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アメ横(75/100)

お疲れ様です。

朝までちらついていた雨がやみ、青空がのぞくとホッとしました。

アメ横といえば上野の代名詞です。おそらくアメリカ横丁の略だと思いますがアメリカにあのような横丁はあるのでしょうか。

とにかく雑多な通りです。マグロ、靴、化粧品、乾物、ジャージ、カニ、ジーパンが軒を連ねて営業しています。どの店もドアがないので店員さんは上着を着込んで声を張り上げています。それに誰もが怖そうに見え、どれもが偽物に見えます。ちまちましていたら怒鳴られそうだし、買わなかったら唾をはかれそう。なので私は立ち止まれません。

高架下やセンタービルに逃げ込んでも逃げた先はダークサイドです。薄暗く白い蛍光灯がジリジリと震え、2坪の店内に座って爪を削っている店員の男が顔を上げると…これはフィクションですがそういう世界です。急いで出ました。

のどが渇きました。勇気をだして串刺しのパイナップルを買いました。新宿でも長年気にはなっていました。ようやくこの日が来た!そんな感じがしました。

これが冷たくて美味しいのです。汁が垂れるのを注意して顔を前に出すようにして半分ぐらい食べた頃です。ドンッと後ろからぶつかられました。パイナップルが串から飛んでいってしまいました。

目の前を 落ちて転がる パイナップル
     固まる私 耳に舌打ち

失礼しました。


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