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【読書メモ】ママがいい!母子分離に拍車をかける保育政策のゆくえ

お疲れ様!
今日は「ママがいい!母子分離に拍車をかける保育政策のゆくえ」という本について読んでみました。著者は松居和さん。
コテコテの「3歳児神話」(3歳までは母親が子どもの面倒をちゃんとみるべき)の信者の方。本のレビューが賛否両論ありすぎて笑、気になって読んでみました。
本の内容は、一言で言えば「そんなに子育てを保育園任せでいいのか?」みたいな内容。この著者の方は、アメリカの子育て事情をいろいろ見てきたらしい。市場原理を保育にも当てはめた結果、家族が崩壊し、学校が崩壊し…みたいなアメリカ状況見ていて、日本の現状に警鐘鳴らしているよ。
正直、ちょっと言い過ぎでしょ…と思うところも多々あったけど、はっとさせられることも多かった。

1子育てしやすい街=保育園が多い街?


「子育てしやすい街にしよう!保育所を充実させよう!」みたいなことを言う政治家はかなりいる。でもよく考えてみてほしい。子育てがしやすい=保育園が多い街なのだろうか。
公園が多いとか、児童館が多いとか、子供が多いとか、そういうことならわかる。子育てしやすい街なのではなくて、母親が働きやすい、ということだよね。
そこを勘違いしてはいけない気がした。子供にとって本当に子育て環境として充実した場所なのかはまた別の問題。
子供を簡単に預けられる環境が子育てしやすい、となってしまうと、なんだか子供は厄介者のようになってしまう。子供=厄介者でめんどくさいもの、まぁそれはそうなんだけど(笑)、そこを前提にしちゃっていいの?と松居さんは警鐘を鳴らすよ。

2市場原理を入れてはいけない場所がある


市場原理を、保育現場に入れてはいけない。
保育園を増やしているのは、母親の為、国民の為、子供たちの為、みたいな風潮があるけれど、本当にそれだけだろうか。
今、保育園事業への参入が相次いでいるらしい。資格を持っていない人でも働けたり、結構何でもアリな状態になってる。それに、子供を預けたい親は増えているから、ビジネスチャンスになっちゃってるんだよね。そうして保育士から搾取して、儲ける、みたいなビジネスの場になってきてしまっている。
そういう保育園にとって、親や子供はお客さんになる。だから、親も園いろんなことを注文してくるようになって、それが当たり前になって、子育ては保育園に丸投げ、みたいになっていくと松井さんを指摘するよ。

確かに、私の体感でも、保育園ってほんといろいろなんだよね。子供たちは結局保育園に入れてないけど、妊娠中にいくつか見に行ったんだよね。そしたら、こんな狭いところでこんな人数で…え…みたいなところもあったよ。その保育園の求人とか見ると、めちゃくちゃ給料安かったり…
ビジネスの場ではなくて、あくまで公共の場、子育ての場であってほしいなって思う。

3結局は労働時間の問題?


人間の成長において、幼少期に、親とのからの愛情をしっかり受けるって大事。これに反対する人はいないと思う。
ただ! 24時間365日一緒にいるって辛いんだよ…それはそれで、母親たちが心をなくしてしまうんだ。これは私にも経験があるから、わかる。
かといって、1日10時間以上保育園にお世話になるのにも、正直ちょっと抵抗がある。
でも、ワーキングマザーのお母さんたちは、10時間位保育園に預けざるを得ないんだよね。別にその人が預けたいと思っていなくても会社の仕組み的に仕方がない。
じゃあ仕事をやめようといっても、子持ちの主婦にそんな高い給料の仕事なんてなかなかないというのが現実。
ここでもやっぱり長時間労働の問題が大きいんじゃないかなって思う。どんな人でも希望すれば、もうちょっと短い時間で、子供を幼稚園に預けられるくらいの時間で、働くことができればいいのになぁ。
365日24時間子供とずっと一緒にいるか、毎日10時間以上保育園にお世話になるかという極端な2択みたいになっちゃっているのが問題だよね。

こういう3歳児神話みたいな話になると、
専業主婦のママVSワーキングマザーみたいな構図になっちゃうんだよね。母親が1人で見るか、保育園に任せちゃうかではなくて、何かもっと良いバランスで子育てしていけないのだろうかと、社会で考えて行けたらいいのになと思った。対決してる場合じゃないよねー
では!まる

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