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coldmountainstudy~ピックアップ2023.9.

9月はブックイベント出店も多めだったので、”一期一会”しまくった結果冊数やや多めです。

求めたものは一杯の冷たい麦酒(萩原朔太郎)、呑まぬくらいなら蕎麦屋へは入らぬ(池波正太郎)、おしまいにひとロライスカレー(向田邦子)。酒友との語らい、行きつけの店、思い出の味……。銀座、浅草の老舗から新宿ゴールデン街、各地の名店まで酒場を舞台にしたエッセイ&短篇アンソロジー。     
■目次
虚無の歌 萩原朔太郎
【酒友のいる風景】
はせ川(井伏鱒二)
中原中也の酒(大岡昇平)
青春時代(森敦)
酒の追憶(太宰治)
酒のあとさき(坂口安吾)
池袋の店(山之口獏)
音問(檀一雄)
詩人のいた店(久世光彦)
後家横町/酒のこと(小沼丹)

【行きつけの店】
タンタルス(内田百閒)
藪二店(池波正太郎)
私と浅草/札幌の夜(吉村昭)
鯨の舌(開高健)
「ままや」繁昌記(向田邦子)
ほろ酔いの背に響く潮騒(安西水丸)
新宿飲んだくれ/焼酎育ち(田中小実昌)

【文士の集う場所】
「ぼるが」に集う人人(石川桂郎)
昼間の酒宴/ある酒場の終焉(寺田博)
深夜の酒場で(中上健次)
バーの扉を開けるとき(島田雅彦)
てんかいそうろう(戌井昭人)

【酒場に流れる時間】
海坊主(吉田健一)
幻想酒場〈ルパン・ペルデュ〉(野坂昭如)
花の雪散る里(倉橋由美子)
ゆうすず(松浦寿輝)

同じ飲食のアンソロジーでもちくま文庫のそれとは大分感じが違うのがわかりますね。
これを書いている今もジツは、昼酒中です。

この20年間で、小中学生の平均読書冊数はV字回復した。そんな中、なぜ「若者は本を読まない」という事実と異なる説が当たり前のように語られるのだろうか。各種データと10代が実際に読んでいる人気の本から、中高生が本に求める「三大ニーズ」とそれに応える「四つの型」を提示する。「TikTok売れ」の実情や、変わりゆくラノベの読者層、広がる短篇集の需要など、読書を通じZ世代のカルチャーにも迫る。

《目次》
はじめに
第一章 10代の読書に関する調査
第二章 読まれる本の「三大ニーズ」と「四つの型」
第三章 カテゴリー、ジャンル別に見た中高生が読む本
第四章 10代の読書はこれからどうなるのか
あとがき

《著者紹介》
1982年青森県むつ市生まれ。中央大学法学部法律学科卒。グロービス経営大学院経営研究科経営専攻終了(MBA)。出版社にてカルチャー誌や小説の編集に携わったのち、独立。マーケティング的視点と批評的観点からウェブカルチャー、出版産業、子どもの本、マンガ等について取材、調査、執筆している。著書に『いま、子どもの本が売れる理由』『ウェブ小説の衝撃』(以上、筑摩書房)、『マンガ雑誌は死んだ。で、どうなるの?』『ウェブ小説30年史』(以上、星海社新書)、『ライトノベル・クロニクル2010?2021』(Pヴァイン)など。

県内の優秀な書店店主さんが推していて、気になったので購入。
パラパラやりましたがああ、そういうことか!と。
本屋的に読み込みたい一冊ですね。

《この世代の世代論は、ノスタルジーか残酷物語のどちらかである。そうではない本を書くことが本書の目的だが、そうなっただろうか。》――速水健朗(本書「あとがき」より)

ロスジェネ、超氷河期、お荷物と言われ続けた団塊ジュニア世代のど真ん中ゾーンも、ついに天命を知る50代に突入。
そんな世代が生きてきた1970年代から2020年代にわたる、日本社会、メディア、生活の変遷を、あるいはこの時代に何が生まれ、何が失われたのか――を、73年生まれの著者が、圧巻の構想力と詳細なディテールで描くノンフィクション年代記。
既存の世代観を上書きする、反「ロスジェネ」史観の誕生!

自分が生まれた年・・・と言ってしまえばそれ以上でもそれ以下でもない本ですが、やはりその年そのものなのだから自分には価値がある。”起きたことを・そのまま”書いている感じがとても良いです。

発酵文化のスペシャリストが日本古来の食文化を神饌をキーワードに紐解く

発酵をめぐる旅を続ける著者が、その土地ごとの食のありかたを観察するなかで見えてきた、人々の暮らしや気候風土、死生観や政治経済。古代の日本人たちが感じていた食の世界にタイムスリップする1冊です。

これはこうふのまちの一箱古本市に出店した際、主催者の一人である「春光堂書店」さんで購入した一冊。ヒラク氏は山梨に縁の深い方でもありますね。購入場所・機会によっては付録に酢味噌や納豆がつく・・・特典があったようですがこの本には何もなし。

大学新入生しょくんへ、そして〝じぶんって考えるのヘタかも?〟と思ってる大人のみなさんへ。累計26万部突破『新版 論文の教室』著者による、思考のトレーニング本がここに誕生。

「演繹」「帰納」をいっさい使わず身近な例を豊富にまじえ、まずは論理的思考の本質を柔らかく説く。でも、さまざまな偏見や思考の飛躍によって、論理の筋道は曲がりくねってしまう。ならば、〝じょうずに考える〟ためには、どんな装置を使って、何をどのように勉強すればいいのか?

語彙力強化の秘伝から、じぶんの考えを効率的に伝えるための文章設計術、相手の考えをきちんと理解するためのクリティカル・リーディング、相手といっしょに考えるためのディベート術まで、ユーモア&論理エキスたっぷりの戸田山節で講義。〝考える〟ためのすべてを網羅した「知の教典」、練習問題42問も付いた決定版! 〝じょうずに考える〟ためには、やっぱり考えてみないとダメなんだ。


序 章 「じょうずに考える」ってどういうことだろう?

I 基礎編──じょうずな思考の入口は、「論理」で開かれる

第1章 そもそも「考える」ってどういうことかを考えてみるぞ

第2章 これが、「論理的思考」の世界でいちばんシンプルな定義だ!

第3章 サポートとツッコミについて、さらにツッコんでみよう

第4章 論理的思考のようで論理的でないベンベン、

それは何かと尋ねたら……

第5章 しかし、私たちのアタマは論理的思考に向いていない、

という「不都合な真実」

II 実践編──生まれながらのアホさかげんを乗り越える3つのやりかた

第6章 まずは、語彙を増やすことから始めよう

──テクノロジーを使って考える1

第7章 ローテクな「紙とペン」こそ思考強化の最強の味方

──テクノロジーを使って考える2

第8章 文章設計の方法──他人といっしょに考える1

第9章 「クリティカル・リーディング」と「実り豊かな議論」のために

──他人といっしょに考える2

第10章 「集団思考」にお気をつけあそばせ

──考えるための制度〈しくみ〉をつくって考える1

第11章 最終手段「ガクモン的思考」を手ほどきするぜ!

──考えるための制度〈しくみ〉をつくって考える2



終 章 新・ガクモンのすすめ

練習問題解答&ブックガイド

先日小諸でご一緒した「ハリ書房」さんからの一冊。自分はアタマよくないとインコンプレックスというか自覚というか・・・があるのでこの手の考え方練習本は定期的に読んでる気がします。


「する」「観る」「教える」をアップデート!
根性と科学の融合が新時代をひらく。

元アスリートとして、声を上げつづけてきた著者の到達点がここに。

勝利至上主義、迷走する体育・部活、コロナ下の五輪強行、暑すぎる夏、甲子園の歪さ、ハラスメント、応援の過熱、アスリート・アクティビズム、テクノロジーの浸透…
それでも、もう一度全身で、スポーツを楽しみたい! そう願うすべての人へ。
「3.0」は、根性と科学の融合となる。レジリエンスとしての根性を認め、心技体の心得に再び息を吹き込まなければならない。
「スポーツ3.0」の試みが、いま求められている。
――本文より

●目次
序章 アスリートのことば――なぜ、あのとき嘘をついたのか
第一章 スポーツ3.0
第二章 東京五輪はスポーツになにをもたらしたのか
第三章 「するスポーツ」と運動
第四章 勝利至上主義への処方
第五章 応援とテクノロジー
終章 元アスリートのことば――テクノロジーとの融合を


sa

最近何かと目立つ平尾さんの最新刊。なんだかんだ言っていつもスポーツのことは考えていますね。

【『人新世の「資本論」』、次なる実践へ! 斎藤幸平、渾身のプロジェクト】
戦争、インフレ、気候変動。資本主義がもたらした環境危機や経済格差で「人新世」の複合危機が始まった。
国々も人々も、生存をかけて過剰に競争をし、そのせいでさらに分断が拡がっている。
崖っぷちの資本主義と民主主義。
この危機を乗り越えるには、破壊された「コモン」(共有財・公共財)を再生し、その管理に市民が参画していくなかで、「自治」の力を育てていくしかない。

『人新世の「資本論」』の斎藤幸平をはじめ、時代を背負う気鋭の論客や実務家が集結。
危機のさなかに、未来を拓く実践の書。

【目次】
●はじめに:今、なぜ〈コモン〉の「自治」なのか? 斎藤幸平
第1章:大学における「自治」の危機 白井 聡
第2章:資本主義で「自治」は可能か?
──店がともに生きる拠点になる 松村圭一郎
第3章:〈コモン〉と〈ケア〉のミュニシパリズムへ 岸本聡子
第4章:武器としての市民科学を 木村あや
第5章:精神医療とその周辺から「自治」を考える 松本卓也
第6章:食と農から始まる「自治」
──権藤成卿自治論の批判の先に 藤原辰史
第7章:「自治」の力を耕す、〈コモン〉の現場 斎藤幸平
●おわりに:どろくさく、面倒で、ややこしい「自治」のために 松本卓也
【著者略歴】
●斎藤幸平(さいとう・こうへい)
経済思想家。『人新世の「資本論」』で新書大賞受賞。
●松本卓也(まつもと・たくや)
精神科医。主な著作に『創造と狂気の歴史』など。
●白井 聡(しらい・さとし)
政治学者。『永続敗戦論』で石橋湛山賞受賞。
●松村圭一郎(まつむら・けいいちろう)
文化人類学者。『うしろめたさの人類学』で毎日出版文化賞特別賞受賞。
●岸本聡子(きしもと・さとこ)
杉並区長。主な著作に『水道、再び公営化!』など。
●木村あや(きむら・あや)
社会学者。Radiation Brain Moms and Citizen Scientistsでレイチェル・カーソン賞受賞。
●藤原辰史(ふじはら・たつし)
歴史学者。『分解の哲学』でサントリー学芸賞受賞。

”人新世”からくる流れの中で読んでおかなきゃ、な一冊。
対談相手がとてもいいですね。

お酒をください。

少し飲むのは、
得意ではない。
飲めばたくさん
が、私のスタイルだ。
五臓六腑に沁みるわたる酒場エッセイ集。
 なるべく店の邪魔にならぬように静かにのんでいるうちに、ああ、ここのつまみは、うめえな、とちょっとした有難みが腹に沁みる。そういう店、そういう味に、長い年月かけて、いくつか出合ってきた。

大好きな酔っ払いの、酒場エッセイ。
氏の少し青臭いエッセイ集「酒呑まれ」(ちくま文庫)は個人的タイミングも相まっていまだ忘れられない一冊です。

本を書き、編み、売り、語る」。仙台で出版社&古本屋を営む、本まみれ編集者の怒涛の記録。河北新報連載「仙台発出版こぼれ話」全200回を1冊にまとめました。芥川賞作家・佐藤厚志さん推薦!「しかし、どんだけ本が好きなんだ、この人は。」

東日本震災関連で出逢い、実際仙台を訪れ皿に興味をそそられた人の新聞エッセー集まとめ。
引用にもあるが本当に本が好き!な人と思う。

「四十代になる前に森の奥で隠遁生活を送ろうと心に決めていた。湖や森と向かい合い、日々が過ぎゆくのをみつめた。薪を割り夕食の魚を釣り、山を歩きたくさん本を読み、窓のそばでウォッカを飲んだ。冬と春を過ごし、幸福と絶望、そして最後には平穏を知った」。

冒険家でゴンクール賞作家のテッソンが、シベリアの奥地バイカル湖畔の小屋で半年を過ごした。冬の気温はマイナス32度、村からの距離は120km、小屋は標高2000mの山々の裾にあり、窓からは湖岸が見える。隠遁生活に彩りを与えるのは、雪と森と山と湖、野生動物、ロシア人の森林保護官や漁師たちとの交流、そして読書。

「心のなかに自由を感じ取れるようになるためには、だだっ広い空間と孤独が必要だ。それに加えて、時間をコントロールすること、完全なる静けさ、過酷な生活、素晴らしい土地との接触もまた必要である。こうしたものを獲得できる場所こそが、小屋なのだ」。

孤独と内省のなかで自然のざわめきと向かい合い、人生の豊かさを見つめ直し、自分自身が変わっていく日々を綴る、現代版『森の生活』。メディシス賞(エッセイ部門)受賞作。

富士見の「mountain bookcase」さんで見かけて以来ずっと気になってた1冊。
ソローの「森の生活」やプローンネクの「独りだけのウィルダーネス」が好きな人には外せないでしょう。
愉しみ過ぎて読むのがもったいない。が、ようやく出番待ちの列に加わりました。

ナリワイ起業はただのスモールビジネスではありません。「好きなことで誰かのささいな困りごとを解決する小さな起業」です。「好きだから」「稼ぎたいから」を、「どうしたら地域や社会に役に立てるか」という発想に変えることで新たな世界を開き、月3万円の収入を目指します。ほしい未来を、あなた自身の手でつくる。あなたのハッピーと誰かのハッピーを一緒につくりあげる。それが「ナリワイ起業」です。仲間と一緒に自分の棚卸しをし、練習を重ねてナリワイを見つけていく―。著者が開催している連続講座「ナリワイ起業講座」で使用しているワークシートを全公開!23/5/25に、NHK「あさイチ」で、著者の「ナリワイ起業」の様子が紹介されました。

久々に読むこの手の本。
気になって事例が取り上げられていたから・・・なのだが、自分の仕事スタイルの向上もまだ余地があると思っているがためのチョイス、かな。

「生命」「進化」とは何か。
生物学者・福岡伸一が、 ダーウィンの足跡をたどり、生命の本質に迫る。
絶海の孤島で繰り広げられる大自然の営みと進化の不思議を、ユーモア溢れる文章と美しい写真で描き出す、ガラパゴス航海記。

「生命とは何か」を追求し続け、「生命は変わらないために、変わり続けている」という福岡伸一(生物学者)が、進化論の島・ガラパゴス諸島フィールドワークの中から、新たなる生命観を導き出す。

絶海の孤島に生息する奇妙な生物たちはどこから来たのか? 特殊な進化を遂げたのはなぜか? なぜ生物たちは人間を恐れないのか?

陸と海に分かれて生息するようになったイグアナ、飛ぶための羽を諦めたコバネウ……ガラパゴスの生物たちの謎を解き明かす。

島の大自然を全身で感じながら、“進化の現場"と、その驚くべき生命の姿を生き生きと克明に綴った紀行ノンフィクション。

最後は茅野のイベントでご一緒した朝日出版社の橋本さんから直接購入した一冊。

福岡先生の動的平衡の考えはまさに自分にフィットするし、紀行文といえば自分が最も好むジャンル。読まずにはいられないでしょう!と。

今月はわかっていたとはいえ、買いすぎですね。救いは結構調子よく読めていることか。

ジツは今月、これで終わりでなく。

雑誌を含む番外編をまたお届けしようと・・・。


※リンクがamazonなのはamazonで買って欲しいということでは決してなく、単に見やすい・調べやすい・・・ということです。誤解なきよう。

http://www.coldmountainstudy.com/
coldmountainstudy@gmail.com 

coldmountainstudy  店主:鳥越将路


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