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地域から未来の健康づくりへ

話し手:中井ちひろさん 
     NPO法人ふまねっと 経理主任
聞き手:山田菜々子 
    北星学園大学 文学部  心理・応用コミュニケーション学科 3年

ふまねっとに出会うまで

 東京都で生まれました。10歳まで神奈川県の川崎市で過ごして、それから北海道に来ました。小中高大学も北海道で、大学は北海道教育大学札幌校を卒業しました。理科の教員免許を持っているんですが教員にはならず、何回か転職したうちにNPO法人ふまねっとに入りました。

他の会社とNPO法人ふまねっとの違い

 ふまねっとを知ったのは転職を考えているときです。大体の会社っていうのは利益を追求するんですよね。それで、自分は利益を追求するようなことはしたらいけないんじゃないかなというか、何が何でも利益を出すためにやっていくということはちょっと正直あまり気持ちにそぐわなくて。もっと公共的で、役に立つことがしたいなと思ってふまねっとをやるようになったんです。
 他の仕事もどんな会社でも社会の一員だから何かしら役に立っていることはあると思うんだけど、ちょっと方針に「違うな」と思ってやめて。ここだったらやっていること自体がすごく公共性があるんじゃないかなと思いました。 
 それで元々希望している職種が事務で、事務員の人募集って書いてあったので入ってきました。でも事務ってどこの会社にでもあるから、究極を言えば、ふまねっとじゃなくていいんです。やっぱりこの仕事は公共性が高いっていうか、地域の貢献ができるから「同じ事務やるんだったらここで働きたい」と思って就職しました。

ふまねっとでの経験

 ふまねっとというのが健康づくりとか交流を目的としているので、ふまねっとをやっている人たちのすごく楽しそうな雰囲気をみていいな、とまず思いました。健康づくりにはもちろんいいんだけど、仲間と一緒にやっていく、高齢者自身がやってもらうっていうんじゃなくて自分たちがやる側に立つっていうところがすごくいいなとも思いました。

   指導は、私どっちかというと事務の方を仕事としているので、他の講師の方と比べてふまねっとを指導する人になってもらうために教えるとか、実際指導することが少ないんです。だけど、私も指導をやっていて、やっているときはやっぱり緊張するけど、みんな助けてくれるので。「大丈夫だよ」って言ってくれるからそういった意味ではありがたいかな。指導する側なんだけどそれもみんなに支えられている感じ。やっぱり参加しているみんなも助けてくれるっていうか、やっている側がえらい訳じゃないからみんなでやっているっていうところがあって参加者の人も楽しそうだからこっちもつられて楽しくなっちゃうっていうところがある。相乗効果によってお互いが楽しくできているのかなって。決してサポーターの力だけではなくて、やっぱり参加者の「おはようございます!」っていう元気な感じの挨拶とかそういうのがあって1つの教室ができる。誰も特別じゃなくて誰かがそこにいたら、元気な人もおっとりした人もその雰囲気を作っている一員なんだから、あれはみんな楽しいからあんな感じになってるんだと思いました。

高齢者から受けるパワー

 参加者としてやったときに、もうみんな元気ですよね。参加する人も指導する人もやっぱりパワーがあるから初めてやった時はそのパワーにわーって飲み込まれて。どっちかって言うと今一番元気なのは高齢者なんじゃないかって思うくらい。本当にそう思うんですよね。なんかちょっと弱っているように感じたんですけど、お年寄りって元気なんだなって。みんな笑顔で、はつらつとしてすごいなと思いました。元気!あの人たち。人生経験が長いからって言うのもあるかもしれない。

 パソコンが苦手な人が多いからね、オンラインで何かやろうって言った時にちょっと気後れしちゃってできないわってなっていて。今オンラインのふまねっと教室ってそこがネックなんですけど、もっとパソコンをやってみようって思ってもらって、そこでオンラインなんだけどみんなで会って元気を与えられる、自分が元気無いときは元気もらえばいいし、元気有り余っているときはあげればいい。なんかそういうふうにしていければいいかなと思ってるんだけど。 
 ちょっとそこが難しかったりするかなあ。でもあのふまねっとのオンラインやっているあの人たちはみんな元気ですね。元気がね、みんなで連鎖していけばいいなと思ってるけどなんかそこまでなってなかったから。

仕事の喜び

 仕事っていうのはまあお金を稼ぐっていうことで。起業している人はまた別の考え方をするかもしれないんですけど、給料頂いて働いているので、どんなことでも何かしら社会のためになっているということが仕事だと思うんですよね。社会に対して何かする対価としてお給料をもらっているというところはあると思うんですけど、でも何かするっていうことは何かして欲しいって言う人がいるわけで。何も感じない人がいるかもしれかもしれないけど、やっぱり感謝の気持ちがあると思うんですよね。バスの運転手さんとかバスを運転しているだけなのかもしれないけど、車持ってないとか移動手段が無いという時にはお金は払っているかもしれないけど乗せてもらっているから、そこに対して感謝というところはあると思うんですよね。バスの運転手さんにありがとうっていう人は結構少ないけど。
 
 ふまねっとのいいところはいっつも笑顔で「ありがとう」って言ってもらえる。直接的にもらいやすいっていうところがやっぱり他の仕事とは違うかな。みんな感謝するのが当たり前って思っているからなんかそういった気持ちも忘れているかもしれないけど、やっぱり「ありがとう」って言ってもらえるのが1番嬉しいですかね。お金もらっている以上にね。

活動を通しての学び

 リタイアした人たちに会うんですよね。他の仕事で20代から60代の人たちと一緒に働いていたんだけど、もうちょっと上の世代っていうのは今まで会ったことがなかったんですよ。サポーターさんたちって70代か80代の人が多いんで。もう働いてない人達っていうとまぁこんなにも元気に活動されている、リタイアしてもなお何かやっていこう、人のためにやっていこうという姿勢を見て、大人なんだけど「こういう大人になりたいなー」とは感じますね。人として憧れる人がいっぱいいたっていうのが嬉しかったかなって思います。

ふまねっとから得た気づき

 ふまねっと運動って単純なんだけれどもちょっと難しい。そういった意味ではなんか何気ないことなんだけどちょっとした健康になることが潜んでいるんじゃないかなっていう気がする。そういうちっちゃい気づきで人の体は変わるとかかな。大したことないなと思っても、運動のことをちゃんとわかってなくてもいいんだけれども、注意してっていうことでもないが何かやろうと思ってとやるとやっぱり体っていうのはちょっと変わってくるかな。ふまねっとは、記憶力がメキメキ改善したとかっていうのはないけど、やっぱり単純なことでもあのちょっとすぐ忘れちゃうな、気を抜くとふらつくんだなっていう気づきはあったんじゃないかなって思います。劇的に何かがあるわけじゃないけど、やっぱり何かしらちっちゃなことが体とか頭に影響しているんじゃないかなって思います。
 ふまねっとっていろんな人と一緒にやるからほかの人から貰える影響が1番大きい。ちょっと気づくことで体とか頭とか関わってくるなっていうところ。どっちかというとやっぱり人と一緒にやるから元気になれるってこと。

これからの目標

 元々釧路発祥で、北海道でやっている人が特に多いんですよね。オンラインとかでも北海道からの参加者が多いんです。でもやっぱりふまねっとの魅力を知って、いいなって思ってくれる人が全国各地にいて、後は韓国とアメリカか。いろんなところでふまねっとやってくださっているんですけど、やっぱりちょっとコミュニケーションというかネットワークっていうのが弱いなって思って。オンラインをやると全国各地どこでもできるから、全国でもっとふまねっとをする、それができれば世界で盛り上がっていければいいなって。そしてオンラインよしやるぞって私の中ではなったんだけど、参加者はだいたい10名で。いつものメンバーでしか広がってないからもっとふまねっとを知ってもらって、いろんなところでやってもらって。自分たちの街で盛り上がってくれていいし、オンラインで参加してオンラインの人同士が交流できるようになってけばいいかなって。

 あと世代間の交流はできてないというのはあると思うんですね。ふまねっとに限った話じゃないんですけど。いろんな世代の人たちが何か1つのことをやるっていう機会はあんまりないかなって思っていて、そういった意味でいろんな人が交流できればいいかなと思うんですけど、ふまねっとやったら楽しいと思うし。もっと広がってほしいなーって。もっと広がっていろんなところで笑顔になる。私はふまねっとやっているから、もしふまねっとがなかったらふまねっと以外でそれができればいいんだけど、今はふまねっとをやっているからふまねっとを通じて笑顔になってくれる人がいっぱいできたらといろんなところでいっぱいで来てくれたらいいなっていうことは思っていますね。


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