27836729-旧式な手書きの手紙に万年筆

持ち物の紹介:実は万年筆が好き。

こんばんは。しめじです。

今夜は、私の持ち物の紹介をしようと思います。

その持ち物というのは、万年筆です。

万年筆に魅せられたのはもう20年以上前、まだ小学校低学年のころです。実はその頃の記憶ってほとんどないんですが、憶えている数少ないことの一つに、通っていた皮膚科のことがあります。

手の指に大きなイボができて、2年近く皮膚科に通い続けたのですが、その皮膚科の先生が、カルテに万年筆で記入していたんです。なんて書いていたのかはさっぱりわからないのですが、とにかくカルテに万年筆でさらさらーと何かを書きつけていく姿がとにかくカッコ良くて、大きくなったら絶対万年筆を買うぞ、と心に決めていました。

今使っているのはこの3本。

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右から順番に、AURORA OPTIMA(アウロラ オプティマ)中字、セーラー プロフィット21中字、Pelikan スーベレーンM1000 極太字、です。

右から一本ずつ紹介します。

AURORA OPTIMA

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何をもって「メイン」とするかはわかりませんが、今一番使用頻度が高い一本です。これは買ってもらったもので、高校に入学する時に父親から贈られた一本です。それ以来使っています。

高校生の頃からノートをちゃんと取らなくなりました。家電屋で買ってきた500枚入りのコピー用紙をロッカーに入れておいて、授業の前に2、3枚引っ張り出して、授業のメモを取ていました。終わったらポケットファイルに科目別に入れる、という感じです。

ノートの罫線が苦手で、ガイドがあるとどうしてもそれを活用しなければならないという強迫的な気持ちになってしまい、ノートを取ることの目的がブレるのが嫌でした。中学校まではちゃんとノートをとれと先生からくどくど言われたのでノートを使っていましたが、高校入学と同時に真っ白のA4用紙を使うようになりました。

このアウロラという会社、イタリアの筆記具メーカーなんですが、いわゆる「ガチニブ」の代表格のような書き味です。もちろん万年筆なので高筆圧は厳禁ですが、多少急いでガツガツ書いても大丈夫な堅牢さを感じるので、ノートを書くときは重宝してきました。

今も、仕事のノートや手帳、そういった日常的な筆記はほとんどこれ一本です。

また、この会社は「アウロロイド」という特殊な樹脂を使って軸を削り出しています。写真でも十分綺麗なのですが、実物はまた一層綺麗です。セルロイドに似ていますが、また趣の違う透明感があります。

セーラー プロフィット21

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これは大学入学の時に、自分で買ったものです。

いわゆる古典的な万年筆(黒い軸に金色のリング。モンブランの149が作り上げた万年筆のステロタイプで、仏壇万年筆と呼ぶ人もいます)が欲しいなと思って購入しました。

モンブランの146と迷ったのですが(149は高くて断念)、これを試し書きさせてもらったら、今まで愛用していたアウロラと全く違う、柔らかく、バネのある書き味で、一気に気に入ってこちらを購入。

万年筆のペン先(ニブといいます)は、多くは18Kや14Kを使います。24Kなどは柔らかすぎて、筆圧に負けてペン先が開き、インクが出なくなるからです(ちなみに、紙と触れる部分はイリジウムなどの摩耗に強い金属が溶接されています)。

ところが、これはニブが21K。日本人の筆圧で、線数の多い繊細な字を書こうと思うとこれくらいやわらかいほうがいい、という思想からこうなったらしいのですが、確かに非常に柔らかい。

今はブルーを入れて専ら日記の記入に使っています。

Pelikan スーベレーンM1000

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3本の中では一番新参者です。

超巨大な万年筆で、しかも極太字(BB)を選んだので取り回しも難しく、小回りもききません。大きめの字を、ゆっくり書くという用途にしか使えない一本です。

このスーベレーンというシリーズは小さいものから順に300,400,600,800,1000の五種類があって、800はPen of the Yearを受賞したこともある名作中の名作です。ただ一般的に日本人の手には大きいので、男性には600が、女性には400が人気だそうです。

私はかなり手が大きいですし、800と1000で全く書き心地が違ったので1000を選択しました。1000を使っている人は多くの人がこう表現していますが、たしかに「ふわふわ」という表現がしっくりくるくらい、しなやかなペンです。

極太字を選んだのはこの書き心地を楽しむためです。字幅が広いほど紙と接する面積が増え、筆圧が分散されます。また、インクの滲出量が増えるので、より滑らかな書き味にあります。

さらに、Pelikanはドイツのメーカー。アルファベット圏です。日本語のように細かい線を密集させる必要がありません。したがって、この極太字(BB)は、日本のメーカーの超極太字(3B、BBB)に該当します。めちゃくちゃ線が太いです。

つまり、この一本は実用性を一切度外視した、完全に「書くと言う道楽」のために買ったものだということです。使用頻度も多くありません。毎晩、寝る前に、ちょっと思考を整理する時と、思いついた俳句(5年ほど前から、俳句の同人会に参加しています)を書く時だけにつかいます。それ以外の場面では全く使いません。でも、多分これを使って書いている時間が一番書くことを楽しめます。

ということで、ちょっとした持ち物のご紹介でした。では、今夜はこの辺で。

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