飲み忘れ

せっかく
おやすみなさいしたのに
なんだか今夜は眠れないよ

尊敬するあのひとの詩を
何遍も読んだら
まだ私が知らない時に
書かれたものだから

当たり前だけど
知らない人との詩ばかりだよ
なんだかとても心細くなってしまってさ

あーあ
やっぱりどこにいても自分は
ひとりなのかななんて
捻くれてみたら

最近仲良くなれた
心の中にずっとひとりでいた
幼い頃のひかりちゃんが

ぎゅーって右手を握ってくれて
本当にそうなの？なんて
私の顔を覗き込むんだ

違うよね

私と気まずくなって疲れ果てても
ちゃんと私を許してくれた大事なひと

毎日私に語りかけるような
LINEをくれる幼なじみ

それから
ひかりちゃんは
私のそばにいつでもいるよって
はにかみながら笑いかけてくれる

ほらほら
寝る前に飲むお薬
飲み忘れてなぁい？
って

一緒にピルケース見てみれば
3つのお薬飲み忘れ

明日
またあのひとと
たわいない話が出来る時間が
来る事にワクワクしようよ

飲み忘れたお薬
飲む間も私がついていてあげるね
なんて言ってくれる
幼き頃の自分

どんなに沢山の人と居ようと
大好きなひととどんなに
しあわせな時を味わっても


ほら
すぐにひとりぼっちだし
私がいなくなっても
悲しむ人なんているの　
なんて思うなら
いくらでもしていいよ

ひかりちゃんが
私のそばでそう言ってくれた

お薬飲み忘れたなら今から飲めばいい

落ち込む自分が現れたなら抗わずに
まずはその悲しい気持ちを味わえばいい

私は今悲しいんだって自覚しようよ
誤魔化すなんてしなくていいよ

こんな風に
いつでも心の中にいる
ひかりちゃんが
私の気持ちを受け止めてくれるものだから

闇に堕ちそうになっても
ひかりちゃんはいつでも
冷静沈着に
私をいつもの穏やかな世界まで
引っ張るってくれるんだ

私の心の中で
ずっとひとりぼっちにさせて
泣いてひとりは嫌だって言っているのに
暗くて寂しい場所に
置き去りにしてきてごめんね
ひかりちゃん

これからいつでも手を握り合って
こんな弱い私の
本当の本心を
教えてくれるかな

本当は素直な気持ちを
他の人に伝えて
心を通わしたいよ

虚勢をはったり
意地になったり
卑屈にならずに

ストレートに自分の言葉を
世界に放つお手伝い
お願いだから
一緒にしてね