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人生に迷いつつ、台湾をゆく

おもむろに始まる台湾への旅

だいぶお久しぶりになってしまいましたが、皆様お元気でしょうか。

前回は、私が目指す人生の「山頂」とは何かを考えてみました。そしてそれは「まあ、いいか」と思って死ぬという事だということを確認。

いつ死ぬかもわからないので、先のことを考えることも大切だけども、「今」をもっと考えた方がいいな、と思い至った、と。そんな流れでしたが、まるで導かれるように、おもむろに台湾へと旅立ちました。

台湾へ行くと聞いた友人が、台湾在住のものすごく面白い人がいるから紹介するよ!と言って、紹介してくださったのが、Bさんでした。

Bさんは、外務省でお仕事をされておられましたが、現在は独立、日台交流の活動をされつつ、エッセイスト、音楽、お芝居の演者として大活躍されている方です。

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台北で待ち合わせた私を、Bさんは「絶対連れていきたいところがある」と言って、西門にある「台北天后宮」に連れて行ってくれました。Bさんとお会いするのは2回目。ほぼ初対面なはずなのに、するっと馴染む感じがする。なんだろう、これ。

台北天后宮で出会ったのはお馴染みのあの御方

「天后宮」という名前ですから、近世道教における大人気女神・媽祖(まそ)さんをお祀りしているお宮だという事はわかります。媽祖は、宋代に実在した神通力を持っていた女性で、神様として、中国の特に沿海部を中心に、漁業や航海の守護神として信仰されました。

「武藤さんが、道教に興味あるっていってたじゃない?だからって言うのもあるんだけどね、でも実は……」

早速媽祖さんにお詣りを…と本堂へ向かおうとする私に、Bさんがこっちこっち!と、満面の笑みで手招きをします。

「……ほら!」

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おおおおおお!?
思わず、叫び声をあげる私。

「ね? 空海さんでしょ」

Bさん、満面の笑顔。

「武藤さんを最初に連れていくなら、絶対ここだって、思いついたんだよ。だってここには空海さんがいるから」

思わず目を見開く私。
ここで空海さんが出てくるなんて……。なんだなんだ!?

お宮のパンフレットによると、日本統治下だった昔、この場所は弘法寺という真言宗のお寺だったそうなんですね。そのため宗祖である弘法大師空海さんをお祀りされてました。日本の統治が終わると道教の寺院になりましたが、今も変わらず大切にお祀りしていると、そういうことなんですね。

まさか台湾で、空海さん縁の場所に出会うとは想像もしていませんでした。

繋がっていた?空海さんへの時間

実は昨年、私は『今を生きるための密教』という本を共著で書き下ろしました。「密教」を正式に日本へもたらしたのは、空海さんです。本を書くためにということもありましたが、私にとって2018年とは、空海さんと出会う旅をしているという一年でした。

そんな本を書いたことをBさんが覚えていてくださって、この場所へ導いてくださった、と。そういう事なんですけども…

この時、頭をよぎっていたのは、「本を書いて、あの時なりのピリオドを打ったつもりだったけど、あれって全然ピリオドじゃないじゃん。繋がってる、続いてるってことなんじゃないの?」ということでした。

わあ、やっぱり今回の台湾って、なんかあるぞ…。
そんなふうに思い始めたら、血圧が上がったんでしょうか。頭に血が上ってアワアワしながら、慌ててお詣りします。アワアワしながら写真も撮ります。
何となくフワフワした気持ちで、媽祖さんにもお詣りして、Bさんに導かれるままに、Bさんお勧めのお店へと移動しました。

(続く)

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