ざっくり分かるファイナンス~儲ける力の最大化~
自分の梨園経営スタートが近づく中、「お金をうまく回すってどういう感覚なのか」と、考えていた時にこの本にたどり着きました。
会計が結果ならファイナンスは将来を考えるということだそう。
現在と将来のバランスをよく考えられるセンスの良い経営者になりたいものです。
会計とファイナンス
違い1・扱うお金の中身が違う
会計は「売り上げを費用から引いたもの」
ファイナンスは「キャッシュ」
違い2・対象とする時間軸が違う
会計は「過去」→結果
ファイナンスは「未来」→これから生むであろう利益
「投資なくして、将来にリターンがないのはあたりまえです。もちろん、だからと言って、将来のためにと、過大な設備投資をすることは避けなければなりません。しかし、その一方で、目先のキャッシュの増加を重視するあまりに、企業の存続を犠牲にしてもいけません。」P17,18
このバランスが本のタイトルにもある経営センスだと思います。
事業ステージに応じて変わるキャッシュフローのパターン
事業を立ち上げて10年は安定しないとよく言われますが、何となく想像できるもピンとこない部分もありました。しかし、この表を見れば一目瞭然。
営業CF(キャッシュフロー)とは、「儲ける力の強さ」
投資CFとは、投資に積極的かどうか
財務CFとはキャッシュが足りているかどうか
分かる指標です。
導入期は、儲けパワーも低い上に投資もしなくてはならないので財務CFが多くなる。つまり借金が多い状態。安定感はないように感じます。
そこから儲けパワーを上げて、それに応じて投資を増やしていく。それによって安定感が。
これが基本的な流れのようです。
ファイナンス、基本のキ
事業活動とは「投資をすること」
原材料を買ったり、設備投資をしたりと何かにお金を投じることが必要です。その投資に関する意思決定の道具になるのがファイナンスです。
投資を決定し、資金調達先を決めて、従業員など利害関係者にどう配分するか。それを日々考えて最適な配分を行うことが事業の存続につながります。
今のお金は最強
お金の価値は時間が進むほど価値は低くなる。
現在価格が100万円。
年利10%だと仮定すると、1年後は110万。
つまり、今の100万は1年後の110万円と同じ価値。
だから今のお金の方が価値が高い。ということになります。
投資するための考え方
投資のプロセスはこうです。
プロジェクトに投資する=将来生むキャッシュフローを購入する
ということ。
つまり、現在価値に直したうえで投資金額を上回るなら価値あり。
もしそうでないなら価値なし。ということになります。
また、農業ではよく回収期間法が用いられているように感じます。
回収期間法というのは何年でプラスになるかという分かりやすい考え方です。
この本では問題点として
①お金の時間価値を無視している
②回収期間後のキャッシュフローを無視している
③プロジェクト全体のリスクを無視している
④回収期間の基準があいまい
とされていました。
1つの判断基準として使うくらいの付き合い方がちょうどよいかもしれません。
お金の借り方
経営者はどのような資金調達方法で、リターンをどう配分するか考える必要があります。農業だと自己資金か金融機関のどちらかがオーソドックスです。
お金を借りることは、レバレッジをかけることです。
自己資金では動かせない事業をてこの力で動かせるようにします。
お金を借りる(レバレッジをかける)正の側面は、少ない資本でおおきな利益を得られること。負の側面は損失もでかくなること。
そう考えたときに、最適な自己資本と借入金の割合はあるのかと考えたくなります。基本的に最適と呼ばれる指標はありません。
企業の価値は儲ける力が強いことが最も重要。第二に借り入れで節税につなげることで価値がより高まる。ただ、負債が多すぎると倒産リスクが高まるため価値が下がります。
借り入れも当然、バランスが大事ということです。
結局儲けパワーこそ正義
ここまできて感じたのは、結局儲ける力を育成することしか力をつける方法はないのだということでした。
借り入れで節税とか経費で節税とかお金をずる賢く回す前に圧倒的な実力をつけることに全力投球することこそが経営存続の近道でした。
まずは働こう!
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