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みつもりりっく

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詩集になります。歌詞も合わせて投稿しています。
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#散文詩

君は、希望をくれと哭いている。

傷だらけになりながらも生きている君は、希望をくれと言って哭いている。拙い表現に未来を乗っけるようにして、無我夢中で走っているときもある。君には色があるよ。可愛いよ。愛嬌があるよ。君が思っているような君ではないよ。もっともっと純粋で透明で、キラキラしている。それが君だよ。 君は今それをやって傷つくかもしれないね。傷つくのは痛いね。想像だけで傷つくよね。でも、君が生きてくれていることが嬉しいんだよ。君はピュアなんだ。君は気付いてないかもしれないけど。他人からなんと言われようとそ

見えない雨

雨が降る。どしゃどしゃというより、ぬめっと。ぬめぬめと雨が降っている。振り払いたいのに、体中にまとわりつく。心にもまとわりつく。染み付いて取れなくなるまで、ぐんぐんと身も心も蝕んでいくようだ。 体は不快だなと言って、心は不愉快だなと言う。煌々と照る太陽の日差しにさえ、何も感じなくなってしまったかのよう。ほんとうに頭上には、雲の上には、大空が広がっているのだろうか。美しいものを疑いたくなるほど、身体中をじめじめと得体の知れない虫のようなものに侵食されていく。 だから何かと言

それについて語るとき我々のできることは

異次元爆風に陥って、ガラス瓶の中に見た巻き貝。ヒトデを見ている僕は人でなし。砂浜に足跡をつけて遊ぶ癖が治らないのはきっと僕だけじゃない。波うつつに夢うつつに気まぐれデイズを送りながら、フラダンス衣装を着て踊れば、もしかしたら僕の病も少しは治るかもしれない。紙ナプキンがかたいカフェでは呆気にとられることもしばしばあるが、多分、こんなことをしていても誰にも認められないだろうから、僕は今日もアホみたいに音に合わせてリズムを刻む。何かに取り憑かれてしまったようだ。いくらなんでもイクラ

抽象度高め

中小規模の馴れ初めについて語る我々のご先祖に挨拶しに行こうよ。ちょっと散歩がてらでいいから。君と手を取り合うことが僕にとっての最大の幸福だとしたら、君は僕の両親に挨拶する必要があるよ。怖いかもしれないけれど、それはそれは僕にとっても同じことだから。まずはコーヒーでも飲んで動悸をより慌てさせて。抽象度高めに持っていこう。ラインダンスを踊れば気が済むはずだから。卑しい人間だと思われても構わないから。僕ら家族と一緒に踊って舞い散る花になろうよ。生花よりもすごいことになるよ。終わりな

こんな日めったにない

やったやったやったよ君に会えたよ驚くべきことだよこれは君に会えたのは32年ぶりだ ピアノの鍵盤に気だるげにもたれかかる君の背を見たいよ凄まじいことになるよこれは こんな日めったにないよ情熱大陸だよすごいことになるよこれは自分でも怯えているよ 唐突に鳴り止む雨が遥か彼方の奥行きを感じさせるねこれは礼状知らず温情知らず恩赦知らず 二回戦目をやろうかぼくにとっての楽しみでワクワクでしかたないくらい楽しみな二回戦目だ 息切れしないように気をつけたいと思っているよ興奮してしま

音、音、音の鳴るほうへ。

ここは中華飯店。余計なカテゴライズに困っている中華飯店。炒飯がばら撒かれるよ。時代が追いつけないよ。憤りも甚だしく、取り返しのつかない領域にまで来てしまったようだ。もう、追いつけない。ここは地獄。四国の隅をピン止めして暴れ回りたい。怖い、怖い。君が言うほど怖い。目頭が痛い。なにこの音。未来へのさばるのようなジョホールバルの奇跡。せめるせめる、音がせめる。お前の後ろをせめる、俺の後ろもせめる。もう、追いつけないよ。これはもう追いつけないよ。何度も言う。大事なことなので。赤いプロ

問題民共々友好関係よろしくお願いします

みじゅくじゅくじゅく問題民に対する提起は学校では学べない。驚くことに学べない。正直者はバカを見るらしいのだが、はっきりと言おう。みじゅくじゅくじゅく問題民に対する提起は学校では学べない。まったくもって学べない。だから、踊ろう。歌おう。泣いて笑おう。美味い缶コーヒーを韓国人と飲もう。アジア差別が各所ではびこっているとの噂を聞いたのだが、滑稽な。我々もアジア人ではないか。改まって言うほどではないが、問題民に対する問題提起さえ愛しい。強烈なすこぶる強烈な硫黄臭がする。これほどまでに

お前という奴は誰なんだ

実はめちゃくちゃどうでもいいと思われている可能性もあるが、どうでもいいと思われていてもいいと思いながら、矛盾を抱えている。そんなことめちゃくちゃどうでもいいのだが、どうしようもなくめちゃくちゃなので、埒が明かない。決め次第、君に送る言葉を探すわけだが、それにしても頭の中がめちゃくちゃだ。これはもしかしたら僕はクレイジーなのではと思いながら、それでも君の言う通りにしたいと思うんだから、人間って怖い。怖いくらい見透かされているようで、一人でコーヒー屋にも入れない。いよいよ、僕は生

狂気の最中で

いま充足している気がするのは僕が残片だからか。齢を重ね、輪廻をこえて。未だに見ぬ地方へと目配せをし、かけがえのない未来へとつながっていこうという思惑によって叱咤激励され。あれよあれよと可能性をシャッフルし、自爆する。べっちょりと剥がされた悲しみの行方を知らずに、本音を捻じ曲げている。とっさに出た言葉を引っ込め、あれよあれよとこねくり回し、次第に廊下へ立たされる。自分でも信じられないのだが、よく廊下に立っていた。正確には立たされていた。危険思想の最中の中で、父を背後から背中をぶ

カリヨンの鐘

今は何をしているの、これからどうしていくの。そっと耳を塞いだ。対面より、画面の向こうに真実があると思い込み、現実に直面する度に、人と比べて焦ってばかりで、あまつさえ仕事も続かずに生きながら死にやがる青二才による、行方知れずな時代の漂流者に捧ぐ愛の唄。 終着駅不明の電車に乗って旅をしている僕はハンドルを握っていない。午後三時の日差しに囚われる半導体、行く末を見守るだけの恥じらいもない湯けむり。どこへ向かっているのだろう。君に向かっているのだろう。まだうるさい冬は雪解けシティと

恋は不可抗力

君との間に科学的な根拠なんていらないよ ただただ好きなだけ 君との間に不和が生じると 僕は僕そっちのけで 君との関係を修復しようとする 半ば自動的に追い立てられるように 恋は不可抗力の罠なんだよ 目が合うたび イタズラに笑うから 上機嫌な君の 薄紅色のくちびる 見つめていたくなる 何をしていても虚しかった僕に 生きる意味を与えてくれた 君と抱き締め合いながら 生きている喜び 咽び泣くくらい 強く 強く 愛していきたいんだ 永遠に 今頃君は何をしているのだろう 春先に煙る

ろくでなし落ちこぼれ愚か者その名も閲覧注意

ろくでなし!落ちこぼれ!愚か者! その名も おれ!!!!!!!!! おれ!!!!!!!!! 完全におれ!!!!!! オーレ!!!!!!!! スーパーカーに乗って小指はべらせてる夢を見た スピードの出し過ぎでパトカーにサイレン鳴らされた 逃げて逃げて逃げて辿り着いた先は通り抜け禁止 車のドア蹴飛ばして森林抜けて歩いてバスに乗った 足元注意、ダンサー段差注意、扉に指を挟まれませんよう! 世の中禁止と注意ばかり!!!! おれまだ何もしてないのに!! したのはスピード違反だけ!! 生

希望の光を見た日に言えることはもう何もなかった。

不安という幻想が押し寄せる。不安だとわかっているのに、破滅願望が消えない。ゆるゆると暗闇に向かっていくような破壊衝動。気付けば、崖の上にいた。わたしにとっては高すぎる崖の上。このまま死ねたらと海へ飛び込もうかと思っている矢先に、脚の付け根が痛くなる。どうしてだろう。まだ死にたくないのかな。毎日毎日闘ってきた。人目を気にしてきた。でも、それは全部自分の目だった。認められたくて必死に頑張ったこともあった。でも、すぐに虚しくなった。何よりそれって自分を大切にできていないと思ったから

接触不良の恋、行方不明の愛。

あ、痛い。胸が痛い。逢いたい。どうしようもなく逢いたい。深呼吸しないと。意識しないと。息をしていることさえ忘れてしまう。明け方は苦手。彼を思い出すから。目を背けたくなる。 帯電する脳はびりびりとひりつく。二度寝しようにも眠れないから、毎朝、ベッドから出るのに決意が要る。照明は付かない。どうでもいい。iPhoneから曲を流せば、問題は解消する。 毛布にくるまれ、甲状腺が疼く。無意識に口ずさんでしまう歌がある。音に秘められたマインドが私を蝕む。窓の奥から、砂嵐のような雨音が聞