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#4 参加型リーダーシップのフレームワークを学ぶ

このnoteでは「参加型リーダーシップ」を学ぶ武蔵野大学の公開講座について紹介しています。

今回は、「参加型リーダーシップ」のフレームについての学びを、受講生の視点からレポートします。

参加型リーダーシップのフレーム

私たちは、「対話(ダイアログ)」にチャレンジすることで「参加型リーダーシップ」のプラクティス(実践・練習)を始めました。#1 #2 

そして、さらに「参加型リーダーシップ」のコミュニティに知恵として積み上げられているいくつかのフレームワークを学ぶことで、さらに豊かなプラクティスをしています。

この記事では、これらのフレームワークに焦点をあてて、私たちの学びをご紹介します。なお、この記事では、フレームワークを学んだ受講生の私たちが感じたことから、概要をお示ししてみます。

フレームの「中身」をまとまった文章で詳しくお知りになりたい方は、参加型リーダーシップのトレーニング「Art of Hosting」の実践者たちが様々な言語でまとめていますのでぜひそちらをご覧ください。

この記事や周辺の情報を読んでみて、「これは、文字を理解するだけよりも、やっぱり体験をしないと!」と思われる方、ぜひ2022年の講座をご一緒しましょう!

ケイオディック・パス

私たちの暮らしに「Control(統制)」「Order(秩序)」の「Chaos(カオス)」「Chamos(ハモス)」という関係の質があるとしたら。ケイオディック・パスは「Chaos(カオス)」と「Order(秩序)」の間を歩いていく道のこと。参加型リーダーシップでは、ここを歩き、私たちがイキモノとして活かしあいながら未来に向かうスキルをつける。

私たちの近くには、「Order(秩序)」と「Control(統制)」のそばをいく「Management(マネジメント/管理するスキル)」の形式知はたくさん転がっている。だけど、ケイオディックな道のりを行く方法は、調べてもなかなか出てこない。

でも、たしかにある感じがする。

私たちが、新しいサービスや事業のアイデアを考えたあの時、普段踏み込まない領域に進んでいる感じがしたあの時、「途中大変だったけどなんかよかったよね」と言いあっていた時、ケイオディック・パスを歩いていた?

歩き方は、まるでダンスをするみたいな感じ。『うろうろ』『うねうね』『ひょいひょい』と進む感じかなあ。『ぽきぽき』『ごんごん』と色んな音がしそうな感じもする。きっと、ピッピッと行進するような感じやスーッと進むような感じではないんだろう。

どこにいくのか分からないのに、なんとなく最終的には上手くいっちゃう予感があったりする。

ケイオディックな道のりを「この場・この関係性だったら、歩いていけるんじゃない?」と思える関係をつくることが大事なのかもしれない、と考え始めた。

そんなことを感じ、私たちの歩き方を話し始められるフレームワーク。

4相の実践

ケイオディックな道をともにダンスできるしていくための、実践のあり方。それが4相の実践。

その4つは「自分をホストすること」「ダイアログすること」「誰かをホストすること」「共創すること」

私たちの経験のなかでも、実践してきたことがあるかも。

仕事でお客様に提案する時に、1番の「自分はどうなの」を置いていきがちだけど、うまく実行まで進む時って、「自分はどうなの」も含めてちゃんとある時な気がする。

自分をホストしながらお話できている場がある。思い返すと、それは「こんなことをやりましょう」というお話が事前にあったミーティング。ミーティングのテーマに合わせて参加者が自分をホストできる準備が必要だと思った。

私も、大事な話をホストするチャレンジを始めてみたい。

今この瞬間、4相の実践のどこにいるんだろうかを考えてみたい。

いま、どんな実践をやろうか。自分をどう導けるかを考え始めた。

リビング・システム

リビング・システムは、「私たちが生きものである」ということに立ち戻ったとき、「どんな風にみんなでともにあろう」と考えるのに力になる。

身の回りの機械(パソコンやスマホなど)と、身の回りの生きもの(庭の野菜や街路樹など)は、どんな風に違うだろう。

あらかじめ決められた目的に対応したボタンを押せば、動くのが機械。
生きものは、こっちかなと自分で思った方へ、自己組織化して動いていく。

ルールや情報、指示が流れているのが機械のシステム。
生きもののシステムには何が流れているだろう。

私たちはまたダイアログ(対話)してみた。

①どんな風に周りが接してくれたら、私の生きもの力が発揮できるだろう。

・ときに思っていることをただ聞いてほしい。
・高く伸びるために支えてほしい。
・「若い人はどう?」じゃなくて「あなたはどう?」と接してほしい。

②どんなシステムのなか(社会の雰囲気、制度、ルール、繋がり方、場所など)で居られたらいいだろう。

・やりたいこと、興味のあることがもっと大事にされる学校のシステムがあったらいいのに。
・(いま、言語化しきれないこともたくさんあるのに)必ず何か言ってくださいと言われる場は嫌だ。
・自主性をもってのびのびと挑戦できるような場で活動できたら、安心感をもって成長できるかも。
・相手自身を生きものとして大切にできると、自分も生きものらしくいられそう。

こんなことを気持ちよくお願いしあえたら、どんな風に一緒にはたらけるだろう。さあ、私たちはどんな風にいようか。どんな風にいられる仕組みをつくっていこうか。そのようなことを話し始められたフレームワーク。

カネヴィン・フレームワーク

カネヴィン・フレームワークが教えてくれるのは、目の前にたくさんある課題を、解決しやすい形に見えやすくするやり方

10月31日Vol9 カネビン


まずは、いま目の前にある困りごとを「秩序不明」としてテーブルに出して、何に困っているか、その困りごとと、その困りごとを引き起こしている原因にはどんな関係があるだろうかを話し始めるところからこのやり方は始まる。そこから分かれるのは、「単純系」・「カオス系」・「煩雑系」・「複雑系」

単純系は、やり方をちょっと調べれば分かるようなもの。

カオス系は、大変な危機にも近い困りごと。まずは命を守って、安全に生きることを大事にしよう。

煩雑系は、なんだか難しいことになっているけど、専門家に聞きにいったら分かりそうなこと。みんなで頭を悩ます前に、えい!と聞いちゃえ。

複雑系は、みんなで頭をひねらないといい方法が見つからなさそうなもの。そんな時はみんなで話そう。

私たちが学んでいる「対話」が役立つのは、「秩序不明」の段階や「複雑系」の課題を目の前にしたとき。

私たちの目の前にある困りごとのことをみんなで考えてみたら、色んなことに気づき始めた。

・難しそうに見える問題にぶつかったとき、このフレームでとらえようとしたら冷静に対処できる可能性も上がる感じがする。
・因果関係を気にして聞いてみたら、一つの困りごとも色んな形の課題が含まれているように聞こえた。その問題の時期によっても課題の質が変わりそう。
・困ったこと・悩みなどがあるとき、丁寧に原因を考えること・聞いてもらう場が大事だ。

難しそうに見える問題も、誰かと話したら前に進めるかも。

ブレス・パターン

そして、私たちの大事な話し合いやダイアログをデザインするやり方が、ブレス・パターン。

バラバラでユニークでカラフルな私たちが知恵を集め、課題をじっと見つめたり、そこで見えたことにみんなで取り組もうと話し合うときのイメージ。

多様な意見・視点を招き入れる「拡散」のフェーズ。
よし、次のお話やアクションに行けそうだ、という「収束」のフェーズ。
そのあいだには、もう嫌だ!とわめき声(Groan)をあげたくなるような「グローンゾーン(GroanZone)」のフェーズがある。
楽しい時間ばっかりじゃない。でも一緒に話をこねこねした方が、協働しやすい。

グローンゾーンは必要なプロセス、と振り返れば思えていたけど、早く知りたかった。今は、そういった考え方もあることを知れて救われた気持ち。

効率的に・スピード重視 という中で、グローンゾーンを通らずに楽しく拡散→収束と、大事なことに向き合わず収束する、ということも結構あったなぁ…

グローンゾーンでも問い続けたい。諦めない、逃げない、放棄しない。

私たちの大事な話し合いに3つのフェーズがあるとしたら、どんな風にその時間をホストしてみられるだろうか?

たとえば、「拡散」の時間だったら?

・お互いに否定しないでいられたらやりやすくなる?
・少ない人数でたくさん話せるようなレイアウトだといいね
・ポストイットがあるとどんどん出しやすい
・窓があったり外に出られたりすると言いやすくなったりもするね
・わけるのに手間がかかるおやつがあってもいいね

たとえば、「グローンゾーン」は?

・疲れるからやっぱりおやつがあるといいよね
・たき火の音があるといいかも
・自然や気持ちのいい空気に触れられたらいい
・お互いに親切にしてみると乗り越えられるかも

たとえば、「収束」は?

・これまで話してきた内容の模造紙が見られているといい
・前に進むために収束しようと伝えてみられるといいかも
・決めるための基準をお話できるといい
・こぼしてしまう部分も大事にするやり方があるといい
・飲み物を持ってもぐもぐしないで話している感じ。

私たちが知恵を出し合ったら、大事な話し合いをホストできるかも!

ご一緒しませんか?

私たちが4コマ分(6時間)+ホームワークで学んだことを、ぎゅぎゅっと10分で読めるようにまとめてみました。
お読みくださった皆さんの頭や心に、どんなことが浮かんできていますか。

フレームワークを学んだら、「解のない課題」に伴走する道を一歩も二歩も楽しく進んでいけそうな予感がします。
ぜひ、講座やトレーニングでともに学びましょう!

【関連リンク】

◆【参加型リーダーシップ入門2022】特設サイト
2022年秋のご案内を掲載しています!
https://musashino-cocreationlab2022.mystrikingly.com/

◆参加型リーダーシップのトレーニング「Art of Hosting」
2017inAyabe:https://aohj2017.weebly.com/
2018inMakinohara:https://artofhostingmakinohara.mystrikingly.com/
2019inNagara:https://artofhostinginjapan.weebly.com/nagara-2019.html
2019inSapporo:https://artofhostingsapporo2019.mystrikingly.com/
2022inIwakuni:https://artofhosting2022iwakuni.mystrikingly.com

◆対話とグラフィックの基礎講座「対話Basics/グラフィックBasics」
月に1度のオンライン講座です。
https://peatix.com/event/3224913/view

◆一般社団法人サステナビリティ・ダイアログ
本講座を運営している、サステナビリティ・ダイアログのホームページ
https://www.sustainabilitydialogue.vision/

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