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デザインで選んだ腕時計に隠されたメーカのこだわり

今回も買って良かったのもの(スマホで時刻設定をする腕時計)と、その特許調査です。
日替わり腕時計とメンテ用の研磨剤の記事でチラッと映っていた腕時計です。

お気に入りの時計に搭載されている機能

カシオのWIREDというブランドの新ラインナップとして「WW(ツーダブ)」として販売されたものです。
盤面が左右非対称のデザインで、私が購入したのは0時~3時まではアラビア数字が大きめにデザインされ、残りの時間は数字がないデザインです。

この非対称デザインが気にって購入したのですが、3時までに数字があるのは機能的な意味があるのを後々知りました。3分専用のタイマー機能があるのです!

私の場合、残念ながらタイマー機能はほとんどその能力を発揮することがないのです。主に、休みの日にするカジュアルな時計として、重宝しています。

デザインは人それぞれの好みなので、オススメという訳ではないですが、好みのデザインのものを身に着けているとそれだけで気持ちが良くなるものです。
腕時計も好みのデザインに着替えてみるのもいいかと思います。

時刻設定にはスマホを使う

この時計、時刻設定はスマホのアプリを使って、Bluetooh 経由で行います。時計の盤面にBluetooh のBマークが付いてたので、着信通知機能などのスマホ連動機能があるのか?と思いきや、そうではありませんでした。

3時の位置にBluetoothマークがある

時刻設定の時だけスマホに入れた専用のアプリ(Time Connect)経由で、自動で時刻設定ができるというものでした。

アプリを起動させると、リューズを押す旨の説明がでる

スマホには電話会社からの電波に含まれる正確な時刻情報があります。その時刻情報をBluetooh を使って、腕時計に転送しようってアイディアです。
メーカがカシオなので、多分特許第6047938号の特許技術が使われているのだと思いますが、その内容が時計メーカらしくて面白いです

時計メーカのこだわりなのか?

自動巻きの腕時計の時刻設定って、時報など正確な時刻を聞きながら、設定した時刻になったら、リューズを押し込むって方法で行いますよね。
それなりに正確な時刻に設定したい方だと、秒針と時報も合わせてリューズを押し込むと思います。
さて、この方法で時刻のズレってどの程度でしょう。1~2秒程度なら、良しとするレベルだと思います。

そもそも、自動巻きの腕時計って、1日に数~30秒くらいズレても不思議はないですもんね。
これが、自動巻きの腕時計ではなくクォーツだとしても、月に10~30秒はズレます。少なくとも私は、1秒以下を正確に合わせることに、それほどの重要性はないだろうと思っています。

これが時計メーカの発想になると許容できない誤差のようです。特に最近は電波時計があるため、本当に正確な腕時計が世の中に流通しています。
時刻設定はスマホのアプリで行うにしても、限りなく正確にって心理が働くのが時計メーカの技術者魂なんでしょうw

スマホ同期でも正確な時刻設定ができないことが多い

Bluetooh にはある時期(BLE4.0)から、現在時間を送る機能が規格化されたそうです。規格上は1/256秒単位で時刻を送る仕様になっていると特許第6047938号の明細書に記載がありました。

規格と現実は必ずしも一致しないのが最近の規格でよくあること。
特許文章によると、Bluetooh の通信間隔にも依存しますが、1秒程度は遅れることがあるようです。

スマホはBluetooh の制御以外にも、色々な処理を「ほぼ同時」に行っています。この「ほぼ同時」が曲者で、スマホがどの処理を優先すべきなのかを判断しながら、OS(iOSやAndroidなどのオペレーティングシステムのことです)が処理の重要性などを考慮して、順番に処理しているのが現実です。

例えば、スマホ画面で入力しようと指先が触れて画面にその結果を反映する処理と、電話が着信して受信音を鳴らさないといけない処理が同時に発生したとします。
先に処理しないとユーザに違和感を与えそうなのは指での入力処理で、数百ミリ秒レベルで遅れてもユーザが気がつかないのは、電話の着信音ではないでしょうか。
実際には、もっとたくさんの処理が同時並行的に行われます。

つまり、スマホのOSは多くの処理を優先順をつけて、一つ一つ順に処理しているのです。
なので、時刻設定が設計者の意図通り、最速で処理されるとは限らず、どうしても遅延が生じます。結果的に時刻設定の誤差につながるのです

今回の紹介した特許技術はこのOSによる遅延を許容せず、極力、ピッタリの時間に設定しようというものです。

技術の詳細は説明しませんが、このこだわりがやはり時計メーカですね。
そもそもクォーツ時計であっても数日もすれば、1秒なんてすぐズレるのに、極力、設定時の誤差(ズレ)が生じないように考えられています

カシオの特許出願なので、この技術が使われている可能性はありますが、制御の部分なので確認のしようがありません。
ただこの特許からは時計メーカの意気込みというか、こだわりは伝わってきますw

最後に

私もスマホにアプリを入れて、たまに時刻設定をします(アプリは購入当時と名称が異なった最新版があるようですが、私は古いままw)。
アプリが最後に設定した日時を覚えているので、ずいぶん設定してなかったなぁと思ったりします。

ただ、「そろそろ設定しないと1分くらい遅れているかも」とポップアップでお知らせしてくれてもいいのにと思います。2回時刻設定すれば、設計した間隔(例えば、3カ月)とその時の時計の時刻ズレ(例えば、30秒の遅れ)が概ね把握できるハズです。単純計算だと6カ月後に1分程度遅れるので、「1分くらい遅れてるかも?そろそろ時刻設定した方がいいですよ!」と教えてもらえると大変助かるのですが、時計屋さんからするとそんな大雑把なことは許されないのかな(笑)

もっとも、最新版はスマホと腕時計が定期的にBluetooh で通信を行って、自動で時刻設定をするので、その必要がないですがw

***

最後までお読みいただきありがとうございます!
特許調査に間違いなどがあれば、ご指摘をいただければ幸いです。


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