日記20190313,&14/ベンチャー企業説明会へ行った感想
毎日日記を書くということは別に苦痛でもなんでもないのだが、書く内容をゲットするために毎日何かをしなくてはいけないのは非常につらい、だるい、めんどくさい。の怠惰なる三拍子である。ポケモンマスターになるためにサトシが毎日ポケモン捕獲を繰り返すのを馬鹿にはできないなと思った。僕も毎日単位やら内定やらをゲットしなくてはいけない。逃げるポケモンを捕獲する難しさに対して単位やら内定は自分が歩み寄っていけばゲットできるはずなのだが、一向に手持ちが増えない。このままではそこらの草むらで捕まえたキャタピーばかり所有する人生になってしまう。ポケモンマスターどころではない、これではノケモンマスターまっしぐらだ。
そういった焦り、疲れ、ねこを欲する気持ちからか、黒塗りの高級車に激突するの、ではなく、全く自分と関わりのないベンチャー企業の説明会に参加してきてしまった。今回は日記を兼ねたその報告である。
まず最初に言っておきたいのが、僕は理系の化学系の学部へ通う廉潔白天真爛漫聖人君主休日出勤事実無根四捨五入な大学院生である。理系の大学院生という時点で九割位は関わり合いになりたくないような人間ばかりであるが、その残りの一割に属する貴重な真人間である、と自負している。
次に言っておきたいのが今回説明会に行った会社はweb広告の会社であるということだ。全く僕の専攻分野と関わり合いがない。
だからといって別に世の中の跋扈する就活生に自分の専攻と全く関係ない分野を見てみるといいよ☆みたいな意識高い系の推奨をしているわけではない。何らかの関わりを持っている分野を見るならまだしも関連も興味もない分野を見るのは正直時間の無駄である。僕の場合はメーカーの研究開発部門志望→研究者営業に興味→マーケティングに興味という順で爆走独走激走暴走迷走を繰り返した僕が日記のネタにするついでで行っただけである。
以下は実際に行ってみた感想だ。
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①会社はめっちゃ綺麗
会社はめちゃくちゃいいところ(東京のなんだか地価が高そうなところ)にあり、オフィスはめちゃくちゃ綺麗だった。スタバみたいな感じの作りだった。畳の部屋があったり、レゴが置いてあったり、冷蔵庫にビールが置いてあったり、とにかく自由な雰囲気だった。いいじゃん自由。とか思いながらちらっと空き部屋を見たところ、寝袋が転がっていた。三つくらいあった。寝袋。理系の研究室でよく見るあれが見えた。おかしいな、どうしてこんな自由空間にこんなものが?北海道にゴキブリが居るような違和感だし、某体は子供頭脳は大人系名探偵だったなら舐めてこれは…暗黒物質!とか言ったかもしれないが、純粋無垢な大学院生である僕は会場のおねーさんの説明に集中することにしたのだった。
②カタカナが多い
まあ広告会社なのでカタカナが多いのはなんとなく想像していた。ウェブ、とかさ、ネットワーク、とかさ、ソーシャル・ネットワーキング・サービス、とかさ。
それくらいの心持ちで行ってみたらいきなり「アジェンダ」が出てきた。アジェンダね~あれね~仮面ライダーディケイドの色ね、ここがベンチャー企業の世界ってことね、だいたいわかった。
???「マゼンダだ。」
ピンクじゃん、とか言うとめんどくさい特撮ヲタにからまれるので気をつけよう。別にアジェンダじゃなくて別に議題とかでも良くない?
以降怒涛のごとく表れるカタカナ言葉に押しつぶされながら説明を聞いていた。アウトソーシング、KPI、コアコンピタンス、ローンチ、セグメント、ノマド、ASAP、バズマーケティング、パラダイム、AIDMA…。
めんどい。
僕は別にこういった意識高いカタカナ言葉を嫌っているわけでは無いが、めんどい。アジェンダ一つとってもいちいち頭の中で
アジェンダ→agenda→議題
みたいに訳すのがめんどくさい。さらに僕の頭在住の電脳mtpn(25)とかは先程のように「ディケイドの色ね」「通りすがるのね」「おのれディケイド」みたいなツッコミを入れてくる。結果内容がいまいち理解できん。意識が他界してしまう。
話が変わるが英語をそこまで頑張って勉強していない人にとって別の言語と認識したものに対する思考はこんな漢字だと思う。
「何だよ急に、俺が二時間しか寝てないのはいつものことだろ?」
という文をGoogle翻訳にぶちこむと
「What, suddenly, is it normal that I only slept for two hours?」
となる。この英語の方をいきなり言われてみろ。僕のポンコツ脳みそは頭の中で「normal?heがtwo hourしかsleepしてnothing? 」みたいに認識してくれない。「アイツ、ネテナイ、ニジカンシカ、イシキタカイケイ」みたいにある程度ばらばらになった日本語に訳したものをもう一度頭の中で認識、「二時間しか寝てないのか、そんなこと自慢してくるこいつとは関わらないようにしよう」という答えになる。やや捻じ曲がった認識になっている気がするが気にしてはいけない。さらに英語と日本語が混在すると余計にわからなくなる気がするのは僕だけだろうか。説明会なのだしある程度日本語で話してほしかった。KPIとかAIDMAとか全くわからなかったぞ。
③来ている人達のノリが就活じゃない
就活における「私服OK」という文面の罪深さはやばい。ガンジーもキレて核を使うレベルで罪深い。僕が今まで行った私服OK就活関連イベントにおいて、私服派が多数になったことがない。スーツを着てくるやつが圧倒的多数である。僕はめんどいのでセンスもレパートリーもない私服で挑みそして死ぬ。お前らスーツ毎日着るのか?おしゃれなパンケーキ食ったり教授の家にお呼ばれする時にスーツ着るのか?AOKIの回し者か?
で、今回は「私服OK!」と書いてあったのであえてスーツで行ってみた。僕がスーツフェチであり私服のレパートリーが二種類くらいしかない人間というのもあるが、直前まで別の説明会に行っていたからというのが一番大きな理由である。まあ着替えるのがめんどかったわけだね。
挑んだ会場は私服で溢れていた。というかチャラい格好の奴らが多かった。鏡でずっと髪型や髭の形を確認してるやつもいたし、化粧してる奴らもいた。うっかり変なオーディションに紛れ込んでしまったのかとメールを三度見くらいしたが間違ってはいなかった。スーツ着てるの僕と、もうひとりしか居ない。一瞬そいつと目が合う。
「そんな装備で大丈夫か?」
「大丈夫だ、問題ない。」
眼と眼で意思疎通をした、のかはわからない。
参加している人達は私立の文系の人達が多かった。偏見とかではないが、ここはそういう服装だとかには緩い業界なのかなと感じた。いいことだ。就活マナーなんて滅びて然るべきである。風雷のシレンで言えばくねくねはにーみたいなもんだ。だが服装センス皆無の理系大学院生の居場所はここにはなかった。
④聞かれたくないことになるとおねーさんの声が怖くなる⑤意識が高い
この二つは一気に書こうと思う。めんどくさくなってきたわけではないが、パソコンの充電がなくなりかけているのだ。スマホは先に逝ってしまった。だが心配はいらない。人間期限が決まっている方が良い作品を作れるものである。
説明会の構造としては、説明→採用情報→質疑応答が一般的だと思うが、今回も内容のカタカナ含有量はともかく、この順番で進められた。
その質疑応答。やはり「聞かれにくい内容」が存在する。具体的には残業とか、給料とかである。波風立てないことが特色である日本人的感性に従えば質問しないのかもしれないが、就職とは一生を左右するものであるから、少しくらいの波風くらいなら立ててもいいと思う。というわけで眠気の波に溺れそうになっている僕の後ろから質問が放たれた。
「月の残業は何時間くらいですか?」
説明のおねーさんの表情が明らかに変わる。せっかく用意したであろう笑顔を凍りつかせるのはやめてくれ。前の列の僕が恐怖に怯えることになるぞ。その答えは「月によって様々ですね~、繁忙期はやっぱり忙しいですし…」だった。どう取るかは君次第である。
さて残りは会社理念についてだとか、食堂はおいしいかとかそういったやさしい質問しか無いだ
「さっき空き部屋に寝袋置いてあったんですけど、会社に泊まったりするんですか?」
津波だ。おねーさんの顔が固まった。氷河期だ。いやお前もドア閉めとけよ。もう。
「あれはですね、オブジェみたいなものです。ほら、このフロアにはレゴとか畳とかあるじゃないですか?そんな感じで誰かが悪ふざけで持ってきたのかな~って?」
三つくらいあったぞ?
「でもね、もしお客様の都合で会社に泊まらざるを得ない状況になったら、私達はそのつもりで業務に挑んでいます!ということを皆さんは心に留めておいてほしいですね!」
なんかいい話になったぞ?どう取るかは君次第である。
さすがにもう地雷は踏み尽くしただろう、さあアンケートを書いて帰ろうかなと思ったその時、おねーさんが声色を変えて話しだした。
「アンケートには選考を希望するかどうかの欄があるんですが、そこは内定が出たら確実に入社する、という人だけチェックを付けてください。」
ぅゎぁこゎぃ。
「内定を複数所持するってのは、様々な会社に対して失礼なことだと。私達は考えていますので。」
こゎぃ。
「内定を出したら、三日以内に確約書、というものを出してもらって。」
まぢこゎ。
「半年くらい早く、インターンという形で業務にあたってもらおうかなと考えています。」
??????????????????????
ここらへんをどう取るかは君次第である。
とまあ、ざっくばらんに書いたが、こんな感じだった。え、僕が選考を希望するのかって?どう取るかは君次第である。オフィスから出ると海沿いだからか、やけに冷たい風が僕に当たった。時間は20時。その会社が入っているフロアの窓の電気は一つとして消えていなかった。僕は温かい缶コーヒーを自販機で買い、ご覧、あれが百万ドルの夜景だよ。と一人呟いた。そして最寄りの駅に向かい、道に迷った。(完)
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