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日本と海外の飲食

人は一般的に1日3食食べる。

その3食をどのように過ごすかは、人生の満足度を大きく左右するのではないかな?と僕は常々思う。

ある時、僕と妻は「暮らす国を探そう」という目的で、海外を旅したことがあった。

その結果、妻の日本仕様が判明したことや医療のアクセスのしやすさとともに、「食の充実」という面が大きな要素を占めていた。

海外の食事

なんといっても、日本はGDP3位の国。
日本より上の国は、アメリカと中国しかないのだから、他の国と比べるのはかわいそうな気がするけれど、それを差し引いても、どこの国でも、だいたいが「ひとつの味かふたつの味の方向」という感じだ。

エジプトでは、「トマトで煮込んだもの」がほとんどで、その具材が変わるだけ。
もちろん、クスクスとか、他のもあるんだけど、大多数がこれという意味。

ドイツでは、ニョッキが目につくよね。
まあ、ご飯の役割なんだろうけど・・・。
料理自体は豪快で好きだったけど、やっぱり、飽きる。
色々な料理があるけれど、だいたいが同じ方向。
ドイツのパンは好き。
でも、総じて、ドイツならいけそう。

フランスはおいしいんだけど、出てくる料理が冷たい。
あったかい料理って、出てこないのよね。
フランスパンなんて、トーストしないから、冬、寒いんだよ。
料理自体はおいしいんだけど、冷たいんだよね。
パン系はおいしい。
食に期待していたフランスがなあ・・・。
まあ、でも、フランスでもいけそう。

食といえばのイタリアも、さほどのことはない。
地元の人が行くところ、星付きのレストラン・・・、いろいろ行ったけど、「やっぱり、本場のイタリアンは違うね!」とはならなかった。
もちろん、おいしくなくはないけれど・・・。

意外なのがギリシャで、さほど期待をしていなかったけれど、好きな味ばかりだった。あなたは、今後、ギリシャから移動できませんよと言われてもいけそうだった。

まあ、とはいえ、ヨーロッパ系は総じてトマト煮込み系が多いよね。

4000年の中国は、さすが料理は美味い。
中華料理は、日本より美味いと感じた唯一の国。
バリエーションも多い。
だけど、まあ、政治体制がね・・・。

覇権国アメリカはね・・・。
雑なんだよね・・・。
主食と副菜が分かっていないというか、食事とおやつの違いがないというか、何でもいいというか・・・。
普通にお弁当がポテトチップスだったりするからね。
これはこれで楽しそうで、いけそうな気もするけど、早死しそうだ。

外食(レストランなど)

そして、海外のレストラン。

上で「いけそう」と思った国も、ここで脱落してしまう。

海外の外食って、ファーストフードと高い外食の間が少ないんだよね。
日本はここが充実している。

あと接客。

水も出さず、感じが良くもなく、ただ、料理を運んできて、「Everything is OK?」とか聞かれ、「good」とか強制的に言わされるだけのサービスに、チップを払わなくてはいけない。

高いレストランでも、ほぼこれだからね。

一度、アメリカのレストランで、サルサにカビが生えていて、それを指摘したら、「いつもなら、こんなことはありえない。ごめんね」くらいだからね。

考え方として、「カビが生えていたからチップを減らしていいよ」ではなく、「カビが生えていても、ちゃんと交換したから、チップ弾んでよね!」という態度だから、理解に苦しむ。

しかも、料理の値段自体が高いのだから、嫌になる。

ハンバーガー1500円にチップ20%で、1800円なりの世界ですからね。

海外で「外食!」というのと、日本の「外食!」というときに思い浮かべるシチュエーションが違うのもよく分かります。

ひるがえって日本

日本を見ると、これがまあ、バリエーションがすごい。

日本は日本料理だけで、あっちこっちの方向性がある。
いわゆる懐石料理から、おばんざいなどの家庭料理、お蕎麦、うどんなどの麺系、牛丼などのどんぶり系、お好み焼やもんじゃなどの粉系、焼き鳥などの居酒屋系・・・。

僕が外人さんで、日本に来たとしたら、1週間くらいの旅行期間じゃ、食べきれないよね。

でも、海外だと、数日あれば、だいたいの名物は制覇できる。

それだけでなく、日本は、海外のものも、充実している。
別にその国に行かなくても、各国の料理を食べることができる。

そのレベルが高く、本場の国に行って、「あっ、やっぱり、本場は違うな」と思うことが、逆に少ない。

僕はそれを求めて、各国に行っていたこともあったのだけど、「なんだよ、日本と変わらないじゃん。いや、むしろ、日本の方が清潔だし、熱々だし・・・」と思うことがほとんどだった。

「そりゃ、日本人に合わせているからじゃない?」という思いもよぎったけれども、そういう問題じゃないんだよね。

例えば、イタリアなどでパスタを頼んでも、逆に茹で加減がベチャベチャだったり、盛り方が汚かったりするから。
「イタリア人は皿からはみ出している雑なパスタを好む」なんてことはないでしょ。
そういうパスタをイタリア人がサッカーみながら、みんな食べているのよ。

さらに、日本では、レストランなども高いお店から安いお店まで揃っていて、しかもチップもいらない。

お水をくれたりするのに、感じがいいのに・・・だ。

最高の国だ。

人材不足とコロナ

まあ、そんな最高な日本の飲食も、「若い人の搾取で成り立っている」「オーバーストア」という批判や、「人手不足」から、存亡の危機にひんしているようだ。

コンビニもそうだけど、「24時間やる必要がない」とか、外食も「充分な給料を払うべきだ」とかいう主張を最近、よく聞く。

そういう流れの中、今回のコロナの流行が起きた。

飲食業は時短営業もしくは休業を迫られている。

1ヶ月や2ヶ月くらいならまだしも、これでほぼ1年近く、「外食に寄らない」「家に帰って食べる」「コンビニかスーパーで買って食べる」ということになると、それが習慣づいてしまうからな。

今まで、「平日の夜は外食で、たまに家で食べる」という人が、「ほとんど家で食べて、たまに外食」という習慣になると、ほとんどの市場を失うことになってしまう。

今、時短営業で「6万円の協力金がもらえる」ということに不公平感が出ているけれど、これはこれで後が怖い気がする。

もう習慣が変わってしまっているからね。

デリバリー

「じゃあ、デリバリーすればいいじゃん」

まあ、デリバリーだけじゃ、まず無理だよね。

元々、デリバリーにはデリバリーのお店があったわけだし、そこに参入していくわけだし、免許が違ったりするし・・・、いくら挙げてもキリがない。

それに、飲食業というのは場所を売っているという側面もあるから。

その料理単体だったら、さほどの価値をもたない場合も多いですからね。
コーヒーなんて、家で淹れた方が美味いですから。

日本の飲食も海外のようになってしまうのか?

このままの流れが続くと、日本の飲食も海外のようになってしまうのかもしれませんね。

お店が減り、値段は上がり、「外食」というと、正装していくようなところになる。
バリエーションも減るでしょうね。

「今日は何を食べようかな?」と思った時に、すぐにパッとリーズナブルに色々な料理を食べられるというのは、本当に珍しい環境なんですよね。

こういうことが起きないように、緊急事態宣言の間に、病床を増やす努力をして欲しいと思うのですけれども、同じような数のまま「病床はなおも逼迫している」とか言っていますからね。

1年ありましたからね。
色々できたと思いますけどね・・・。

とはいえ、海外よりは状況はずっとマシですから、仕方ないですね。
海外の飲食店の状況なんて、マジ半端ない。

とはいえ、緊急事態宣言が明けた栃木県などで、旅行の予約が改善しているというニュースなんて聞くと、「いや、大丈夫かもしれないな」とちょっと安心したりもしますけどね。






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