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【蟹座エッセイ】月の神話のあれやこれ

夏至の次候「菖蒲華(しょうぶはなさく)」の頃になりました。
太陽は蟹座の前半度数にあって、蟹座の感受性を豊かに育てている真っ最中です。

前回だした蟹座パワーあふれる漫画「セーラームーン」にはギリシャ神話からの引用も多くあります。

主人公うさぎちゃんとまもちゃんの前世での恋。
これはギリシャ神話の月の女神セレネとエンディミオンの悲恋をモチーフにしたものです。

占星術とも縁の深いギリシャ神話。
アニミズムの日本文化で育ったわたしたちにとって、多神教の物語は親しみやすいところがあります。

★古代ギリシャと古代日本は繋がっていた?
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ギリシャ神話と聞いて思い出されるのが、世界文化遺産にも登録されているパルテノン神殿。
列柱の美しい石造りの神殿です。

古代ギリシャの建築物には、柱がふっくらとたわんだような形が見られます。
建築用語で「エンタシス」といいます。

このエンタシス、実は法隆寺の柱にもみられるのです。
日本では「同張り」と呼ぶそうです。

古代ギリシャの建築物と日本最古の木造建築が同じ特徴を持っているなんて……
まさか、古代ギリシャと古代日本は繋がっていた!?

実はこの説、現在では否定されているそうです。
が、わたしとしては否定されたことを知らないフリをしてこの説を推したいですね。

古代史はロマン!繋がってたっていいじゃないか、神話だもの。

★日本神話の月の神様 月読命(ツキヨミノミコト)
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ギリシャ神話では「月の神」といえばアルテミス。
弓の名手で狩猟と動物の繁殖をつかさどる神とされています。

では日本神話では?
そう、月読命(ツキヨミノミコト)ですね。

「月読」という名前から、暦(月の満ち欠けを読んでできたのが太陰暦)をつかさどる神であることがうかがえます。
暦は農業や漁業とも深いかかわりがあるので、そこらへんも守備範囲内。

暦をつくることは古来、権力者にのみゆるされた特権でした。
国の命運を握ることもあります。
そこで、月読命は「占い」の神ともされているそうです。

星読み好きとしては、たいへん美味な設定です。

ところでこの月読命、天照大神(アマテラスオオミカミ)や須佐之男命(スサノオノミコト)とは姉弟神。
「三貴子」の一柱なのですが、古事記では登場だけしたあと、物語に参加しません。

3人いるのに、ひとりは物語から抜けてしまう。
これは日本神話の特徴です。

心理学者であった河合隼雄先生の著書『中空構造日本の深層』に指摘があります。

「太陽と月」「男と女」「善と悪」といった西洋的二項対立の秩序とは違い、あえて空白(中空構造)をつくることでバランスをとる。
この思想は、神話だけでなく美術・建築といった日本文化全体の特徴、とのこと。

★人生は、余白が大事
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いいですよね、余白。

漫画や小説でも、どうにも足りない部分があると、そこから妄想が爆発して二次創作が人気になったりします。
完成度の高い作品は、かえって二次創作しづらいんですよねー。

空想の余地をあえて残す日本の精神。
勉強になります!

蟹座の季節は、日本ではちょうど梅雨のシーズンです。
低気圧の影響で体調を崩したり、予定がうまく進まないこともしばしば。

「何もしない時間」をあえてつくることも大事かもしれません。

人生のスケジュールもギチギチに詰め込まずに、余白をとっていきたいものです。

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