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1年間小学校で講師をして思うこと

お疲れさまー!
今日は小学校で教え子たちの卒業式です。(私は1年間家庭科を教えました)
卒業式の前に、この1年間を振り返って思うこと、ちょっとつらつらまとめていこうかなと思います。

やっぱり仕事っていいな。


育休を経て4年ぶりの仕事。
子育てに追われる4年間、心のどこかでずっと働きたいなと思いながらも、目の前の子育てを優先してきた。思い切って、公務員の仕事を辞めて、講師として再スタートしたけど、
結論、ほんとよかった。

週1回だけだったけど、仕事があるだけで、子育てに対していい感じに手を抜けたというか、些細な事はどうでもいいと思えるようになった気がする。
子育てにも楽しさはあるけど、やっぱり仕事でしか得られない充実感みたいなものはある。
それに、自分の手でお金を稼いで、それを使うっていうのはやっぱり気持ちよね。育休手当とか、夫の収入とかで払うのとは違う感覚がある。

仕事で悩んで苦しいこともあったけど、でもトータルして、私のこの1年間、心身の健康に人生の充実にプラスになったと思う。いろいろ相談に乗ってくれたむち、そして生徒たち、どうも、ありがとう!

知識を手段にする


1年間を通して、授業を作る上で意識していたのは、とにかく知識を学ぶことを目的にするのではなくて、その知識を使ってできる魅力的な課題を考えること。これがを常に考えていた。

料理だって、手芸だって、栄養のことだって、私があれこれ説明することもできるんだけど、それを覚えること自体は手段であって、
目的は自分たちで考えたレシピのパスタを作ることだったり、自分の作りたい小物をミシンで作ることだったり、何か伝えたいことを動画にすることだったり。
子供たちにとってやりたいと思うような魅力的な課題を設定して、そこに対して、それを取り組む過程で、知識が身に付く、そんな授業を目指してきた。

学校の限界


いろいろ、考えてきたんだけどね、とにかくそれを阻むのが学校という環境だった。
調理器具もめちゃめちゃ古いし、手芸をするにも、十分な材料がないし、動画を撮るにも、教室の中でしか取れないし。どれだけ身銭をきったことか…

教室の中で、2時間で、40人で同時にできる課題、というのにかなり無理があると感じた。
子供たちはタブレットを持っているけど、YouTubeは見れないし、ロックされているサイトも多いし、正直あまり使い物にならないなぁと感じることも多かった。
授業では、課題だけ伝えて、あとは家で実践してくる、なんてことを本当はしたかった。だって、家庭科なんだから、実践の場は家庭であるはず。ただ、主要教科でないこともあり、そこはなかなか難しいところがあった。

でも、冬休み中に、家で料理をしてきた写真を送るように伝えたところ、各自工夫していろいろなものを作ってきた。そこでは、私とチャットのやりとりをしていた。
例えば、ミートソースパスタを作った子供に対して、私が、残ったミートソースでこんなレシピがあるよみたいなことをチャットで送った。そうするとその子供はミートソースを使ってコロッケを作ったという写真をまた送ってくれた。
これが、自然で豊かな学習なんじゃないかなぁと思った。
学校という時間の枠の中でやるものではなくて、実生活を密着させて、できればいいのになぁと思った。
80人と、それぞれ課題を決めてチャットしてるほうがいいんじゃない?なんて思ったこともよくあった。

未来の学校


ちょっと話がそれるけど、私は渡米に向けて英語を勉強し始めた。英語やだなあと思ってたんだけど、もうね、現代のテクノロジーが凄すぎる! 0円で、自分1人で、すごく効率的に勉強できるの。ほんとびっくりする。
すごく優秀なアプリもあるし、AIに聞けば、何でも答えてくれる。Google翻訳も正確に訳してくれる。
教室で1時間授業を受けるより、AIが選んでくれる問題を1人でやったほうがよっぽど進む。

私がようやく真面目に英語を勉強し始めたのは、実践する機会があるからなんだよね。必要性があるから。
だから、学校の英語教育でできることは、一生懸命三単現のSとか教えるんじゃなくて、実践の場を提供して、英語を勉強することを手段にしていくことだと思うんだよね。
例えば、交換留学で、海外から何ヶ月間かクラスメイトに外人を招く、とかね。そうすれば、英語を話すこと、学習することが必然になってくる。やる気も出る。
それに、外国の人を呼ぶなんて事は、なかなか個人的にはやりにくい。これこそ学校だからこそできること。

だから、これからの学校と言うのは、知識を伝える場ではない。
人があるいること、設備があること、お金があること。これらの資源を生かして、学校でしかできないイベントとか課題とかを設定する。そして生徒はそのために手段として学習していく。その学習の際には、AIとかをフル活用していく。

まぁ、残念ながら、今の公立小学校の場合、微妙だから、人がいること位しかメリットがないんだけどね。お金もないし設備もないし…家の方が充実しちゃってるってどうなのよ?!


そう考えると、個別指導も、意外と衰退産業なのかなぁ…と思ったり。
直接知識を伝達するよりも、チューターのような役割になっていくと思うんだよね。ちょっとしたアドバイザーみたいな感じ。きっと、受験勉強に特化したAIはどんどん出てくるだろうから、そのAIを使っていれば、勝手に勉強できるようにはなると思うんだよね。
だから、正直、教えるのがうまいという技術は、教師に必要なくなっていくと思う。

だから、個別指導の役割は、その子に合った学習を見つけるまで、数ヶ月間にいろいろ一緒に試して、トライ&エラーして、良い学習スタイルを見つけてあげることなのかなぁって。そこからは、困ったときに連絡をもらう位の感じになるんだろうなって思う。
コンサルティング業みたいになっていくんじゃないかなって思う。
だから、これから私が学んでいくべきなのは、教え方をうまくすることではなくて、どんな学びの手段があるのかの引き出しを増やすことなのかなと思うんだよね。その情報源になる事というか。

情報がこれからもキーワードですな。
情報!情報!情報!

では、これから卒業式に行ってきます!まる

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