詩　「天才紹介」

J.S.バッハ
すべての天才が憧れる天才の父

ジミ・ヘンドリックス
楽器を粗末にしたアフロ界の異端児

夏目漱石
美文体の極地で千円札になった口髭野郎

チャーリー・パーカー
音にローションを塗ったエロアルト魔人

フランツ・カフカ
ネガティブもここまでいけば清々しい

金子みすゞ
すてきを発明したすてきなひと

谷川俊太郎
言葉をただそこに置くことができる太郎

溝口健二
女はこうやって撮るんだ覚えとけ

ジョン・ケージ
作品とは何かを教えたキノコおじさん

マルセル・デュシャン
ついに絵を描くことをやめた画家

デレク・ベイリー
ついに曲を演奏するのをやめた演奏者

ブライアン・ウィルソン
メロディが失恋した音を作曲した男

エミリー・ブロンテ
地獄に咲いた一輪の花

グレン・グールド
バッハから合鍵を渡された唯一の人間

フランク・ザッパ
変態ではないと言い張る変態

ベートーヴェン
感情表現としての無造作ヘア

モーツァルト
スキップしながら号泣する変質者

細野晴臣
日本人離れすることに飽きた日本人

フィンセント・ファン・ゴッホ
地位と名声と金と才能にファックした男

小津安二郎
無言ですべてを語り尽くせるエスパー

甲本ヒロト
ドブネズミみたいに美しくなりたい人

ガブリエル・フォーレ
歴史上もっとも地味な天才

わたし
すべてのうんこを愛するうんこの父