ゆとりのなさ

私も彼もお互いに、想像以上に過酷な環境に身を置いた。

今の様に手軽にやり取りできるツールはなかったしあっても、使うことさえ禁止される。

せめて手紙を書くか、決められた日時に電話をするしかなかった。

それも時間がないとかゆとりがないとか、環境が悪い中でするしかなかった。

帰国直後、強かった私の精神は少しずつ崩壊に向かっていた。そんな私に気付くゆとりさえ彼にはなかった。


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