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【3つの改善】第24節 栃木SC戦【雑感】

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アパレルの中の人は10月くらいから繁忙期を迎える。中国の旧正月で1ヶ月ほど工場がストップするため、スケジュール的なしわ寄せがくるという。試合を見直す気力もないけど、栃木戦は泥沼から抜け出したという意味でも、いろんな面で改善が見られたという意味でも大きな試合だったから備忘録は残しておきたい。

なんだか夏休みの宿題に追われる小学生になった気分だけど、好きだやってるから乱筆でもご了承くださいませ。

スタメン

①スタメン

福岡戦、徳島戦と連敗し8戦勝なしの泥沼に浸かりきった長崎、苦手のアウェイながら栃木戦は勝ち点3の獲得がマストになる。長崎は前節からスタメンを3人入れ替え、栃木のハイプレスを交わすために足元で繋げる高木和、怪我の角田に代わり対人に強いフレイレ、前線の守備があまり重要ではないという理由もあったかイバルボが先発となった。

前節福岡に0-1で敗れた栃木はスタメンを3人入れ替え、溝渕、岩間、山本が先発となった。栃木の田坂監督は今季の戦術をストーミングと明言しており、つまり「ボール保持にはこだわらない」「縦に速い攻撃」「すぐに奪い返す守備」をチームに落とし込んでいる。栃木がいかに特徴的なサッカーをしているかは、データを見れば一目瞭然である。

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秋野を降ろさないという選択

①長崎のボール保持

立ち上がりこそ栃木の圧力に押された長崎だったが、名倉の先制点をきっかけに落ち着きを取り戻す。栃木はキーマンであるカイオをエスクデロがマンマーク気味に監視、FW明本とSH森が長崎のセンターバックにプレス、毎熊に誘導したところをSB溝渕が蓋をするという守り方。普段であれば秋野が1列降りてセンターバック化するところを、今節は降りてこずに4-4-2のままでビルドアップする事が何度かあった。栃木の2トッププレスに対して、二見フレイレ+高木和で数的優位を作れるため秋野が毎回降りる必要がなくなった、ということだと思うがこの辺の意図はもう少し観察する必要がありそうだ。ともあれ毎熊がウィングバック化して高い位置を取らないため、結果的にSB溝渕はプレスに来る距離が遠くなったため毎熊はボールをトラップして顔を上げる時間的な余裕を得る事ができた。

秋野がボランチの位置に留まることで、カイオはいつものように左右に横断しながらボールを受ける必要がなくなり、右ボランチとしてエリアを限定して動くことができた。幸い、エスクデロのマークはそこまで厳しいものではなく、栃木としては一番締めたかったであろうカイオ・秋野のゾーンに少し余裕を与える結果となった。

この4-4-2ビルドアップがゴールキーパーのビルドアップ参加による産物だとすれば、高木和のスタメン起用は大きなアドバンテージになった。栃木のハイプレスに怯まずボールを繋ぎ、持ち前の守備範囲の広さで無失点に大きく貢献した。高木和にとっては第4節以来の勝ち試合となった。

縦に速い攻撃

②長崎の早い攻撃

もう一つ、明らかに変わった部分があったとすればカウンター時の手数(=パス数)がかなり減ったという事だった。象徴的だったのは63分、中央で富樫がボールを収めて左サイドに展開した場面。ボールを持った澤田には「SB黒崎の(視界の)背後を取った亀川に出して左サイド深くまで進入してクロスを上げる」という確実性の高い選択肢があったが、技術的には少し難しい「2列目から上がってきた名倉にスルーパスを出す」を選択した。ボールを受けた名倉はペナルティエリアに侵入、GKオビの股下を狙ったシュートは惜しくも阻まれたが決定機となった。

この場面は顕著だったが、これまではボールを大事にするあまり進行方向がサイドや後ろになっていたシチュエーションでも積極的に前進する、もっといえばゴール方向に進む回数が増えた。前節、徳島戦後のインタビューでも縦に速い攻撃の必要性を秋野が口にしていたが、さっそく改善が見られたと言ってよさそうだ。

ゴール方向に向かってこそのイバルボ

あともう一つだけ、これも分かりやすく変わったのはイバルボの立ち位置だった。これまで最前線でゴールに背を向け、ボールを収めるorDFラインの裏に抜け出す役目を務めていたイバルボだが、栃木戦では1.5列目や右ウィングの位置でボールを受ける回数が多かった。サッカー選手には「ボールを持った時に価値を発揮するタイプ」と「ボールを持っていない時に価値を発揮するタイプ」に分かれるが、イバルボは典型的な前者のタイプ。足元でボールを受けてから圧倒的な筋肉でキープ、相手が体勢を崩したら一瞬の加速で抜き去る、もしくは引き付けてパス、シュートこそないが推進力とアイデアはやはりチーム随一である。

栃木はビルドアップをほとんどしないロングボール主体のチームであり、前線からの守備がそこまで重要ではなかったという要因はある。それでもイバルボの活き方に一筋の光明が見えた試合だったように思う。イバルボがウィング気味にプレーしたのはたぶん第6節岡山戦ぶりの事で、その時以来の良いイバルボだったと個人的には思う。

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