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初夏の京都で探鳥①:大文字山の景色とラジオ体操

二日半の連休が取れた5月末。
どこへ行こうかゆっくり考える時間が無かったため、母の顔を見に行きがてら京都へ帰ることにした。
観光客であふれる場所を避け、京都で夏鳥を探してみよう。
山に行ったら見られるかな。
探鳥地まで観光客が来ることは無いだろう。

京都で山と言えば比叡山か大文字山。
大文字山は本名「如意ヶ嶽(にょいがたけ)」。標高472mある。
山頂よりも、標高330mの所にある「火床」の所からの景色がとても良い。
送り火で焚かれる「大」の字の部分だ。
小学生か中学生の頃に遠足で登った記憶がある。
夏鳥を探すなら早朝がお勧めのようだ。
久しぶりに行ってみたくなり、早朝に大文字山を目指すこととした。

閉門中の銀閣寺。時刻は5時半。
銀閣寺横から大文字山に入る。
銀閣寺を支える大文字山の森
道は比較的歩きやすい

行程は1㎞ほど。
途中ヒヨドリ、ヤマガラやキビタキの声を確認する。
キビタキが来ているんだ。京都の山にも夏が来ているようだ。
鳥を探す前にまずは火床からの景色を拝みに行こう。
最後に心臓破りの階段があるが、登りきると視界が一気に広がる。

6時半。朝日に目覚める京都盆地を一望。
南に大阪のビル群、左の方角にあべのハルカスまで見える

今朝は快晴。
大阪まで見通せる火床からの眺めがとても気持ちいい。
小さい時に強制的に登らされた時は余り良い思い出が無かったけど、歳を重ねると見える光景が違う。
「大」の文字の真ん中にある広場に腰掛け、なじみの街を見渡す。
送り火が見える地域が、こちらからも良く見える。
あべのハルカスからも大文字焼きが見えるのかな。

京都駅と、京都タワー

京都の建物は高さ規制があり、東京タワーのように周囲の建物に埋もれることの無い京都タワー。
私がいた頃の京都と変わらず、駅の北にそびえている。
京都の空は広い。

緑は京都御所の森に鴨川、吉田山かな

鳥さんたちはこの目線で京都を見ているんだね。
緑多い地域を目指し、あちこち飛び回っているんだろうな。

鴨川デルタのあたり。コメ粒ほどの人たち。

人のいない早朝と思って登ってきたが、私より年上の地元の方々が次々に登ってきて挨拶している。
皆顔なじみのようだ。10名程が楽しそうに話をしている。
と、ラジオ体操の音楽が鳴りだし、私の周りで皆が位置に着く。
近くの方に「お邪魔じゃないですか」と聞いたら「良かったら一緒に体操しませんか」とにっこり。
そんなわけで急遽、皆さんと一緒にラジオ体操をすることになる。

京都盆地を眺めながら元気にラジオ体操

いやこれ、気持ちいいなあ。
快晴で涼しく、空気が清々しい。
毎日これをやっている皆さん、絶対長生きするわ。

ラジオ体操が終わると、おしゃべりを少し。そして皆下山していく。
声をかけてくれた女性は同じ区の出身。他愛もない会話に心温まる。
こんな朝活もあるんだね。
私は一人残り、食べていなかった朝食を食べることにする。

志津屋のサンドイッチとコーヒー

京都にいた学生の頃にとてもお世話になった志津屋。
ここ火床ではトンビにさらわれることも無い。
陽が昇っていく京都盆地を眺めながら、のんびりとサンドイッチを食べる。

火床からの景色で既に大満足な私。
野鳥を見に来たことを忘れかけていた。
来る途中鳥の声は聞こえたけれど、視界が開ける所が少なかったなあ。
野鳥観察に適しているという千人塚まで降りてみる。

火床で花の蜜を吸うメジロ
千人塚に到着。

千人塚では少し斜面が開けているが、森が深く薄暗い。
あたりはヤマガラの群れがいるようだ。
薄暗いエリアですばしっこく飛び回るヤマガラたちを、カメラでとらえるのが難しい。

ヤマガラ(証拠写真)

あちこちでキビタキやセンダイムシクイが鳴いている。
森の中で姿を見つけるのは至難の業。声だけでも楽しもう。
(「チヨチヨビー」のセンダイムシクイと、「ピッコロ」のキビタキの掛け合いを録音した。興味のある方は下記をどうぞ)

登山口の手前で美しい声が降ってくる。
見上げると、遠く高い枝でオオルリがさえずっている。

下から見上げるとお腹の白さが目立つオオルリ

初めまして。
もう少し近くまで降りてきてくれると鮮やかな青が見えるのだが、まずは会えて良かった。

山を下りても時刻はまだ8時半。銀閣寺を目指す修学旅行客や観光客とすれ違う。
まだもう少し歩けそうなので、次の場所へ探鳥に行くこととする。

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