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それは手をあげないから。(米倉誠一郎がミャンマーに残したもの)

すこし前の話になりますが、
米倉誠一郎という人がミャンマーにきていて、
半年ぶりの再会を果たしたわけです。

当時一橋大学教授だった
米倉先生と私のお付き合いは、
まだ私が学生だったあの頃からで、
一橋大学なんていうエリート校とは無縁だった私は
先生に出会ったのも大学なんてわけはなく、
バングラデッシュだったわけで。

だけどそれでもあの頃から
ずっと変わらず先生は私の先生で
人生の節目にひょっこり「パスタをおごってください」と
都合よく表れるお調子者の私を、
よくもまぁここまで諦めも見放しもせずに
パスタを奢り続けてくれたなあ、と
大変感謝しています。

そんな先生が、パスタを奢りに(嘘)
またミャンマーにきてくれたわけです。

だからせっかくなので、
先生のダイナミックな人生を「しくじり先生」と銘打って講演会にして
ミャンマーのみなさんにおすそ分けできればなぁなんて
そんな気持ちでイベントを企画しました。

大変面白い話だったわけですが、
当日は運営に必死だったのもあり、
その話のほとんどは、一ヶ月たった今、あんまり覚えていません。
(誤解の無いように言えば、当日はとっても盛り上がったんですよ)

でもただひとつ、心に深くのこっている話があって、
それは「パブロフの犬の話」です。

あの日、先生の講義が終わったとき、質問コーナーを設けたんですね。

2時間に渡る熱い講義。聞き入る80名ものミャンマー在住日本人。
これはどんな質問があがるだろう、そう思って司会をしていた私は
意気揚々と聞いたわけです。

「なにか質問はありますか」と。

その瞬間のことでした。
会場が一気に静まり返ったのは。

誰も、誰一人として手をあげませんでした。
すると、むしろ先生が手をあげてマイクをとり言うのです。

「例えばな、こういう時手をあげることを俺は0.1と捉えるんだ。
そしてお前ら一人一人を 1とするだろ。

そうすると、手をあげたやつは
1+0.1=1.1になるわけ。

で、例えば手をあげないとするだろ。
そうすると手をあげないやつってのは
1-0.1=0.9になるんだよ。
つまり、チャンスを一個失ったからさ、1であることすら保てないわけだよ。

さてここで問題だ。

1.1をずっと続けるやつがいるとするだろ。
その逆で毎回0.9の選択をし続ける奴がいるだろ。
どうなると思う?

1.1×1.1×1.1× 1.1× 1.1 .....=無限大
0.9×0.9×0.9×0.9..........=限りなく0に近ずく


だよ。だからな、質問なんてなくていい。とりあえず手をあげることが大事なんだ。質問なんて当てられてからかんがえりゃいいんだよ。

目の前のチャンスに反応できるようになれ。いかなる時も手をあげる準備をしておけ。

世界のワカモノってそういう人の集まりなんだよ。
日本人は勝負の場に立つことすらない。手をあげないからね。

どんなにいい考えやアイデアがあってもな、
手をあげなきゃ、チャンスだってチャンスになりやしないんだよ。

だからいいか、よく覚えておけよ。
目の前にチャンスがやってきたら後先考えるより先にまず手をあげろ。
パブロフの犬みたいにな。反応するんだ。
そっからのことは、そこから考えればいい。

翌日、私は先生にいつものようにパスタを奢ってもらっていました。

目の前の米倉誠一郎は、

「昨日の講演会で一番大事なのは、その話だから
あとは全部わすれてもいいが、
それだけは絶対覚えておけよ」

と、何度も何度も繰り返し、私に言っていました。
まだ熱々のパスタとピッツァを、口いっぱいにほうばりながら。

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