正請求

等が起きた場合、そこの人が悪いではなくて、

「整骨院って性犯罪するところらしいよ」

「鍼灸院って保険使えるけど不正してるらしいよ」

と、業種全体がひとくくりでイメージが下がります。

その中で、知らずに踏んでいる地雷さえなければ、という事がいくつあったでしょうか?

今から起きる分は減らすことができます。

そのためには地雷を撤去できる、地雷原に行かない、そんな人たちが一人でも多く増えることが重要です。

知恵は患者さんの不安も除く

たとえば、整骨院がうけている偏見の一つに、保険組合から問い合わせが来たのは悪い事をしているからだ、というものがあります。

患者さんも不安になることもあるでしょう。

なんなら同業者自体が、この説を流布している場合すらあります。

実際に知識も知恵もあれば、このような結論になることはありませんし、質問されてもしっかりと対応することが出来るでしょう。

実際私の院でも、よその整骨院に行ったことがある人に対して、「療養費の取扱について説明を受けていますか?」と聞くと、「なんか紙が来たら持ってきてください」と言われているケースは年に10件程度あります。

本人が知らんうちに地雷を踏み抜いた挙句、その爆発を見た患者さんが怖がってしまっています

自分がそういうことをしないために必要なものを身に着けて、なんならよそで傷ついた人のケアまでできたらいいのかなと思います。

どういう人にお勧めなのか

・臨床一本やりで、制度系のセミナーに時間が割けない人

・療養費についてよくわからんけど自費ならオッケーっしょ?って考えている人

・整骨院/鍼灸院/マッサージ院で働き始めたけど、職場で教わっていることがまっとうなのかの物差しが欲しい人

・なんかひどいところで働いてて/やめて、正解がわからないけどストレスだけたまった人

・国家資格者の差別言動に嫌気がさしている民間資格の方

・物好き

・上司がアレな人

・部下がアレな人

・同僚がアレな人

な方々に特におすすめです。

特に保険/自費論を整理できてない人が多い印象なので、自分がどの位置で働くにしろ、国家資格を持っている以上、その資格で行えること、行えないこと、うまくやるべきことの基準は必要になると思うんですよね。

知ったうえでリスクをとったり、組み合わせたりだったりだと思いますが、界隈は0か100かの議論が多い気がして、そこに最も危機感を覚えます。

まとめると、なんにしろうまくやっていきたい人にお勧めです。

逆に、特定の答えだけが知りたい人の役にはあまりたたないと思います。

こういうことすると捕まるって聞いたけど、どうしたら捕まらないで出来ますか?みたいな人の役にも立ちません。

知恵を伴わない知識はピンポイント過ぎて危ないので、そういうものは書く予定がありません。

「うまくやる」ということ

前章でうまくやる、と書きましたが、これが一番大事だと思います。

例えば、ルールを守るという事は大事です。

しかし、全ガチ守りで幸せになる人が存在しないのも事実です。

たとえば、整骨院で広告の法令を守れ!って言うのを徹底したとしたら、

① 柔道整復師、鍼灸師、マッサージ師である旨
② 施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
③ 施術日又は施術時間
④ ほねつぎ(又は接骨)
⑤ 医療保険療養費支給申請ができる旨
⑥ 予約に基づく施術の実施
⑦ 休日又は夜間における施術の実施

以外の事は書かないってことです。

これ、整骨院困りますよね。

それだけではなくて、患者さんも困ります

この整骨院がどんなところで、何が出来るかがわからないからです。

もちろんガイドラインが策定されると、ガチ守り項目が出来る可能性はありますが、患者さんのためにもうまくやることが必要になります。

正しいに越したことはないですが、正しさだけでは以下略っていう事例として、こういうのも学校で習った人も多いのではないでしょうか。

正しいのは大前提ですが、正しすぎると殺されてしまうものもあると思います。

現状の界隈に「正しい法律の議論」は時期尚早

かつて記事を買ってくれた人から、討論をしませんかと誘いがあって、それをお断りしたことがあります。

なんでかというと、現状の界隈で、法律やルールの正しさを定義する議論をする時期ではないからです。

議論をするためには

・議題の選定

・目的の設定

・優先順位の定義

・結果測定の定義

・見直しの時期の有無

・上記を満たす下敷きとなる共通見解

が必要だと思われますが、界隈の平均値として、それがまだ十分ではないと考えます。

このマガジンを購読している方同士での情報交換や軽い議論であれば、少なくとも下敷きの共通見解があるので、購読者が一定数出て、需要があればやってみたいと思います。

具体的なコンテンツ

具体的にどういうものが書いてあるかと言いますと、

○○について電凸した結果

知らないとまずいルールについて

とある事象に対する考察

雑記

になります。

どれも途中まで試し読みできますので、もしよかったら読んでみてください。

また、購読者特典として、お題のリクエストを受け付けますので、知りたいことや、考え方のベースにしたいテーマがありましたらどしどしと送ってみてください。

※購読者と判別できるお名前の方限定になります。

料金とボリューム

現状400円/月となっています。

ルールについての記載が一記事1万文字とかになると、読む気なくす人もいると思うので、1記事あたりの分量は3000~5000文字くらいにまとめています。

コンテンツの増加や変質によって、別のマガジンへの移行をする場合もありますが、当面はこの内容で行きます。

執筆者の境遇とレベル的なものについて

最後に軽く自己紹介みたいなことをして締めたいと思いまっす。

一応柔道整復師として14年くらいやっていまして、最初の3年半をグループ整骨院のスタッフとして、その後の5年間を分院長として、そこから独立して今に至ります。

学生時代に出入りしていた整骨院(給料もらってないですし、施術にも参加していません)、鍼灸院で犯罪行為的なものを目にした結果、資格取得前にやってはいけないことを理解することができ、その後働いた整骨院では入社直後に分院長が引退、代わりに来た管理柔整師が何もわかっていないという事態に見舞われ、事務作業に興味がない諸先輩方をしり目に、初年度から療養費の取扱業務に携わることになります。

先輩や社長に教わった内容に不審点が多かった結果、所属会や厚労省に問い合わせたほうが早いという事を知り、自分で学びながらやってきました。

セラピストの皆さんの大半は勤務時間がなくて、自由時間が少ないと思います。

やる気がある人ほど、その時間を臨床や研究に費やすでしょうし、その結果、若くて優秀な人がたくさん出てきているのだと思います。

そう、ルールについて費やす時間が足りてないんですよね。

実際、先輩や同僚、部下にもろもろの話をずっとしていましたが、内容を理解したのは数人、興味すら持たない人も大量にいました。

そして他の分院(もちろん先輩)のトラブル処理の相談に乗るという経験をしたので、こういうものを書こうと思い立ちました。

もちろん法令の専門家でもなければ、ルールの説明でご飯を食べている人の方が知識量は上だと思いますが、初年度からたたき上げて来た分と、現場での考え方や、おそらくセミナー講師が伝えたいことが伝わってない人に説明が出来るくらいのレベルだという自己評価です。

また、テーマにより自分が受講してきたセミナーの方がよい場合は、そちらをすすめることもあります。

そんなわけで、よろしくお願いいたします。

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思い込みだったり、調べるのが面倒だったり、人のポジトークが理解できない人のために、セラピスト界隈の法制度や話題になっていること、質問された…

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