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撮影の限界【ホームレス生活16日目】
今朝は上野公園で目覚めた。上野の路上生活者の朝は早い。
俺が寝た場所では5時には皆、寝床の撤収作業を始める。簡易的な物だから30分もしない内に辺りは元通りになる。
知らない人が昼間ここを見たら、夜はホームレスの寝床だなんて到底思わないだろう。
俺も彼らと同じ時間に目覚め、行動を始めた。
とは言っても、やる事が全くない。
正直、この撮影スタイルに限界を感じている。
その理由は2つある。
1つは、ホームレス生活自体はかなりイージーだということ。
2つ目は、金を持ってない事が撮影の大きな障壁になってしまっていること。
ホームレス生活を始める前の目論みとしては「過酷な路上生活を生き抜くこと」を主題に動画を撮るつもりだった。
しかし実状は大きく異なった。時期的に野宿が辛くないという事もあるが、何より路上生活を簡単にしているのは炊き出しの存在。
炊き出しがあればまず飯には困らない。寧ろ毎回腹一杯食べることができる。下手したら俺の普段の食事より栄養価が高い…
タダで腹一杯飯が食えるとなると、金なんて稼がなくていい。
だから多くのホームレス達は炊き出しに行って、時間を潰すというルーティンを過ごしている。
つまり、"路上生活を生き抜く俺"を主人公に動画を撮った場合に撮れ高が全くない 笑
それくらい暇だ。
そうなってくると、カメラを向ける主体を俺じゃなくてホームレスにしなければいけなくなる。ホームレスの過去や話を聞いてる様子を写すとか
するとここでまた問題が出てくる。
俺が現時点で金をほとんど持っていないため出演料をその場で用意できないことだ。
というかそもそも撮影以前に仲良くなるために話をする段階で、俺と路上生活者とがフラットな立ち位置にいない。
俺が好奇心でワケアリな人に話を聞きに行く訳だから、交渉道具としてまずは酒なりタバコなりを渡す必要があるという事に気づいた。
俺はそこの認識が甘かったのだと思う。
「カメラで撮る訳じゃないしちょっと話すくらいええじゃろ…」と思っていた。
余裕のある普通の人ならそれでもOKかもしれないが、彼らはホームレスだ。余裕なんてない。彼らは自分のことで手一杯だし、なんなら自分の事すらもままなっていない状況でもある。
そんな人達に興味本位でタダで話をしてもらうというのは、虫がよすぎる。
だから方法を大きく変える必要があるなと思った。
ほいじゃあまたの
【1ヶ月0円ホームレス生活について】
2021年6月末〜7月末まで東京で所持金無しのホームレス生活をしています。理由は、単純な好奇心。路上生活者がどのように生活してるのかが気になって、実際に体験してみようと思いました。
そして、その様子を自分で撮影してドキュメンタリー動画を作って販売しようと思ってます。noteにはこの一か月間の出来事を日記みたいに投稿していきます。
*動画用にnoteに書かないこともあります*
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