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秋ヶ瀬公園で野鳥観察:シメとモズの髭

お休みをもらえた平日の晴天早朝。
たまには違う公園に行こうと、埼玉県にある秋ヶ瀬公園を目指す。
この日の埼玉は氷点下。手袋にダウンジャケットを着こみ、電車に乗り込んだ。

公園横の田畑は鳥が見られるエリア。遠く富士山が迎えてくれる。

最寄りのバス停から歩いて5分。
まだ朝8時の秋ヶ瀬公園は霜が降りていた。
まずは森のエリアを目指す。

いきなりガビチョウに遭遇。

初ガビチョウ。中国生まれで在来種を脅かす厄介な特定外来生物とみなされている。
美しい声で色んな歌のレパートリーを持ち、観賞用に日本に持ち込まれた彼ら。
厄介者とレッテルを張る前に、持ち込んだ人間が悪いんだけどね。
この日は鳴くことなく、地面で餌を探していた。

寒空にメジロは健在
逆光で失礼。エナガ団子一つ。

ふと見上げると、木のてっぺんに白い鳥が留まっている。

白くずんぐりな身体。シメ♀のようだ。

森を抜けて、以前トラツグミやジョウビタキを見かけた田畑エリアに行ってみる。

いた、ジョウビタキ♂。
はい、逃げられました。

近くにはジョウビタキメスがいたが、あっという間に逃げていった。
ごめんね、驚かせて。
寒いと着たダウンが白色で超目立つ。鳥もびっくりするわ。
今度から地味なコートを着て来ようと心に決める。

傍にはカシラダカが佇んでいた。
つつくのに夢中でこちらに気づかないコゲラ♂。

コゲラの頭に赤い羽根を見つける。
コゲラのオスは普段頭に赤い羽根を隠し、たまにしか見えないらしい。
チラ見えに何か意味があるんだろうか。
何だか得した気分になる。

タヒバリの群れが霜の降りた田んぼで餌を探していた。
公園をパトロール中のネッコ。
人影まばらな園内。

畑のエリアから公園に戻り、冷えた身体を温かいお茶で温めようと少し休憩。
時間が経つとともに日差しが強くなっていくが、この時期の日差しは暖かく柔らかい。
柔らかい朝の日差しの方が、鳥を綺麗に撮れる気がする。

平日の寒い朝だからなのか、今日はバーダーさんだけでなく人も少ない秋ヶ瀬公園。
ぶらぶらと歩いていると、しげみでチャッチャっと鳴いていたウグイスがポンと目の前に飛び出し、木をするすると登り出した。

冬はめったにお目にかかれないウグイス。

虫が主食のウグイス。木にまとわるツタの下に虫がいないか探しているようだ。
冬は虫が少なく人にとって快適だが、鳥たちにとっては食べ物が減る過酷な季節。
頑張れよ、と見送る。

日が昇り、そろそろ帰ろうかと入口に向かってぶらぶら歩いていると、シュポーンっと大き目の鳥が木の中に吸い込まれていく。
木を下から覗いてみると、シメのオスが。
さっきの色白なメスと体つきは同じだが、メリハリのある色でコワモテだ。

シメ「俺のクチバシ、立派だろ?」
パカッ

鳴くでもなくパカパカと口を開けるシメ。警戒しているのかな。
鳥たちが見せる色々な表情に想像を巡らせる。

公園出口前で、モズが私の目の前を横切る。

ええ、いつも独りのモズです。

今日はあまり獲物がいないのか、地面に降りては枝に戻るを繰り返している。
人馴れしているのか、近づいても逃げずに餌を探している。
地面に降りた彼の写真をみて、一瞬「めっちゃまつ毛長いやん」と勘違いする。

くちばしの根本から生えているのは髭らしい。

鳥の髭って、どんな役割があるんだろう。
餌に顔を突っ込みすぎないよう、センサーとして働いているのか。
飛ぶとき目に入ったりしないのかな。
ここまで接近することが無かったから気づかなかった。
調べると、髭を持つ鳥は少なくないらしい。

バードウォッチングは毎回新たな発見があり楽しい。
今日もたくさんの野鳥に出会えた。
年末年始は色んな予定が入っているが、合間を見つけてまた見に行こう。
昼を前に、秋ヶ瀬公園を後にする。

「また来てね」


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