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コント『広告校長』

校長が全校集会にて話をしている。木村、近藤はそれを並んで聞いている。

校長「えー、であるからしてこの街は住みやすさを第一に考え…」

木村「はぁ、毎度毎度全校集会の校長の話は長いなぁ… 。というかこの、街の話?毎週してるよな。」

近藤「え?なんで、毎週同じ話してるか知らないの?」

木村「ん?理由なんてあんの??」

近藤「ほら、こら見ろよ。(スマホの画面見せる)」

木村「ん?うちの学校のホームページじゃん。ここ?」

近藤「そうここ開くと。ほら、この学校のスポンサーページ。」

木村「スポンサーページ?(笑) なにそれ。」

近藤「ここのページからこの学校にお金を払うとこの学校のスポンサーになれるんだよ。だからああやって校長がスポンサーのこの街の話ばっかすんだよ。」

木村「え?あれ、広告なの?!自分で考えて喋ってんじゃないの?!」

近藤「ううん、校長の話す事は全部広告。校長に意思なんてないよ。」

木村「こわ、この学校。」

校長「楽天モバイル!!日本のスマホ代は高過ぎる!ところがどっこい!」

木村「(校長指差しながら) 楽天モバイルの広告始まったけど?!」

近藤「楽天もこの学校のスポンサーだからね。」

木村「凄いなこの学校。(笑) あぁ!だからこの学校部活とかで何にも良い成績残した事ないのにこんなに校舎綺麗なんだ!」

近藤「そういう事っ。」

校長「(少し早口で) 俺の名前は杉浦カイト!これからキラキラのキャンパスライフの始まりだぁ!」

木村「え?なになに。」

校長「待ちに待った新入生歓迎会!うっひょ~可愛い先輩だらけだぁ…。サイコー!」

木村「校長…?」

校長「ごめん、ちょっとトイレ…。あー、最高の飲み会だぁ~。よし戻ろ。ん?(ここから一人数役で) あの新入生の杉浦君?すっごいヒゲ濃くない?私ヒゲ濃い人無理だわ~。私も~。えーー!ガーーーン!」

木村「いや、ヒゲ脱毛の広告始まってない?!YouTubeとかでよく見る!」

近藤「あそこもスポンサー。」

木村「あんなとこまで…。というか高校生に見せる広告じゃないだろ…。」

校長「えー、近藤君は、愛媛県○○市に生まれ、両親の愛情を存分に受けて育ちました。」

木村「え?え?お前の広告まで流れてるけど…。」

近藤「実は親父が会社やってて、それで広告費毎月俺の名義で入れてくれてんだ。」

木村「なにそれ!お前もスポンサーなの?!」

近藤「(カッコつけながら)そうだよ。」

木村「かっこい。」

校長「そんな近藤君は先日、二組の小林さんにフラれてしまったそうです。」

木村「え、そんな広告まで流れるの?!」

近藤「おい!言うなよ!」

木村「あ、知らなかったんだ。」

校長「家ではご両親の事を未だにパパママと呼び…」

木村「へぇ、近藤お前。(笑)」

近藤、戸惑っている

校長「さらに、お母様とは仲良く毎晩一緒にお風呂に入っているそうです。」

木村「近藤!(笑)」

近藤「やめろぉぉぉぉぉぉ!(校長に掴みかかろうとする)」

校長「お風呂では背中を流し合い、寝る時も同じ布団で寝ているとてもお母様が大好きだそうです。(何されてもずっと広告を止めない)」

木村「おい!やめろ!意思はないと言っても一応校長先生だから!(近藤を止めようとする)」

近藤、木村を振り切り校長に掴みかかる
近藤、校長に掴みかかったりビンタしたりしてみるが校長止まらない

校長「ちなみに次に狙っている女の子は五組の山本さんだそうです。」

木村「というかこの学校の情報網凄いな。」

近藤「(諦めた様子で)終わった…。俺もう疲れたし先に教室戻ってるわ。」

木村「いやまだ全校集会途中だよ?」

近藤「いや、俺この学校のプレミアム会員だから。」

木村「そんなものまであるの?(笑)」

近藤「そ。だから集会スキップ出来るの。(出ていこうとする)」

木村「へぇ~。え、じゃあ広告スキップすりゃ良いじゃん。」

近藤「ハッ!」


おしまい

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校長(男)
この学校の校長。ほぼ意思はない。教頭先生が決めた事にしたがっているだけ。意外と娘には慕われているタイプ。

近藤(男)
この学校の生徒で高校三年生。親が会社をいくつもやっておりとても裕福な家庭でなに不自由なく暮らしている。家で見たこともない熱帯魚を飼っているタイプ。

木村(男)
この学校の生徒で高校三年生。どこにでもいる様な普通の高校生。帰宅部で卒業後の進路はまだ決まっていない。誰にも知られていないが意外と楽器が上手いタイプ。

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