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エルゴステロールってなんだ?コレステロールのお友達!?

今日は、悪玉や善玉と呼ばれるコレステロールたち・コレステロール吸収を抑えてくれるエルゴステロール・脂質異常症とその予防対策というお話です。
コレステロールとは、ヒトの体内に存在している脂肪の1つです。
「脂質」には「単純脂質」「複合脂質」「誘導脂質」があります。
コレステロールは、その中の「誘導脂質」に存在します。


皆さんがよくお話するものは、単純脂質(中性脂肪)のことです。
単純脂質の一部にリン酸や糖を含んだものが、複合脂質
加水分解によって、単純脂質や複合脂質から作られるステロールを誘導脂質といいます。
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単純脂質は更に、アルコールと脂肪酸の2つに分けられます。
この脂肪酸がエネルギー源になります。これには2種類あります。
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1つは、飽和脂肪酸。2つめが、不飽和脂肪酸(必須脂肪酸)と呼ばれるものです。
飽和脂肪酸は、牛肉・豚肉・鶏肉などのお肉、バターなどの乳製品に多く含まれています。 常温では固体になります。 過剰摂取すると、体脂肪増加や血液中の中性脂肪や、LDLコレステロールが増加し、 逆に、HDLコレステロールが減少します。これにより血管が傷つけられて 動脈硬化を招きます。糖尿病や膵炎に繋がることもあります。
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胃がもたれた時には、過剰摂取により胃腸が脂質を受け入れることができなくなっていると 思いましょう。ひどくなると、他の栄養を吸収できなくなりますよ。

誘導脂質には2種類あります。
1つは「脂溶性ビタミン」(テルペン)です。
・動物性のものは、ビタミンA、D。
・植物性のものは、ビタミンE、K。
もう1つが「ステロール」です。これはステロイド骨格を持つアルコールの総称です。

脂質は水に溶けません。ということは、血中に単独で存在することができないということです。
アポタンパク質と結合して、「リポタンパク質」という物質に変化します。

中性脂肪は小腸で吸収されると、そのリポタンパク質に組み込まれます。
そして、血中を循環し、各組織に運ばれていきます。

リポタンパク質にはいろいろありますが、重要なのは以下の2つ。

■LDLコレステロール(低比重リポたんぱく質)
肝臓で作られたコレステロールを全身に運びます。
LDLコレステロールが増えると動脈硬化を促すので「悪玉コレステロール」と呼ばれますが、不足すると脳出血など健康に害を及ぼします。

■HDLコレステロール(高比重リポたんぱく質)
身体の中に余ったコレステロールを抜き取り、回収して、肝臓に運びます。
これにより、動脈硬化を防止します。
そのため「善玉コレステロール」と呼ばれています。しかし値が高い状態が続くと、心筋梗塞など動脈硬化関係の疾患にかかりやすくなります。

コレステロールは細胞膜の構成成分・胆汁酸やステロイドホルモンの材料です。中性脂肪も、エネルギーの貯蔵物であり、保温効果や外からの衝撃を和らげる働きがあります。

===== ついで話 =====
動物の体内に存在するステロール類の多くが「コレステロール」で、植物に存在するものが「エルゴステロール」といいます。

エルゴステロールは、椎茸などの菌類や酵母に含まれていて、 コレステロールの吸収を抑えてくれます。
そのキノコ類や野菜や大豆製品・玄米・胚芽米・雑穀・海藻は たくさん食物繊維・ミネラルが含まれています。それらがコレステロールを排出させ、低下させます。
又、ビタミンCは、コレステロールが溜まるのを防ぎ、細胞と細胞の間を埋めて 若返らせてくれます。
これらのものを積極的に取り入れていきたいものです。

ここまでの話を踏まえて....
LDLコレステロールが多い、逆に、HDLコレステロールが少ない、又は、中性脂肪が多くなりすぎている状態が続く症状のことを「脂質異常症」といいます。2007年以前は「高脂血症」と呼ばれていました。

自覚症状はありません。動脈硬化の要因になり、脳血管障害や心疾患につながります。

LDL÷HDL で「LH比」を調べることができます。
これが2.0以下だった場合には他に病気はないとされ、既往歴で「高血圧」「糖尿病」「心筋梗塞」などがある場合には1.5以下が望ましいとされています。
尚、脂質異常症の判断基準(空腹時の採血検査において)は以下のようになっています。

LDL  140mg/dl 以上
HDL   40mg/dl 未満
中性脂肪  150mg/dl 以上

原因となるものは、肥満・運動不足・飲酒・喫煙です。

予防と対策としては....
■ラードやベーコン・ウィンナーなど動物性油脂の摂取を控え、オリーブオイルや胡麻油のような植物性油脂を(過剰摂取に注意しながら)摂りましょう。
■大豆製品を積極的に食べましょう。
■飲酒は週に2日はお休みしましょう。
有酸素運動をしましょう。

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