見出し画像

趣味でも習慣でもないけど「本を読んだ方が良い。」

只今、私はある書物に時間を取られています。

それが、この本。

『Where There is No Doctor』
David Werner著

私にとっては、人生のガイドブックとも言える本とついに出逢ってしまったと思っています。

全て英文、総ページ数576、28章。

ボリューム充分、気合い充分です。
(ロックダウンで立ち向かう時間も充分です。)

この本は去年の初夏、ネパールに来てから出逢った日本人のお医者さまに頂いたものでした。

「栄養教育をネパールでやりたいんです...」
なんて、無知で軽率だった私の口から出た言葉。

その方から「これを読みなさい。」と言われたのを今でも鮮明に覚えています。

私が人生で手にした中で(広辞苑次に)、最も厚みがある本でした。

(心の中で「私には一生かかっても読みきれない」と呟いてしまいました。)

でも、1年弱かかった今、目の前でページをめくっています。

しかも、ワクワクしながら、スラスラと。

読みたくて仕方ない
...そんな気持ちが出て、焦っている程です。

この本は、a health care handbook(健康ケアのハンドブック)として書かれています。
著者はインドの方で、2010年に第1版が発行されました。
メキシコの農村の人々に向けて書かれたもので初版はスペイン語で書かれ、現在は50カ国以上の言語に翻訳され、100カ国以上で使用されているとのこと。
医師のいない農村で働くvillage health workerの考え方、疾病、対応方法等々がメインに記されています。
(これからまだまだ読み進めるので、全貌は理解できておりません)

もう、どうしようもないくらい面白いです。

医療の専門用語は満載で、辞書を並べながらようやっと解読できる部分もありますが、こんな私でも読めてしまう...

この本の凄いところは、読み手に語りかけてくる文章になっている所です。
ただの、お堅いガイドラインなんかじゃないんです。

まるで、本と会話をしているかのような感覚があります!

👩🏻「へぇ!そうなん!」
📙「(知らんかったんじゃなくて、あなたがどうやって育てられたか見直しな)」

👩🏻「あなた凄いなぁ、それでどうするん?」
📙「(このページで詳しく説明するから待っとき)」

👩🏻「この本は、ただの医療書物じゃない...」
📙「(やっと解ったんか...人生書物よ)」

って、独り言言いながらやっております。

私はネパールに来ることを決めた当初、現地で栄養教育をやりたい!
と小さな期待を抱いていました。

でも、そうは上手く行かない。

長期的に開いた栄養教育クラスは、参加者が徐々に減り、自分のモチベーションも保つことが難しくなりました。
半年間、どうにか続けたものの、最後には私の都合で自然と打ち切りという形を取ってしまいました。

短期で開いた栄養教育クラスは、たったの1-2回でストップしており、意味はあったのかと疑問に思います。
外国人の小娘を、受け入れてくださったことだけでもまずは感謝をしなければ、バチが当たるでしょう。

そんな中途半端な私の状況に、一筋の光をくれたのがこの本です。

助けられています。今、まさに。

この本を解読するまでには、きっと人生かけて向き合わないといけないように思います。

ネパールは、ロックダウン残り2週間。
この本に、色々教えて頂こうと思います。

・・・

本を読むことは、過去にもよくやってきました。

でも、その都度、気ままに。

私の中では習慣化している訳でも、趣味の一つになる訳でもありません。

でも、本は必要な時に必要な事を、教えてきてくれました。

私が今、ここネパールに居る原点も本だったんだろうなぁと感じます。

ということで、私の人生を作ってきた本リストを勝手に上げておきます。

◎小学6年生(12歳)
『世界がもし100人の村だったら』

◎中学2年生(14歳)
『DESR BOYS』 神谷

◎大学2年生(20歳)
『旅の指さし会話帳 ネパール』野津治仁氏

◎大学3年生(21歳)
『ジェノサイド』高野和明氏

◎社会人2年目(24歳)
『深夜特急(全5巻)』 沢木耕太郎著

◎社会人3年目(25歳)
『かもめのジョナサン』リチャード・バッグ

◎社会人4年目(26歳)
『典座教訓』道元禅師

◎社会人5年目(27歳)
『基礎ネパール語』石井博氏

◎去年(28歳)
『ぼくがラーメン食べてるとき』長谷川義史

本は時間を超えて、二次元世界で、多くを語ってくれます。

正直かっこつけたくて、本を読んでいる時期もありました。

秀才になる(知識つけなきゃ)!
私も読んでる(って言わなきゃ)!
それ知ってる(摘んでみなきゃ)!

なんて、思って図書館通いをしていたんです。

本を読んでいる時間が、純粋に好きになった時もありました。

でも、長くは続かなかったんです。

だけど、こうして今見返してみると、やっぱり「本は読んだ方良い。」と思えました。

・・・

ネパールに来てから定期的に訪れている図書館もあります。

Nepal Japan children library


運営されているSapanaさんとご縁を頂き、
こちらでほんのちょっだけお手伝いをさせて頂いています。

日本から送られてきた本も沢山あり、ネパール語へと翻訳もされています。

ネパールの学校には必ず図書館がある訳ではなく、子供たちが本に触れる機会がないとのことで、日本の支援もありここを立ち上げたとのこと。
「本を読むことが私の生きがいで、これが(図書館を作ることが)私の夢だった。」とSapanaさんは話してくださいました。

ここの入館料は無料。
国や自治体からの補助はないと聞いています。
図書館の仕事は、ボランティアで回っていると言っていましたが、決して簡単ではないはず...

子供たちのために本を読む機会を提供してくださっているSapanaさん。

ここに訪れる多くの子供たちは、あまり裕福ではない家庭環境であると伺いました。
両親が共働きで、家には1人で孤独を感じているそう...
この図書館が、本が、その子供たちの隙間を埋めてくれているのだと感じます。

その想いが素敵で共感し、ここに足を運ぶようになりました。
足を踏み入れた瞬間から、優しい気持ちになれる不思議な空間です。

本が誰かの人生を変えるかもしれないと思うと、この図書館の存在意義は計り知れないものだと思います。

ロックダウンが終わって、また皆さんに会えるのが楽しみでなりません。

今日もまた、私は本を読みます。

渋めのネパール茶と一緒に、この時間を持てることが至福でしかありません。

きっと、今は世界が(コロナが)
「本を読んだ方が良い。」
と言っている気がします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?