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全体領域と境界について
「壮麗なるものには隠然として、邪悪なもの、怪異なもの、頽廃したものが秘められ、夜光のような輝きを放っている。」
森敦『意味の変容』
畏き白蛇の神に思いを馳せてみる。その蛇神を壮麗たらしめているものは何であろうか。それは鈍色に光る鱗の流れであり、二股に分かれた細く赤い舌を啜る囁きである。そして、とりわけ、その恐ろしき牙である。
いまここに、蛇神が牙を抜かれたとしたら、それは自身の邪悪、怪
「壮麗なるものには隠然として、邪悪なもの、怪異なもの、頽廃したものが秘められ、夜光のような輝きを放っている。」
森敦『意味の変容』
畏き白蛇の神に思いを馳せてみる。その蛇神を壮麗たらしめているものは何であろうか。それは鈍色に光る鱗の流れであり、二股に分かれた細く赤い舌を啜る囁きである。そして、とりわけ、その恐ろしき牙である。
いまここに、蛇神が牙を抜かれたとしたら、それは自身の邪悪、怪