ミスチルのコーヒーソング

今回は、Mr.Childrenの楽曲の中の歌詞に「コーヒー」が登場するコーヒーソングについて書こうと思います。

アルバム『miss you』を一周目聴いている時、コーヒーという言葉が妙に耳に入ってきたんです。
「さっきもコーヒー出てきてたな」「あれ?またまた出てきた」という具合に、結局3曲連続でコーヒーが登場しましたね。その曲については後述します。

これはミスチルの暗号なのだろうか!?
なんだかコーヒーが気になってしまい、コーヒーが登場する楽曲を集めたくなったので、過去のコーヒーソングと新作コーヒーソングをピックアップしていきたいと思います。

■『miss you』前までのコーヒーソング

1.友とコーヒーと嘘と胃袋

あぁ男もまた女によって変わるんだなぁ
最近は紅茶よりもコーヒーを飲んでるんだよ
あの娘の吸う煙草の口の中の残り香とにがいコーヒーとの相性がとてもいいから
飲むよ 飲むよ 飲むよ 飲むよ

作詞 :Kazutoshi Sakurai

ミスチルのコーヒーソングとして真っ先に思い浮かびました。
ミスチルの楽曲の中で唯一タイトルにコーヒーが入っていますね。
キスの味が良いから紅茶よりコーヒーを好んで飲んでるって、こんなん妄想で書けるものなのか?実体験なのか!?

2.君が好き

夜の淵 アパートの脇
くたびれた自販機で二つ 缶コーヒーを買って

作詞 :Kazutoshi Sakurai

一日中ぼんやり空想を広げていた主人公が、「君が好き」という一つの答えを捻り出し、何らかの決意を秘めて、君の元へと向かう描写ですね。
缶コーヒーを二つ買うことで君に会いにいくことが表現されていますね。

3.彩り

ただ目の前に並べられた仕事を手際よくこなしてく
コーヒーを相棒にして

作詞 :Kazutoshi Sakurai

仕事の相棒としてコーヒーが登場します。
カフェインパワーで眠気を覚まし、集中力アップですね。

4.Surrender

Coffeeぐらいで 火傷したのが
動揺してる 証拠なんだけど
さよならを 君が急に云うからさ

作詞 :Kazutoshi Sakurai

唐突に別れを切り出されたこと。難なくこなす動作で火傷するくらい動揺してること。動揺してしまうくらい器の小さい男であること。
このコーヒーの件で全部表現されているように思います。

5.Dear wonderful world / 6.It's a wonderful world

Oh Baby 通り雨が上がるまで
カプチーノでも頼んで待とうか?
この醜くも美しい世界で

作詞 :Kazutoshi Sakurai

「コーヒー」というワードではないですが。
通り雨に遭遇したから、雨宿りがてらカフェに入って、カプチーノでも飲んで一休みしよう。そんな雰囲気ですね。
通り雨が人生に突然訪れる鈍い悲しみの比喩だとすると、カプチーノはそれを乗り越えるための「誰か」や「何か」の比喩なのかなー。

これまでにあったコーヒーソングはこんなところでしょうか。

■『miss you』で加わったコーヒーソング

『miss you』では、トラック2「Fifty's map ~おとなの地図」、トラック3「青いリンゴ」、トラック4「Are you sleeping well without me?」と3曲連続でコーヒーが登場するんですよね。
私は勝手に「miss youコーヒー三部作」と名付けました

7.Fifty's map ~おとなの地図

少し足を止めて
景色眺めるのも良い
そう自分に言い訳しながら
ぬるいコーヒーで愚痴を飲み込もう

作詞 :桜井和寿

尾崎豊さんの「十七歳の地図」には“愚痴でもこぼせば”という歌詞がありますね。
おとなは、不平を言わないからと言って不満がないわけじゃなく、自分を労わる言い訳をしながら、愚痴を飲み込んでいるんですね
「ぬるい」ということにも何か意味がありそう。

8.青いリンゴ

傷んだリンゴをゴミ箱に放り投げて
出掛けにコーヒーをすすりながら
少しだけ心が傷んだ

作詞 :桜井和寿

出がけのコーヒーには外で頑張るための気合を入れるスイッチのイメージを感じますね。
「リンゴ」はきっと何かの比喩ですよね。
そうなると、「出がけ」も実際に家を出る意味でもあり、比喩的に扉を開けて新しい世界に飛び出すということでもありそうですね。

9.Are you sleeping well without me?

ニュース見ながら考え事
コーヒーカップが口を逸れて
気に入りのシャツに溢れ落ちた汚して
拭きとって
汚して
拭き取って

作詞 :桜井和寿

ニュース見て考え事をしている時点で、話し相手がなく、とても孤独なんですよ。
その上、コーヒーをこぼしても「ちょっとなにしてんのーワラ」と言ってくれる人がいなかったり、拭こうとしたらさらに汚れが広がってうまくいかなかったり、何とも言えない寂しさが表現されていますね。

■なんで、「紅茶」じゃなく「コーヒー」なんだろうな

ミスチルの楽曲には、いろいろな場面でコーヒーが登場しますね
コーヒーと比較されがちな紅茶は、おそらく「友とコーヒーと嘘と胃袋」にしか登場しないんですよね。しかも、その曲でも紅茶はコーヒーの比較対象として出てくるだけなのですよね。
なぜミスチルの楽曲に出てくるのは紅茶じゃなくコーヒーなんでしょうね。
一曲一曲深堀していくと、それぞれが何かの比喩だったり、何らかの意味を持つアイテムだったりするのかもしれませんが、どの楽曲にも共通して、コーヒーが日常に寄り添うアイテムとして使われていて、コーヒーのイメージも大事にしているように思います

恋人とのむコーヒー、仕事の相棒、出がけやニュース見ながらのルーティーン、コーヒーが日常に寄り添っていますよね
私の好みもあるとは思いますがどちらかといえばコーヒーの方が日常に寄り添っている気がします。
お紅茶は庭でティーパーティーやホテルでヌン活が思い浮かんでしまうので、どこか日常から離れてしまう印象を持ってしまいます。

周りにもコーヒーを飲む人の方が多いです。
2020年のアンケートでは、コーヒー派7割、紅茶派3割で、年齢の高い男性ほどコーヒーを好み、年齢の低い女性ほど紅茶を好む傾向にあるようです。出典はLINEリサーチ(https://lineresearch-platform.blog.jp/archives/36300612.html
一般的にもコーヒー派の方が断然多く、ミスチルリスナーにとってもコーヒーを身近に感じる人の方が多いでしょうね
それに、ミスチルの楽曲の主人公はほとんどが大人な男性ですから、やっぱり登場するのはコーヒーになるんですかね。

飲み物の持つ漠然としたイメージも歌詞にコーヒーを取り入れるのに大切にしているというのはありますかね。
紅茶はセレブ感のある優雅で穏やかでおしゃれな印象があり、ミルクティーはかわいらしく、コーヒーは苦味や渋味っをもつ大人なイメージがモテます。
ミスチルの楽曲の世界観や登場する主人公には、セレブ感も可愛らしさも必要なくコーヒーぽさが馴染むのかもしれません。
コーヒーの苦みや渋みもきっと大事になっているようにも思います。
例えば、「Surrender」の失恋の感情や[Are you sleeping well without me?の孤独な感情は、コーヒーの苦みや渋みと重ねているところもあるのではないでしょうか。

ここまでちょっとこじ付け的にコーヒーが出てくる理由を考えてみましたが、桜井さんは言葉の響きが本来持つイメージを大切にしているようなので、コーヒーの方が日常とか、飲み物のイメージとかどうでもよくて、ただ単純に「紅茶」という響きより「コーヒー」という響きの方を好んだというだけかもしれませんね。
しかしながら、コーヒーが登場する曲だけで素晴らしいプレイリストになりますね

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