春本番。公園の野鳥たち
平日休みの朝。
今日は近場で鳥を観ようと、いつもの公園に向かった。
園内を散歩する人はまばら。
先日の雨で散らなかった桜が残っている。
お花見しながら歩いていると、いつもの彼らが出迎えてくれる。
以前にも園内で出会った交雑種の彼。
羽模様から親を推測するのもまた楽しい。
ヒドリガモもトモエガモも同じカモ科マガモ属。
外見は違えど、彼はヒドリガモの群れで仲良く過ごしているようだ。
この日の園内はオナガが騒がしい。
群れでヒラヒラ、鳴きながら木を飛び渡っている。
オナガはそのエレガントな見た目とは裏腹に、声が騒がしい。
声からオナガがカラス科であることを実感できる。
オナガの鳴き声が聞きたい方はコチラ↓
オナガは福井県より北、本州の東から北半分に分布する。
東京では当たり前にみられるオナガも、京都より南・西日本には1羽もいないらしい。
京都が舞台のサスペンスドラマでオナガの声が入り込み、ロケ地が京都でないことがばれた、なんてエピソードもあるそうだ。
確かに、京都ではオナガを見かけなかった。
何で彼らは京都を超えられないんだろう?
さらに園内を歩く。
ツグミは大半が北へ帰ったようだ。
さらに歩いていると、目の前に戦利品をくわえたカラスが舞い降りる。
シャッターとまばたきとが重なり、宇宙人のようなカラスが爆誕する。
エイリアンみたいな写真になってるやん。怖い。
カラスに限らず、鳥はまぶたと目の間にある透明~白い「瞬膜」で瞬きしている。
くわえているのはケーキかな。
あとで食べるのか、せっせと草むらに隠していたが、そんなところだとアリンコたちに食べられちゃうよ。
園内はすっかり春。
色鮮やかな花を見ていると元気が出る。
冬に凍りついた心身が溶けていくようだ。
コロナがほぼ終息し、医療従事者もマスクを外して堂々と外出できるようになった喜び。
鼻から春の香りを胸一杯吸い込む。
いつものところでモズに出会う。
彼は狩りの真っ最中のようだ。
ふわっと地面に舞い降り、何やらキャッチした。
これからの季節、虫たちが増えてくるから食べ物には困らないんだろうね。
バードサンクチュアリには、最近のバーダーさんたちのマナーを注意する看板があちこちに立てられている。
良い写真を撮ろうと、枝を切ってしまった人がいるらしい。
環境を破壊してまで写真を撮りたいなんて、人間のエゴが恐ろしい。
鳥さんたちのことをもっと大切に考えてほしいな。
今日のバーダーさん達はオオルリを見つけて追っかけていた。
オオルリは見たいが、野鳥との出会いは一期一会。
目の前に出てきてくれる日を待とう。
対岸の桜並木や上空のツバメの舞を愛でつつ、お茶を飲む。
やっぱり春はいい。
やがて来る酷暑までの短い期間、この快適な季節を楽しまなきゃ。
池ではカイツブリがあちこちで潜って餌探ししている。
水面に浮き上がった彼ら。ずぶ濡れの身体をブルっと一振りするだけであっという間に乾いてしまうからすごい。
潜りが得意なカイツブリ。
羽が水をきれいにはじいてくれるから、体が冷えないんだろうね。
冬は全身真っ白なユリカモメ。
夏に向けて、顔だけ真っ黒な夏羽に生え変わる。
この日は多くのユリカモメの頭が黒くなりだしていた。
夏を前に北に帰るユリカモメ。
そろそろ帰宅準備に入っているようだ。
冬まで会えなくなる日が近い。
園内あちこちにたたずむサギ。
普段は黄色いダイサギの目元が、美しいコバルトブルーに変化している。
「婚姻色」と呼ばれ、恋の季節を迎えた証だ。
一方で、ベンチの上で人間のようにくつろいでいる一羽のコサギ。
こちらのお顔は、ほんのりピンク色。
これもまた「婚姻色」だ。
普段は黄色いお顔のダイサギにコサギ。
この時期は顔の色で見分けられる。
早くお相手が見つかると良いね。
水元公園の木に花に鳥たち。
やって来た春をそれぞれが喜んでいるようだった。
私も、公園の春を五感で楽しめた。
次は暑くなる前、蚊が出ないうちにまた来よう。
公園を後にする。