オドネル・ケビン『マヨネーズ』

日本語を母国語とする日本人でも文章を書くことはそれほど容易ではない。
まして、母国語としない外国人が日本語で文章を書くことはかなり難解なことだろう。
古くの小泉八雲は戸川明三(秋骨)などの日本語訳によるものだけど、リービ英雄、C.W.ニコル、アーサー・ビナードなど日本語で書く外国人作家は割りと居るには居るものの、オドネル・ケビンというアメリカの青年が挑んだこの小説は粗さも否めないが、結構なスゴいことをしていると感心した。
この作品はとても説明が難しく、やたらとマヨネーズにまみれたクドくナンセンスな世界で成り立っているのだが、こういうナンセンス文学は日本人だと発想しても形にすることが難しいだろう。
また話の落とし処を上手い具合に持って来ているユーモアさこそが、2013年のKindleエンターテイメント部門一位を獲得した要因なんだろうと思う。




オドネル・ケビン『マヨネーズ』(Kindle) https://www.amazon.co.jp/dp/B00B50XE9I/ref=cm_sw_r_em_apa_ZFsSFb9AM8J9Y

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