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初めて人の家のカレーを食べた時に、気遣いの頂点を垣間見た話

私は根暗です

人と遊ぶことぐらいは出来ますが、人の家にお邪魔してまで遊ぶことはしませんし、そうする人もいません

でも満足してますし、不便さは感じていません

そんな私が、なんとなく人の家にあがってカレーを食べた話をしようかとおもいます

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めちゃくちゃ晴れていた昼前。かえって申し訳なく思うほどの天気の良さに、「何かしなくてはいけない」という気持ちが圧迫していた

知り合いと会うことがあって、話していた。1時間くらいなら会話できるくらいの体力はあったし、それぐらいなら頑張れる

彼と少し話して帰る雰囲気を上手に出しはじめたときに、急に懐かしい名前があがった。なんでも彼はその方が気になるらしい


気付いたら、その人の家に向かていた。ひとの家にあがるのは何年振りのことだろうか。と、運転してもらっている間、車窓の風景を見ながら考えていた

あっという間についた。自分の知っている土地であったし、まさかこの辺に住んでいるとは思っていなかった。立派な家だった

玄関のところにアルコールスプレーが置いてある。さすがだなぁって心の中で思った。手に3回くらいスプレーした。気合を入れたつもりだった


人の家とはなんと興味深いことなのか。壁に飾ってある絵に、並べてある本だったり(図書館から借りていた)、机の位置や、椅子の色、部屋の照明とか、目がきょろきょろしてしまう。「どうぞ」と当たり前のように椅子に招かれた

もうお昼どき、人の家にあがるのさえ苦手な私が、どうもこうも人の家の食べ物を食べるとは…。修行、修行と言い聞かせていた

入ってからわかっていたが、カレーが用意されていることが明白だった。カレーなら食べれるって内心ほっとしていたけれど、できるなら食べないで帰りたかった。人の家で飯を食べることほどハードルの高いものはない


きょろきょろしていると、ふと声をかけられた。

「カレーはライスの上ですか?それとも横派ですか?」


あー。なるほど。そういう気遣いっていうのもあるのか。どっちでも良かったし、こだわりも無かった。なんとなく世間一般てきな雰囲気で「横派」を選んでしまった。本当は、人から上にかけてもらったものも興味深かったが

「変なこと聞いてすみません」

と言って、照れながらカレーを盛りつけている。手伝いをするのではなく、あえて気を使って、手伝いをしなかった。これは根暗にしかわからない気遣いなんだって思っている

出てきたカレーはちゃんと‘横派‘のものだった。間違いではなかったし、食べることも上手にやれたと思う


帰り、見送られた後は、車内で彼は仕事の話をしていた。私はまだカレーの余韻とカレーを上からかけた時のイメージをしていた


外は静かな青が広がり、少しだけ成長をした自分を褒めてあげたいと思った




いただいたサポートは、同居人と飲むコーヒー代にあてていこうと思っています。さらに余ったら、近くのロールケーキ屋さんでケーキを買えればと思っています。