不要不急

命をかけて守りたいものがある。

僕は不要な外出をしたことがない。

ニュースでは不要不急な外出を自粛するように繰り返しアナウンスがされたが、世の中には用も無いのに外出する人もいるようだ。

子どもの頃、僕は家に帰るとすぐに友達と遊びに出かけた。

友達とレゴをしたり、ドジョウを採ったり、缶蹴りをしたり、バスケをしたり、その全てが今の僕を作っている。

この外出自粛期間中は、必要な外出も極力避けて、家族の健康を守ることを第一に考えて行動してきた。

子ども達は必要な教育を受けられず、友達と遊ぶこともできず、限りある時間を失った。

それでも子ども達は1つしかない命を守ることができた。

ここからまた前へ歩んで行けることを素直に喜びたい。

この危機を遠い地で乗り越えた僕の母、子ども達の祖母にも会いに行ける。

それを伝えると3歳の息子は誰よりも嬉しそうに声をあげた。

「凄い嬉しそうだね!」

と、思わず笑顔になる僕に息子は答える。

「そりゃそうだよ、特別な人だからね!」


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