見出し画像

パリの夢、夢のパリ

フランスはパリの市街地にぽーんと放りだされる夢を見た。
なぜか同行した友人に冷たい裏切りを受け、身ぐるみひとつでホテルから出てゆかねばならなくなったという設定だった。

夢のわたしはなぜかトラベラーズ・チェックの有無を気にしていて、でも手元にはクレジットカードのみがあるという状況。
スマホもガイドブックもないのだった。

「うーん、旅のフランス語なんて『ジュマペール…』と『ケスクッセ?』しか喋れないのにどうしよ……ま、クレカあればどうにかなるっしょ」
と、一瞬にして気持ちを切り替え、夢のわたしは夢のパリ市街を颯爽と歩いてゆくのだった。

目が醒めたとき、ほっとするとともに、夢の中の自分の度胸の大きさを好ましく思った。

パリはかつて一度だけ訪れたことがある。
と言っても、ツアーで観光地をめぐりセーヌ川でディナークルーズをするようなミーハーな旅だったので、とても自分の足で歩きましたとは言い難い。
ガイドブックを破り捨ててスマホもホテルに置いてひとりでアジアを歩いてきたというフォロイーさんの記事を読んで、羨望のあまり影響された夢を見たのかもしれない。

この先も当面、世の中は海外旅行どころではない日々が続くだろう。
いつかあの未曽有のウイルスを殲滅したら、ふらふらと心赴くままにヨーロッパや東南アジアを歩いてみたいと思っている。
写真ばかり撮ろうとせず、リッチな買い物もせず、旅行ガイドではなく現地の人たちとコミュニケーションをとって、今度こそ自分の足で歩いたと実感できるような旅を。

それにしても、最近身辺にいろいろと大きな変化のあった身にとって、今後の行く末について示唆的な夢だったな、とまだぼんやり余韻に浸っている。

LAVAの解約をめぐって傷ついた心と疲弊した体を癒すため、有意義に使わせていただきます。