果報は練って待て

本田 宗一郎

「果報は寝て待て」というのが本来のことわざで「よい結果は、自分の力で招き寄せるものではないから、向こうからやってくるのを焦らず待っていればよい」とか、「やることをやってしまったら、クヨクヨしたり、無駄な動きをしない」という意味です。
それを宗一郎は「物事を始める場合、より周到に計画を立て、より慎重に実行することが大切だ」と置き換えました。つまり、何事も「準備が大切である」と説いているのでしょう。生前の宗一郎は、しゃべり方や立ち居振る舞いから一見豪快な人物で、何事も大雑把に見えますが、この言葉はそれに反して経営者としての慎重な一面を示す言葉ではないでしょうか。
今でこそ、組織を計画通りに運営するための経営・管理の要諦である「PDCAサイクルを回せ!」は至って当たり前のことになっています。つまり、Plan(計画)、Do(実行)、Check(評価)、Action(改善)を繰り返すことによってスムーズに運営できるわけで、どこの会社でも行われていることですが、浜松の自動車修理工から身を起して一代で”世界のホンダ”を築き上げた人物の実践を通して身に着けたシンプルですが含蓄のある言葉ではないでしょうか。



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