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レ◯プ未遂に遭ってしまい、鬱発症で休職4か月目 その⑥出社編

時は2月某日。
何でこんなに苦しいのに職場へ向かってるんだろう…。しかも余り好きな職場でもないのに、自分でも何故頑張るのかがわからない。多分休むのが怖いからだろう。

職場に着いて早速上司の二人に会った。(男上司Lと女上司Cとします。)
ここは社員が全部で15人しかいないファミリー企業。社長の縁故採用で社会経験ゼロで入社し、1年余りで出世させてもらった女上司C(つまり明に暗にとっても権力がある)に、私はパワハラ的仕打ちを受けた。最初は普通だったのに9月10月の繁忙期に入り豹変した。直接言い返せず2ヶ月我慢し、トップである男上司Lに報告したら、女上司Cはピタッとパワハラを止めた。まさか大人しい私が他の人に話せると思わなかったのだろう。
後で聞いたがこの2人も実はそんなに仲良くないらしい。女上司Cはトップに立ちたいタイプで、社長の身内アピールがすごい。長年務める男上司Lからしたら邪魔な存在で、権力争いがある模様。皆とても表面的で他人に興味ゼロな点は働き易いが、腹の中では実はお互い嫌い合ってんだろうなって感じで、ちょっと裏を感じる人間模様だ。

男上司Lが電話中だったので、仕方なく先に女上司Cに先に話す。
私「実はレイプ未遂に遭いまして、大変だったんです。」
女上司C「何それ!ちゃんと訴えたの?」
私「いえ、訴えてません。そんな気力は一切ないし、家も知られてて仕返しが怖いし。」
女上司C「絶対ダメ!すぐに訴えなさい!説明するわ!」
何でもこの女上司Cはこの仕事を始めてすぐ(1年半前)の頃に、母親の彼氏(両親は離婚済み)に酔っ払って殴られ、訴えて裁判に勝ったらしい。自分の話を延々と捲し立てて思い出し涙ぐんでいる。しかも母親はまだその彼氏と続いているそう。
私は、あぁそれでこの人はいつも不安定で攻撃的なのかと納得していた。しかも縁故採用なので休む選択肢はなかった筈だ。

すっかり彼女の長い裁判劇の聞き手に回ってしまった私は、ちょっとリアクションを取ってあげたり質問までしてあげて、自分の話は全く出来なかった。また他人軸のお手本の様な態度をしてしまった。
喋り切って満足した彼女はこう言い放った。「まぁあなたも大丈夫そうじゃない。いい?ここは安全だし、仕事に集中して忘れるのよ!私もそうやって乗り越えられたから、あなたにもきっと出来るわ!」

いつも通り私には何も話させないで、サッサと仕事に戻っていく。私に休まれたら一番困るのはこの女上司Cだから、いつもの如く無理強いすれば従うと思ったのかも。私はこのとても若い彼女には何も期待してなかったので、やっぱりなぁって感じで「そうですね、私もそういうタイプだと思います。」とぼんやりと答えておいた。

男上司Lは電話しながら、私たちの会話を両聞きしていた。電話を切って、「ちょっと聞こえてたんだけど、何その話。有り得ない。」と言った。「僕はプロではないから知識が無くてそういう話を聞くのは得意ではないけど、話したかったら話してくれても良いし、話したくなければ話さなくても良い。とにかく医者の判断に委ねなければいけないよ。」と私と女上司Cに向かって言った。

その後男上司Lとだけ話した。全面的に私の味方でありトップという立場から、休職制度を使い必要ならば休める等の説明はしてくれるけど、出来るだけ頑張って来て欲しいという希望が言葉の端々に滲んでおり、休んで欲しくないというメッセージは明白に伝わってきた。そりゃそうだ。なのでとうとう休みたいという事はできなかった…。

その日幸いあまり大きな仕事はなかったが、ミスを色々しながら働いて、結構ぼんやりしていたが誰にも注意されなかった。座ってるのがキツイ。まともなフリもキツイ。女上司Cの「大丈夫そうじゃない。仕事に集中して乗り越えて!」はその後にも何度も何度も思い出された。やっぱりダメージ受けてたんだな。悔しいな。

続く


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