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二階幹事長が小泉元首相に贈ったもの

思いっきりテレビで見たことのウケウリですが、とても面白い話だったので記録ついでに記事にしてみました。

二階幹事長とは?

二階俊博・自民党幹事長は「異能の政治家」である。地味な風貌で、弁も立たず、目立った政策もない。当世の“人気政治家の条件”には、まず当てはまらない。にもかかわらず、安倍晋三氏、小泉純一郎氏、小沢一郎氏、小池百合子氏ら政治的には敵味方の関係にあったアクとクセの強い権力者たちに重宝され、政界の実力者へと上り詰めた。

よくもここまで貶して怒られなかったな…w 政界では「人たらし」として名高い二階幹事長。その経歴はなかなかに波乱万丈。1993年に宮沢内閣の不信任案に賛成し自民党を離党。小沢一郎氏とともに新生党を立ち上げ、小沢氏の右腕として活躍。新進党、自由党と新党を作っては渡り歩き、2000年には同氏と袂を分かって保守党を結成。保守党の後継団体である保守新党の幹事長を務め、選挙惨敗をきっかけに2003年に自民党に吸収・復党。たった10年の間にこれだけの党の結成に関わり、動き続けた人。なかなか苦労されているようです。(ソースがwikiなもので間違いがあったらご指摘ください。)

最近では安倍政権の重鎮として君臨し、「安倍4選」を画策しているとかいないとか。仏頂面と歯に絹着せない発言で、国民人気はイマイチのようです・・・

小泉純一郎元首相への贈り物

二階氏はいわゆる「出戻り」な訳で、本来冷遇されてしかるべき立場。それがなぜ自民党の中で力を持つことができたのか。きっかけとなったのが「自民党をぶっ壊す」でお馴染みの小泉元首相であり「郵政民営化選挙」。当時総務局長だった二階氏は郵政民営化法案を審議する特別委員会の委員長にサプライズ抜擢されます。尽力の中身は省略しますが、その後の郵政解散での結果は自民党推進派の圧勝。その勲章級の功績から経産大臣として入閣し、力を持ち始めたそうです。しかし、当然ながら党内でのポジションは盤石ではありません。一度は党を裏切った人ですからね。その間、自民党を支えてきた人たちにとっては面白くない存在でしょう。

功績は上げたが経歴が邪魔をする。そこらへんは一般企業にもよくある話。どれだけ実績を上げてもプロパー社員ではない転職組は出世できない、的な。そんな難しい状況にあった二階さんですが、小泉元首相との会食時に贈ったものが、二階さんの自民党内での力・ポジションを確たるものとしたと言われています。これが実に面白い。さすがはいくつもの政党を渡り歩いてきた策士。

賄賂?外交の手柄?魯山人の器?
小泉さんの趣味にまつわるもの?
(安倍首相はトランプさんにゴルフクラブ贈ってたし。)

贈り物は「スズムシ」

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画像:photolibrary  (https://www.photolibrary.jp

え、やすっ。あまりの肩透かしに驚きました。
二階さんの地元、和歌山産のスズムシを贈ったと。
まぁ風流っちゃ風流なのかな。粋っちゃ粋なのかな。
首相くらいになると金目のものよりこういう物の方が嬉しいのかな。とか思ったりしたのですが、その「狙い」がスゴかった。

これは小泉元首相への贈り物であると同時に、自民党議員へのメッセージでもあった。というのです。議員会館で小泉首相の部屋から鳴り響くスズムシの鳴き声は「二階は小泉とサシで会食をする仲だ」と瞬時に察知させた。

繰り返しですが、時は、郵政民営化への反対派に刺客を送り、国民からの圧倒的支持を得て生まれた史上最強の政権。小泉純一郎は誰も逆らうことのできない絶対的権力者。二階さんが小泉元首相の懐の奥深くにまで入り込んでいると察した自民党議員達は、二階さんに敵対することができなくなった。

いやー面白い。
HOUSE of CARDSの脚本家も舌を巻くであろう政略。
政略っていうと利権とか賄賂とか裏取引とか、そういう汚い多数派工作的なイメージが先行しちゃいますが、相手が人間である以上、そんな汚いことばかりやってたら、トップまではのし上がれないんですよね。どこかで足を掬われちゃう。

贈り物を単なる「ご機嫌とり」ではない使い方をする。このセンスと人心掌握術が、彼を今のポジションに導いたのではないかと感じました。




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