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Chat GPTを中学校のライティングの宿題に使うのは「悪いこと」か?

「で、YurikoはライティングするときにChat GPTを使ってるの?」

とインド系のママ友Kちゃんが運転するAudiに乗せてもらって子どもをピックアップに向かう道中でのこと、Kちゃんが私に聞いてきました。

「まだ使ったことないなぁ。うちの息子(海外の現地校に通う中学生)は、学校の宿題するのに使ってるって言っていたけど(笑)」

と私は笑い話として答えたら、インド系のママ友Kちゃんから返ってきた答えが衝撃でした。

Chat GPTのすごさ


「Chat GPT」とは、アメリカのオープンAI社が開発したAIチャットで、最近は聞かない日がないほど話題です。

質問をすればインターネット上に存在するあらゆる情報を検索して即座に答えを返してくれて、それがなかなかの精度だという話。アレクサやSiriにするような単純な質問はもちろん、「○○を要約して」と長い文章のサマライズもお願いできるし、「この文章を校正して」と自分の書いた文章の文法等をチェックしてもらうこともできるし、果ては、「○○について〇ワードでライティングして」「○○のキャッチコピーを10個挙げて」なんてコピーライティングも依頼できれば、「○○のメリットとデメリットを5つずつ挙げて」「○○業界の今後は?」なんて分析じみたことまでお願いできてしまう、というもの。

とはいえ、私もまだ使ったことがないのですが、学校の宿題のライティングに早速フル活用しているという息子は「いや、これがなかなかすごいよ」とのこと。宿題がラクに、しかもなかなかのクオリティで終わらせられて満足な様子です。

そして、試した人は一様に驚きを隠さず、最近ではより効率・効果的な使い方の指南をしてくれる人もたくさんおられます。


「いいね!」と彼女は言った

さて、そんな「ちょっと質問を打ち込むだけで、人力なら何時間かかけて調べるようなことをちゃんとした文章にして返してくれるAI」を使って、本来自分で書くべきライティングの宿題を終わらせる中学生に対して、ママ友Kちゃんが言ったことが衝撃でした。

てっきり「ちゃんと自分でやらないと勉強にならないよ」から「頭いい(ずる賢い)んだね笑」の間の答えが返ってくると思っていたら、彼女は

「いいね!そう、そんなことはもう自分でやらなくてよくなるのよ」

と笑いました。

「だから、学校もいつまでもそんなことを宿題にしてちゃダメなの。それをAIができるようになったんだから、次のことを考えて宿題に出さなくちゃ」


だから、その先を見ないとね


インドやアフリカがこれからどんどん伸びていく、と言われているのは、単に人口が増えるということだけでなく、こういう既成概念にとらわれず先を見ているマインドなんだろうな、と感じる出来事でした。
彼女は、海外の地で自分たちで一からビジネスを起こした人。新しいものを取り入れ、使えるものはどんどん使って、成功への最短距離を目指してやるしか生き残る道がない、ってことを体験した人なのでしょう。

そう、大人や学校が変わらなくちゃいけない。
時代に合わせて、もっと高度なものを求め、与えていかないとならないのだ。「AIができること」をいつまでも子どもに求めていても仕方ないのだ。

BingやGoogleに答えがあることではなく、自分という人間の頭の中にしかない答えを、感情や共感力など、人しか持ちえない力を使い考えるような課題に取り組まないといけないのだ。

伝統や今までのやり方に甘んじることのない人たち、最先端にいる「変わり者」か、もしくは「新しい人」が、これからをリードしていくようになるのだろうな。

Kちゃんの意見を息子に伝えると、「そんなことを言う大人がいると思わなかった。大人が言ったことの中でいちばん納得した」と目を丸くしていました。

「だから、もうその先を見ないとね。Going forward!」と、Kちゃんは前を見てAudiのハンドルをきりながら言いました。

新鮮な観点を与えてくれたKちゃん。ありがとう。



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