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穏やかな青の時間

3日間、出張で家を離れて
一人の時間を過ごした。
水木金と行ったので、金夜に夫と合流し
土曜は2人でUSJを楽しんだ。
自分の気持ちの整理をつけるのに
丁度良いタイミングでの出張だった。

2日目の夜、1人で海遊館に行った。
私は水族館がすごく好きで
ただひたすらぼーっと
水槽を眺めていると心が落ち着く。

ジンベイザメのいるメインの大水槽前
ベンチに座ってただただぼーっとする。
薄暗く青い光に包まれながら
泳いでいる魚達を眺め続ける時間。

心がすっと軽くなっていくのを感じた。
3か月近く張りつめていた気持ちが
穏やかに、丸くなっていく。
改めて思う。
私はもうあの人のことを好きじゃない。
もう大丈夫。執着心も手放せる。



土曜は、あの人にとっても
仕事で大一番の大切な日だった。
正直私はその場に居合わせたかった。
応援したかったし、見届けたかった。

ただ当たり前にそんな大事な日には
彼女も応援に来るに決まっているので
私は来ない方が良いだろうと
少し前に彼と話しをしていた。
なのでそもそも遠方の地にいて
行けない日程だったことが救いだった。

次々と目に飛び込んでくる
ファンのレポートや友達からの感想連絡。
流石に少し堪えた。
ただ私も夫とUSJをかなり楽しんでいたので
思ったより辛くはなかった。救われた。


あの人は仕事を
どうやら無事にやり遂げたらしい。
それはもう格好良かったとのこと。
友達からの連絡を読みながら
良かった、と心から思った。

あれだけ沢山練習していたもんね。
沢山の人の感想を読みながら
素直におめでとうと思えた自分がいた。

その場に自分が立ち会えなくても
今後、毎回行けないとしても
それでいいと思えた。


想定外だったことが1つだけ。
彼女のインスタを見つけてしまったこと。
これまで使っていたアカウントが
ログインできなくなったので
新しく作り直したらしい。

よりによって鍵がかかっておらず
ストーリーが見れる状態だった。
足跡が付かない方法をわざわざ調べて
内容を確認してしまう私。

彼の大一番を見に行くのを
すごく楽しみにしている内容と
無事に終えて良かったという内容。
好きで好きで仕方がないんだろうなぁと
伝わってくるような文面。

…勝てないな、と思った。
正直、あなたがいるから
私はいけないんだよなぁと
複雑な気持ちにもなったけれど。




2人が付き合うに至った経緯と
そこからこれまでの向き合い方
あの人が私に気持ちが向いてしまっていると
彼女にばれた時の喧嘩の内容

色々話を聞いてきた中で
彼女はものすごく彼のことを
好きなんだろうなと思ってはいたけれど
想像以上だった。

もし私も当日応援しに行っていて
彼女と鉢合わせたりなんかしていたら
罵詈雑言を浴びせられるだろうという
彼の発言に納得がいってしまった。


もちろん私は既婚者という立場上
好きな気持ちを抑えている部分はあるし
立場が違ったなら彼女以上に
どうしようもなく彼を好きになっていた
可能性もあるとは思う。

でもそんなの結局たらればの話で。
出会った時にはお互い既に相手がいた。
そこを壊してまで進む勇気も
気持ちの大きさもなかった。
それがすべて。


あれだけ彼のことを大好きな彼女との
関係をまた変に壊すことのないように
私は粛々と気持ちを消していくだけ。

鍵がかからない間は
ストーリーは覗いてしまうだろうし
私の投稿へのいいねには
どうしたって動揺するのだろうけれど。

でも大丈夫。
ちゃんと着実に気持ちの整理はついているから。

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