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暴走が止まりません

【相談】会社員28歳男性

私はADHDの診断を受けている会社員です。会社にはADHDのことは伝えていませんが、行動が通常じゃないとのことで、会社には目をつけられています。

何が普通じゃないかというと、「人からやってはいけない」と言われていることをやってしまうということです。
それも、「衝動的に」「それが正義だと思って」やってしまうのです。

昔話でいえば、浦島太郎が絶対に開けてはいけないと言われた玉手箱を開けてしまうこと、鶴の恩返しでおじいさんが絶対に開けてはいけないという戸を開けてしまうこと、そういったことを繰り返して、職場の信頼を無くして自分自身も自信を無くしてしまいます。

不正が発覚した時にはかなり反省して寝込むくらいです。でも、翌日になれば何かしらのスイッチが入り、自己正当化して、全く同じことをやってしまうのです。

現代でいえば、高速道路で左車線からの追い越しをやってしまったり、車の通りが少ない道路で信号無視をしてしまったり、たばこのポイ捨て、糖尿病治療中のお菓子、アルコール依存症患者の飲酒などあげればキリがありませんが、そんな感じです。

分ってるんです。相手も善意で言ってくれていることはわかってるんです。
でも、やめられないんです。
この罪悪感に捕らわれるのも本当に嫌なんですが、その場でスイッチが入ればやってしまうんです。
何とかしたい意志はあります。
何とかできませんでしょうか。
アドバイスお願いします。

【ななにいに@メンタル兄貴の回答】
それめちゃくちゃわかります!笑

私もいまアルコール依存病棟で筋トレのし過ぎで、壊れた筋肉組織から染み出したクレアチンキナーゼという数値が7000を超えており(基準値の100倍以上)、筋トレと持参のタンパク質の摂取を禁止されていますが、少なくとも筋トレを辞めることはできません。コロナで禁止されていたジム通いもばれてお叱りを受けて、それではいけないと2リットルペットボトルで自作ダンベルを作成してトレーニングをしたりしました。
さらに糖尿病も患っているのですが、毎週の血糖測定では健常者と同程度の血糖値まで安定しているので、脂質のない和菓子だったらいいだろうと大福や羊羹を食べまくってることがばれてしまい、担当の看護師さんや主治医を悲しませてしまいました。

こんなにnoteで上から目線で書いているのに、編集人の私がこんな体たらくなんて恥ずかしいですね。
それはそうで私もADHDを持っているので、衝動性を抑えられないからなんです。
私の入院している精神病院で、特に様々な依存症に悩んでいる患者を対応しているアルコール専門病棟であれば、本気で衝動性や依存症について向き合ってくれるのですが、食うか食われるかの実社会では難しいですよね。
退院してリハビリが終わって実社会に出たら、たとえADHDで障碍者手帳を持っていたとしても、残念ながらすべての行動は自己責任となってしまいます。
普通に会社はクビになりますし、恋人には振られますし、馴染みの飲み屋も出禁になります。

アルコホーリクス・アノニマス的に言えば「あなたの理解しうる神様にあなたの全てを委ね、神様のお示しするままに従います」ということになります。神様の力をハイヤーパワーとも言います。
世の中的にはこの考え方って宗教チックでなんか嫌だねって感じでAAに参加しない理由の一つになっているのですが、最近になってこの考えかたは「依存症にめちゃくちゃ効くんじゃないか?」と思っています。
そうは言うものも、今朝我慢できず部屋で腕立て伏せしてたらちょうど見回りに来てた看護師さんに見つかってお叱りは受けたのですが、一つの心がけにはなります。

ハイヤーパワーを信じるメリットはハイヤーパワーをくれる神様というものは何でもいいということです。とあるアメリカの身体障碍者で風刺漫画化のアルコール依存症患者について撮った映画では、主人公はグラビアのポスターをハイヤーパワーにしていた記憶があります。

例えば、選ぶことが難しいAとBという選択肢があったとします。その時、多くの人は自分で探してきたデータに基づいて客観的に選択をしようとします。でも、その判断は客観的なものだと思えても実際は主観が多くの部分で入ってしまい、判断に失敗してしまいます。
しかし、ハイヤーパワーに身を任せると、良くあるパターンだったら、
「この難しい局面、尊敬する〇〇さんだったらどういったは判断をされるんだろうか」
とか、いまの政治の局面では
「安部晋三さんだったらこれには賛成をしない!(ハイヤーパワーか権威の政治利用かはおいておいて)」
とか、自分を超えた偉大な力を借りることになります。最終的にハイヤーパワーに頼って、決断するのは自分なのですが、迷ったときには自分の全てをハイヤーパワーに委ねてしまうのがいいんじゃないかなと最近思っています。

なんでこんなに弱腰なんだと言われると、ハイヤーパワーに頼らずに、今朝看護師さんとの約束を破ってしまった自分がいてしまったからなんですが・・・。ただ、このハイヤーパワーという方法を学んでから、何となく衝動的に自己肯定化して衝動的に物事を進めることに「躊躇」するようになったことは事実です。
ちなみにハイヤーパワーは何でもいいということなので、健康管理や入院生活については担当の看護師さんをハイヤーパワーにしています。そしたら絶対に裏切れませんからね、今朝はハイヤーパワーよりも大胸筋の渇望を優先してしまいましたが、それはAA的にはすべてをハイヤーパワーに委ねておらず、利己的に人生を生きているということになります。全くおっしゃる通りだと思っています。
ななにいにnoteに関してもハイヤーパワーをつけないと退院後リハビリや仕事が忙しくてインプット&アウトプットの時間がなくて更新が止まってしまいそうで怖いです。

意志が弱いとかそういうこともあるかもしれませんが、私を含めたADHDの人は感情の抑制や理性を司る前頭葉の発達が遅いので、発達障害と呼ばれているわけです。
世の中にあふれるカロリー、アルコール、ニコチン、ドラッグ。それだけではなく、のめりこんだらゲーム、料理、筋トレ、勉強すべてが結果が出たときに褒められたり、成長したことが分かったときにうれしくて快楽を感じて、「もっと」その快楽を得たいと依存症になります。
特に、筋肉の場合はトレーニングと食事の管理をしっかりすればそれだけ結果が鏡と体重計を見ただけでわかりますし、怠ればどんどんひどい結果になっていきます。
人は成長するときよりも、退化することを恐れる生き物です。そのため、私のようなトレーニーはどんどん、ルールを破ってまでトレーニングにハマってしまうんでしょうね。
「そんなことわかってる、でも筋肉が減っていく悲しみを抑えることはできない!だから、だめだとはわかってるけど、看護師さんに隠れてチキンを食う!トレーニングをする!」といわゆる狂気に満ち溢れた狂人になってしまうんでしょう。なるんでしょうというか、今朝6時半の私はまさに狂人そのものでした。

意志の力では何ともならないんだろうなと思っています。

試したいこと。
ずっとやってたこと。
手軽で気持ちいこと。
あと少しだからやり切りたいこと。
失いたくないこと。
しがみつきたいこと。
惰性でやっていたこと。
長年の習慣。

意志の力じゃどうにもならないんでしょう。
カメを助けた浦島太郎、鶴を助けたおじいさんも、強い意志を持った善人でも衝動に勝つことはできなかった。
ADHD持ちはさらに衝動に弱い、意志の力は小4の女の子の左手以下です。

正解はわかりません。
今朝は失敗してしまいましたが、
「こんな時、偉大な、尊敬する〇〇さんだったらどうするだろうか。〇〇さんに私の全てを委ねます。〇〇さんの意志にすべて従います。困っているだれかを助けたいです。〇〇さん力をお貸しください」
そんなことを考えながら少しだけ人生を歩いてみようかなと思っています。

もちろん選択した判断の全責任は私が負うんですよ?でもアルコホーリクスアノニマスの経典「ビッグブック」には続きがあります。
「短期的にはハイヤーパワーの意志に従った結果、大惨事が起きる可能性がある。しかし、それは短期的な結果しか見ていない。ハイヤーパワーにすべてを委ねて判断した結果、それは結果的にはあなたの人生を幸福にすることになる」
と書かれています。最初読んだときには「なんだこの都合のいい書き方は!?」と憤死しそうになったのですが、そもそも衝動に駆られて行動することの方が大惨事を招くことは当然ですし、短期的に死にそうになっても〇〇さんに従って行った決断だし受け入れようというようになり、自己肯定感の下落を防ぐこともできるんじゃないかなとも思います。
ここで、ハイヤーパワーや他人に責任転嫁する人は何をやってもダメなくずだと思いますが、なぜなら責任や結果を受け入れることは衝動性も関係ありませんので。

あー、看護師さん、主治医、ごめんなさいいいいいいい。
自称メンタル兄貴もこんな感じになるのです。
やらかしたって命取られるわけじゃないですし、肩肘張らずに生きていきましょう。

ご相談、ご質問はななにいにtwitterまでお願いします。

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