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#コリン・ホルト・ソーヤー

老人ホームを舞台とした高齢者が元気なミステリーシリーズを紹介

高齢者が主役のミステリーシリーズは、ミス・マープルを始め数多くありますが、今回はその中でも老人ホームを舞台に、高齢者がチームを組んで事件に立ち向かうシリーズを3つ紹介したいと思います。 《海の上のカムデン騒動記》シリーズ作者:コリン・ホルト・ソーヤー Corinne Holt Sawyer 舞台:アメリカ 概要 高級老人ホーム〈海の上のカムデン〉に入所しているアンジェラとキャレドニアを主人公に展開されるコージーミステリーになります。 作者自身が老人ホームに入所しており、

《海の上のカムデン》1『老人たちの生活と推理』(1988)紹介と感想

コリン・ホルト・ソーヤー/中村有希・訳『老人たちの生活と推理 The J. Alfred Prufrck Murders』東京創元社, 2000 あらすじ 高級老人ホーム〈海の上のカムデン〉で驚くべき事件が起こった。 人畜無害な元図書館司書スイーティーが滅多刺しにされて殺害された。 カムデンには警部補のマーティネスと部下のスワンソンが捜査に訪れる。 入居者達も色々と質問をされるが、役に立つ情報は中々得られない。 そんな中、入居者の一人・キャレドニアが自分たちで事件を調べて

《海の上のカムデン》シリーズ2『氷の女王が死んだ』(1989)紹介と感想

コリン・ホルト・ソーヤー/中村有希・訳『氷の女王が死んだ Murder in Gray and White』東京創元社, 2002 あらすじ 前回の殺人から数か月、平和な空気に包まれていたカムデンに、またもや嵐がやってきた。エイミー・キンゼスが入居してきたのだ。 入居当日から女王のような態度のエイミーは、人に恥をかかせることが好きなのかのような行動を繰り返し、多くの人間が傷つけられた。 自分のプライバシーを守るために、疑わしき者は罰するの精神で怒鳴りまくるエイミー。当然、

《海の上のカムデン》シリーズ3『フクロウは夜ふかしをする』(1992)紹介と感想

コリン・ホルト・ソーヤー/中村有希・訳『フクロウは夜ふかしをする Murder by Owl Light』東京創元社, 2003 あらすじ ある火曜日の夜、自動販売機の管理をしていたエンリケ・オルテラーノが、カムデンで刺殺された。 事件はベンソン部長刑事が担当となったが、オルテラーノ自身に怪しい所はなく、捜査は進まなかった。 次の火曜日の夜、今度はカムデンの庭師、ロロ・バグウェルが自分の大バサミで刺殺される。 カムデンの入居者達は殺人事件の話題で盛り上がり始めるが、同じく