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下の世代には興味がない

付き合う異性もいつも年上だし、つるむ友達も最低でも同世代だ。昔からずっとそうだったし、今でもそれは変わっていない。

あまり年下になると、僕の話が通じない。ジェネレーションギャップってやつだ。最近の若い世代の間で何が流行っているのかよくわからない。もしかしたらもう何も流行っていないのかもしれない。

近年あらゆる場面で昔流行った物の復刻版を非常によく見かける。昔人気があったドラマのストリーミングサービスでの再配信、スニーカーの復刻版、カセットテープやレコードまで最近になってまた人気が出て来ている。何故普遍的にそうなっているのかがわからない。経済の停滞、テクノロジーの驚異的なスピードでの進化、超高齢化社会と何か関係があるのだろうか。スマホの台頭以来、どこを探しても新しい物が見つからない。



僕が幼かった90年代までは辛うじてまだ流行りがあったかもしれない。ファッションではルーズソックスやエアーマックス、G-Shockなどがあった。ネットも普及しておらず、当時はテレビがまだ主な媒体だったので皆んながよく見ていた。番組やドラマを夜家で見て、次の日学校に行くと必ず話題になっていたのをよく覚えている。ポケベル、たまごっち、MDプレイヤーなど次々と新しい物もまだ生まれていた。

90年代と言えばバブルが弾けた後で、失われた10年と言われ就職氷河期でもあったが、21世紀に向けて集合的無意識が上向きと言うか、まだ多少なりとも皆んなが希望を持っていた様にも思える。"もうすぐ21世紀、21世紀になればきっといい事がある"、っと言うようなニュアンスのCMがよく流れていた。その失われた10年は今では失われた30年まで伸び、もうすぐそれが40年になろうとしているが、こんなに不況が長引くとは当時は誰も思っていなかった。今では一種の諦めの様などんよりした空気が漂ってしまっている。リーマンショックを経て、コロナ禍に入り、それはより一層強いものになってしまった。



国は借金地獄に陥り、超高齢化社会になってしまい、長引く不況により出生率は下がり続け、それに伴い労働力は減る一方で、結果的に国の衰退が進むという非常にまずい悪循環に陥ってしまっている。かと言って島国である為か、アメリカの様に移民を受け入れる事には極端に消極的なので、今後はロボットやAIと言った自動化に頼るしかない。まだ価格が高いのでそれほど普及してないが、テクノロジーの宿命として時間が経つに連れて値段は必ず下がって来るので、人口が減り続ける日本では特に今後あらゆる単純労働は機械と人工知能に置き換わるだろう。さらに最近話題になっているChat GPT の出現により、これから幅広い職種に影響を与え、それらが淘汰される可能性も極めて高い。

僕がよく行くファミレスのデニーズまでも、最近タブレットを導入した。料理はまだ人間が運んできてくれているが、ロボットが運んでくる様になるのはそれほど遠い未来の話ではないのかもしれない。

インフレによる値上げラッシュに歯止めがかからない中、日本では相変わらず一向に給料が上がらず、円安加速に増税と暗くなるどころか目が回りそうな状況だ。今のところ日本がこれから挽回して良くなる兆しはまったく見当たらない。元々広大な土地や資源がある訳でも無く、国民は直接総理大臣を選べず、デジタル化が遅れ、人口は減り続け、移民を拒み、英語も未だに浸透しておらず、あらゆる面でグローバル化にまったく適応出来ていないからだ。やっている事と言えば外国人観光客への"おもてなし"ぐらいだが、このままでは労働力は減り続ける一方なのでいずれそれも限界が来る事は明らかだ。変化を拒み続け、適応する努力を怠り、いつまで経っても同じやり方にしがみ付き、呑気に古い体質に依存し続けた結果がこのザマである。一体いつまで続けるのだろうか。



僕が若かりし頃にセックスの手ほどきを受けたのも年上の女の人からだったし、酒の飲み方を教えてもらったのも上の世代からだ。上の世代が下の世代より優れていると言いたい訳ではない。人生を長く生きて来た方が、一般的に今まで経験してきた事が多い傾向にあるので、一緒に居ると必然的に僕も吸収する事があるだけの話だ。何も学んで来ないでただ漠然と長く生きている人の場合には当てはまらない。

学び続けないと世の中の目まぐるしい変化に対応出来ず置いて行かれてしまう。もしそうなった場合、グローバル化した現代では安い賃金で単純労働をする発展途上国の人達と同じ土俵に立たされ競争を強いられる事になってしまう。そうなれば、自分の好きな様に生き方を選べる可能性が極端に下がってしまうかもしれない。

別の言い方をすれば、死なないで生き残るにはどうしたらいいか僕は常に模索している。不確実で予測しづらい今の世の中で淘汰されない様に、適応するために必死で食らいついている。些細な経験も血肉に変えてこれからに活かすよう日々意識している。そしてそれらの生き残る為のヒントは、まだ経験に乏しく、世情を把握していない下の世代からはとても見つけづらいのだ。

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