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『不老不死の檻』完
新たな旅立ち
ニューララインの事件から数ヶ月後、ジャックはその実績と影響力を認められ、スペースZの火星都市計画CEOに就任することとなった。スペースZは火星都市建設を推進しており、人類の未来を宇宙に拓くことを目指していた。ジャックは、この新たな挑戦に胸を躍らせた。
巨大なロケットが静かにその威容を見せる宇宙センター。周囲には最後の点検を行うエンジニアたちの忙しげな動きがあり、発射を待つ緊張感が漂っていた。遠くに広がる地平線には朝日が差し込み、未来への希望を象徴するかのように輝いていた。
ジャックは宇宙服を着込み、ロケットの発射台に向かう通路を一歩一歩踏みしめていた。彼の心には、これまでの激闘と失われた命、そして新たな未来への希望が交錯していた。アーロン・メイフィールドの裁判が終わり、正義が成し遂げられた今、彼は新たな使命を胸に秘めていた。
「火星での新しい都市を築くこと、それが俺の新たな挑戦だ。地球での戦いが終わり、今度は新たなフロンティアへと進むんだ」
発射台の前で、サラがジャックを待っていた。彼女の顔には誇りと寂しさが混じっていた。二人はしばしの間、言葉を交わさずに互いの目を見つめ合った。
「ジャック、あなたがいない間、私は地球でできることを続けるわ。あなたが築く未来を信じている」
サラは微笑みながら言った。
ジャックは深く頷き、彼女の手を握りしめた。
「サラ、君のおかげでここまで来られた。火星での成功も、君の力があってこそだ」
二人は最後の抱擁を交わした。
リンダもその場にいた。彼女は静かにジャックに歩み寄り、その肩に手を置いた。
「ジャック、火星でも自分を忘れないで。私たちの戦いは続いている」
ジャックは微笑んでリンダを見つめた。
「ありがとう、リンダ。君の助けがなければ、ここまで来れなかった。火星でも、君たちのことは忘れない」
ジャックはロケットの搭乗口に立ち、振り返ってサラとリンダに最後の挨拶をした。
「さようなら、地球。そして、また会おう」
ロケットのハッチが閉じられ、エンジンが静かに唸りを上げ始めた。発射台の周囲には緊張が高まり、カウントダウンが始まる。
「10... 9... 8...」
ジャックはシートに座り、シートベルトを締めた。彼の目には決意と期待が宿っていた。
「3... 2... 1... 発射!」
巨大なロケットが轟音と共に地球を離れ、青空を切り裂いて宇宙へと向かっていった。サラとリンダはその光景を見守りながら、未来への希望を胸に抱いていた。
エピローグ
火星への旅路の中で、ジャックは窓の外に広がる無限の宇宙を見つめていた。彼の心には、これからの新たな挑戦と未来への期待が溢れていた。地球での戦いが終わり、彼は今、新たなフロンティアで冒険を始めようとしていた。
「新しい世界で、新しい未来を築く。それが俺の使命だ」
ジャックの決意は固く、彼の目には遠くに見える火星が映っていた。それは新たな希望の光であり、人類の新しい一歩を象徴していた。
完
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