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歴代のJ3優勝チームから見るロアッソ熊本の現在地

 大方のシーズン前の予想を覆し、2022年J2の台風の目としてJ2昇格1年目からJ1昇格プレーオフ圏内を堂々と争っているロアッソ熊本。
後半戦になっても暫定5位と、プレーオフ圏内を維持しています(2022/8/29現在)。
 J3を優勝して昇格したチームが翌年躍進することがあることは一般にも良く言われており、また、対策されていない前半戦では勢いがあるものの、後半戦で失速することも合わせて良く語られています。
先日投稿された蹴球メガネーズのロアッソ熊本特集動画では、北條さんも次のように話されてました。

よく昇格1年目のチームって、前半戦、相手チームがわかんないうちに勝ち点重ねるケースあるじゃないですか。2巡目は苦しいよみたいな話言われてますけど、熊本は完全に逆の形。

J1昇格へ!大木武監督率いる【ロアッソ熊本】を自由研究!
https://www.youtube.com/watch?v=xj2qWKB0kh4&t=628s

 そこで、過去のJ3優勝チームと今年のロアッソ熊本の成績を比較して、実際どうなのか検証しようと思います。

過去のJ3優勝チームの成績

 まずは、過去のJ3優勝チームの翌年度J2における成績を見てみます。

※2018年はJ3優勝チームであるブラウブリッツ秋田の昇格がなかったため該当チーム無し

 こうしてみると、各チーム健闘しているのがわかります。特に2020のギラヴァンツ北九州の5位は際立っていますね。
 ここで、北條さんの言葉にもあった「前半戦に勝ち点重ねて、2巡目苦しい」ということについて、各チーム前半戦と後半戦の成績に分けて比較したグラフがこちらです。

 こうしてみるとほぼ全てのチームがガクッと後半戦の成績を落としていることがわかります。しかも、一般的に残留ラインと言われる1試合当たり勝ち点1ペースまで落ちており、プレーオフ圏内でシーズンを終えた2020年のギラヴァンツ北九州も例外ではありません。
 唯一の例外が2017年の大分トリニータ。前後半どちらも同勝ち点を挙げ、年間を通して安定した成績を残しました。
 以上から、「前半戦に勝ち点重ねて、2巡目苦しい」という通説はほぼ正しいということがわかりました。

2022年ロアッソ熊本の成績

 では、「2022年のロアッソ熊本は完全に逆の形」かどうかを見てみましょう。先ほどのグラフに、2022年のロアッソ熊本の成績を加えたのが次のグラフです。

※ロアッソ熊本の成績は、2022/8/29時点の暫定の成績

 グラフのとおり、後半戦に調子を上げていることがわかります。以上から、「2022年のロアッソ熊本は完全に逆の形ということもほぼ正しいことが確認ができました。

まとめ

 J3優勝チームに関する一般的な通説はほぼデータと一致していること、2022年のロアッソ熊本がその通説を覆しつつあることを確認できました。しかし、2022年のロアッソ熊本の成績はあくまで暫定です。
 残り10試合を切りつつある2022年のJ2、昇格・残留争いはもちろん、このままロアッソ熊本が通説を覆せるかどうかもチェックしてみてはいかがでしょうか?
 ちなみに、J2、J1と2年連続で昇格すればもちろん史上初です。ますます2022年のロアッソ熊本から目が離せない!


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