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3人の子ども達の話

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最近の記事

妻が働き者で僕は怠け者

怠けるのは本能だ。 安定して食糧を調達できない野生の世界では、お腹が満たされた後はなるべく体力を温存するほうが生存確率は高いからだ。 人間も動物なので怠けるという本能を持っているのだけれど、うちの妻は働き者だ。 結婚前は料理を作るのは好きではないと言っていたのに、今では子どものために朝5時頃から起きてお弁当を作っている。 お弁当が可愛くて栄養も偏らないように、小さい作り置きのハンバーグとかグラタンを、今もせっせと準備中だ。 僕は人をダメにするビーズクッションに座り、

    • 優れた製品には、作り手の血が通っている。 「かににさされた。」「ちががでた。」僕が子どもの時の言い間違えだ。 正しくはもちろん「蚊に刺された。」「血が出た。」なのだが、僕の子ども達も同じように間違えながら成長している。 子どもの頃、蚊に吸われてプックリ腫れた跡を、母が爪でバッテンにしてくれたけれど、子ども心に効果は薄いと思った。 僕は人より蚊に吸われやすい体質で、吸われた場所がいつまでも痒くて掻き壊しており、子ども達にはそれがしっかり遺伝している。 娘が保育園に行っ

      • 恐怖

        人は知らないものにこそ恐怖する。 人類が一瞬で滅亡してしまった世界に、自分が取り残されたらどうしようと夜眠る前に考えて、怖くて怖くて眠れないことが子どもの頃によくあった。 その手のマンガは昔からあって、「サバイバル」や、「ドラゴンヘッド」は主人公が取り残されて懸命に生き抜くストーリーがリアルで恐怖を感じた。 「北斗の拳」は主人公がその世界を救っていくから少し違うけれど、作中の孤児達の悲惨さは僕の恐怖の対象となった。 小学校低学年の頃の夏休みの雨の日に、何気なく見ていた

        • 幸せを絵に描く

          どうせなら大きなのをメージするべきだと思う。 僕は絵を描くのが好きだ。 誰かに絵の描き方を習った訳ではないので技巧に優れる訳ではないし、今でも人より上手に描ける訳でもない。 妻は僕より上手に絵を描くことができるので一目を置いているのだが、何故か本人には自信が無いので積極的には活用していない。 能ある鷹は爪を隠すというか、宝の持ち腐れというか、日本女性は奥ゆかしい。 そんな僕達の子どもは他の子どもよりもずっと、絵に対して苦手意識を持っている。 家の中にはペンや紙はた

        妻が働き者で僕は怠け者

          神奈川県から行く動物園・水族館Best3

          出発前の下調べで、その日楽しいかどうかは決定している。 動物好きなわが家は、動物園や水族館に行くことがとにかく多いので、順位表を作成してみた。 わが家では珍しい動物を見ることよりも、どれだけ体験的に楽しめるかが重視されるし、神奈川県在住ということで独特な順位表になっていると思う。 水族館にもたくさん行ってるけれど、動物園に比べるとどうしてもこじんまりとした印象で、コストもかかるのでわが家的にはハートをガッチリ掴まれたことはなかったのかなと思う。 それでも横浜八景島シー

          神奈川県から行く動物園・水族館Best3

          不要不急

          命をかけて守りたいものがある。 僕は不要な外出をしたことがない。 ニュースでは不要不急な外出を自粛するように繰り返しアナウンスがされたが、世の中には用も無いのに外出する人もいるようだ。 子どもの頃、僕は家に帰るとすぐに友達と遊びに出かけた。 友達とレゴをしたり、ドジョウを採ったり、缶蹴りをしたり、バスケをしたり、その全てが今の僕を作っている。 この外出自粛期間中は、必要な外出も極力避けて、家族の健康を守ることを第一に考えて行動してきた。 子ども達は必要な教育を受け

          不要不急

          そして伝説へ

          ゲームよりドラマチックな現実を誰もが生きている。 今はもうゲームはおろか漫画だってロクに読まないのだけれど、子どもの頃はとにかくゲームをしていたかった。 僕は左手の親指の第一関節を90度ぐらいまで反らすことができ、右手の親指は全然反らないのだが、これはコントローラーを左手の親指でグリグリ動かしてキャラクターを操っていたからだ。 僕は僕と同じような左手の親指を持つゲーム好きな子どもが世界中にいると信じているし、ゲームと同じように熱心にストレッチを続ければ、誰でも体が柔らか

          そして伝説へ

          可愛がる

          愛以上に人を育てるものはない。 僕の母に人生を酷評された父であるが、わが家の犬に名付けた「ハピネス」という名前は、燦然と輝く偉業であると家族中が理解している。 小学1年生からずっとハピネスは僕の自慢の犬で、家に帰ると必ず元気良く小屋から出てくる姿にいつも癒された。 中学、高校と自分の部活が忙しくて一緒に遊ぶ時間が少なくなってしまっても、ハピネスはけなげに僕の帰りを待ち続けてくれて、それは僕が大学生になっていよいよ最後が近づいても変わらなかった。 小屋の中で横になってい

          可愛がる

          花と太陽と新しい風に吹かれて

          幸せは歩いてこない。 僕は幼い時に幸せな人生を歩むと決めたけれど、目的地が分かっていても行き方が分からないこともある。 Googleマップで「幸せ」を検索したら家から5.6kmのところに「幸せ」と名のついた☆4.3クチコミ98個のケーキ屋さんがあったが、そこが僕の目的地ではないはずだ。 一応、評判のシュークリームは今度確かめてみることにしよう。 結婚をして僕は思いがけず(もちろん幸せになるつもりでいたけれどそれでも望外な)幸せになれた。 娘はわが家の花だ。 いつも

          花と太陽と新しい風に吹かれて

          遊ぶ

          ヨハン・ホイジンガ曰く、人間とは「ホモ・ルーデンス=遊ぶ人」のことである。 僕は子どもと遊ぶことに関しては、誰にも負けたくないと思っている。 父親としての僕のライバルはデヴィッド・ベッカムだが、この点については僕の方がリードしていると確信している。 先日、「ベッカムの頭髪が薄くなったのでは?」というネットニュースを見て、また僕のリードが広がったかと思ったが、人の失点を喜んでいるようでは彼のようなナイスガイの足元にも及ばない。 僕は僕らしく、何を子どもに残していけるのか

          遊ぶ

          失敗

          2度同じ失敗を繰り返したら、それは選択だ。 僕は失敗が多いタイプでそこから学ぶものも多かった。 先日は、パンツを前後間違えて履いていた。 致命的な失敗ではないが、誰かに指摘されたら恥ずかしいし、少し自分が嫌になった。 違うある寒い日には、パンツを履いていなかったこともある。 とても寒かったので一番厚手のタイツを履いて、スマートに見えるスーツを着ていたのだが、パンツを履き忘れるなんて微塵も考えておらず、トイレに行った時には度肝を抜かれた。 その日はたまたま入学式で、

          失敗

          迷子

          恥ずかしながら僕は人生で子どもを迷子にしてしまったことが2回ある。 2回とも場所も理由も同じだから、3回目がないように気をつけてはいるが、絶対に無いとは言いきれない。 それだけディズニーランドは、夢と魔法に溢れている。 僕はディズニーランドを悪く言うつもりはないし、毎年子ども達の誕生日には家族で訪れ、最高に楽しい時間を過ごしている。 でも、薬と同じで夢と魔法には副作用があり、使い方を誤らないようにしなければ危険を招くこともある。 この夢の国では、長蛇の列に並びながら

          迷子

          キャンプ

          計画して、準備して、片付けまでを楽しめると、非日常が日常まで楽しくしてくれる。 幼い頃、家族で行ったキャンプで父が作ってくれたスクランブルエッグが美味しかったことは一生の思い出だ。 父とは疎遠になってしまったけれども、その記憶が今でも僕の原動力となっている。 初キャンプは緊張したし、行きたくないぐらいにプレッシャーを感じたが、何かに背中を押されて一歩を踏み出した。 テント設営やご飯の準備にバタバタと動き続けて、自然をのんびり満喫なんてできなかったけれど、子ども達が寝て

          キャンプ

          おなら

          僕は妻を尊敬している。 妻は自分をコントロールできる強い人間だ。 幼い頃からずっと、僕にはそれができない。 妻は付き合っている時から今まで、10年以上一度も僕の前でおならをしたことがない。 その素振りを微塵も感じさせないし、寝ていても一切漏れないパーフェクト超人だ。 僕の母はおならを我慢することをしなかったし、出すときには遠慮なく出すタイプだ。 出す前に「はっ!」と大きな声を出してからしっかり力み、「ブッ!」と大きな音を立てる。 この事前の「はっ!」と「ブッ!」

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          睡眠

          眠ることはトレーニングをすることと同様に健康にとっては重要だが、多くの人はそれをおざなりにしている。 僕は幼い頃から寝付くのが苦手だったし、起きることは今も苦手だ。 どんなに疲れていても布団に入ってから寝付くまでに一時間以上かかったし、環境が変わると尚更寝付けなくなった。 小学校の林間学校では消灯後3時間は寝られず、先に寝たクラスメイト達の寝息に焦燥感が募り、翌日の活動が辛くなることを考えて絶望した。 大学まで部活動をしていたが、朝からハードに運動して疲れ果てても、夜

          睡眠

          返ってくる

          自分の行いが自分に返ってくるのは世の常だ。 娘には出来る限りポジティブな言葉で話をするように僕達は心がけてきた。 間違えたことを娘が言っていても、肯定的な言葉を使って承認しながら訂正するゲームをしているかのように生活をしてきた。 娘は4歳まで「嫌い」という言葉を知らなかったし、それが必要な時は「好きじゃない」と言っていた。 この接し方が正解かは分からないが、娘が幼くして口汚く人を罵ることはないし、「パパ好き」とこの上なく嬉しい言葉をよく返してくれる。 わが家の1歳の

          返ってくる