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テクノロジーと人の五感の関係を追求。カフェ経営者の顔を持ち、京大博士課程進学予定のmuiインターン| mui Labのエンジニア

こんにちは、mui Lab採用チームです。今回、お話を聞いたのは、京都大学の大学院生でもあり、友人とともに祇園でカフェを営む経営者の顔も持つ、mui Labエンジニアインターンの額見 怜央さんです。

額見 怜央(がくみ れお)
京都大学大学院情報学研究科修士2年。2021年4月よりエンジニアインターンとしてmui Labにジョイン。2023年7月に京都祇園にて、友人とともにテクノロジーカフェcanette(カネット)をオープン。muiボードを活用した食品へのレーザー彫刻技術を独自開発し、ベイクドチーズケーキを専門とするパティシエとして活動中。4月からは同情報学研究科の博士後期課程に進学予定。

── 大学院での研究やmui Labでの長期インターンをしながら、この夏に祇園でカフェをオープンされましたね! おめでとうございます。あらためて、大学院やmui Labでどのような活動をしてきたのかを簡単に教えてもらえますか?

学部時代はIoTの無線通信技術について、修士では強化学習を用いた最適化問題の研究を専門としています。mui Labでは、技術開発の領域で、特に展示のためのプロトタイプ検証を担当することが多かったです。Kyoto Steam 2022(京都市京セラ美術館にて開催された国際アートコンペティション)の展示では、mui Labと三原聡一郎さんのコラボレーション作品『空気の研究』で使用した、コンパスの役割をするmuiボードの開発に携わりました。

お店をオープンしてからは、昼間に大学院での研究をして、夜(カフェの営業終了後)にはチーズケーキ焼く、という生活をしています! 4月からは情報学研究科の博士後期課程に進学予定で、同じようなスタイルでの経営を続けていく予定です。 

── 今回、なぜカフェを始めようと思ったんですか?

大学生の頃からベイクドチーズケーキ作りとワインが趣味で、自宅でチーズケーキを焼いたり、ワイン同好会を主宰したりしていました。去年、趣味のワイン会つながりでできた共通の知人とともに大阪で一度チーズケーキの間借りカフェを行いました。

そのことがきっかけで、祇園でお店を開かないかというお話をいただき、このたびオープンにいたりました!

味にもこだわっていますが、せっかくだったらテクノロジーを活用して体験も面白いカフェにしたいなと考えたので、muiボードで書いた手書きの筆跡をそのままレーザー加工機でクッキーに写し出せるような改良を加えて、お店でmuiボードを使った体験を楽しんでいただけるようにしています。


── お店で体験できることについて、詳しく教えてもらえますか?

各席にあるmuiボードの枠内に文字を書くと、その人の筆跡の通りにデータがレーザー加工機へ転送され、クッキーに彫刻されるという、テクノロジーを使った他では味わえない体験ができます。
手作りのベイクドチーズケーキとクッキー、選りすぐりのデザートワインにもこだわっているので、チーズケーキとワインのマリアージュもお楽しみいただけるカフェバーとなっています。

他では味わえないテクノロジーを使った体験で、muiボードの枠内に手書き文字が書ける仕組み。カモ🦆のアイコンを押すとデータが転送される。
レーザー加工機を使って、クッキーに彫刻が施される。

── この、食べ物とmuiボードをかけあわせた体験を思いついた経緯にはどういったことがあったのでしょうか?

実は過去にお菓子作りでアイシングクッキーに挑戦することがあったのですが、なかなか難しく絵心のない僕には難しいものでした・・・。
しかし、muiボードの開発に関わる中で、人の筆跡には文字情報以上のなにかが詰まっていると思ったんです。特に、2022年のMilano Salone出展の際、mui Labが思い描く未来のスマートホームの姿を紹介するデモの開発に携わり、現地で来場者の反応に触れたときにそのことを強く感じました。

このデモでは、2台のmuiボード間で、手書きの文字情報を筆跡のとおりにデータ転送する技術を使っていました。
紙とは違い、手元に残らないものなのに丁寧なイラストを描いてくれる人がいたり、スマホ間での情報伝達が当たり前となっている現代でも、「別のmuiボードから自分の字が出てくる」という体験について多くの人が驚いてくれたりする姿が印象的でした。

自分の手書きということに親しみを感じているようにも見えましたし、残ることなく消えてしまうものが、人の感情を動かしているということに強い興味を持ちました。
同じように、カフェで提供しているクッキーも食べると消えてしまいますが、あえて「食べてなくなるもの」にこそ伝えられるメッセージもあると考えています。

── お客さんからの反応で印象的なことを教えてください。

muiボードのキャンバスに描いたものは何でもレーザー加工ができるので、子供から大人まで「すごい!」「かわいい!」といった反応をいただけるのが嬉しいです。どんな言語で書いた言葉にも対応できるので、海外からのお客さんにも直感的に楽しんでいただけます。
有り難いことにSNSで投稿してくれる人も多く、テレビでも「オンリーワンのクッキー作り」と紹介していただきました!

── これからの目標はありますか?

引き続き、テクノロジーを活用した、新たなカフェ体験の開発に取り組んでいきたいと考えています。
特に、視覚と味覚の関連性など、五感が相互に与える影響について興味を持っています。
今年携わったプロジェクトのなかで、チョコレートを使って形状と味覚の相互作用についてを研究したところ、同じ素材でも人間の五感に訴えかけると味覚も変わるという結果が出ました。このような新しい技術を幅広く開発・活用しながら、より美味しく感じられるものが設計できたらと考えています。
将来的には多店舗展開なども視野に入れていきたいです!

── 最後に、mui Labのインターンを希望する方へ向けてメッセージをお願いします!

mui Labではプロダクトに直結する開発だけでなく、R&D、通信規格の検証、メディアアート製作など幅広い案件に取り組ませていただきました。ここでは主体的に技術を学び、かつそれを具体的なチャレンジに活かすことができる環境が整っていると思います!
ソフトウェアに限らずハードウェアを扱っているベンチャーということもあり、様々なレイヤーのことを学べるmui Labでのインターンはものづくり全般に興味を持つ学生にとっておすすめです。

カフェの情報はこちら:
📍 canette@canette_cafe


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