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ASMRの深い沼にはまろう【+オススメ配信者雑記】

 五、六年近くASMRを聞いてきた、もよゆらと申します。ちょっとチラ裏的記事を書いていたのですが、あまりに勿体ないのでここに供養します。記事内容は軽くASMRについての所感を述べつつ歴史に触れて、その上でオススメのVtuberを書く構成にしたいと思っています。(予定)

■ASMRの成り立ち、研究について■

 ASMR(Autonomous Sensory Meridian Response)、自律感覚絶頂反応と直訳され、「エー・エス・エム・アール」等々呼ばれる、聴覚に働きかける癒しの音声が日本で一躍ブームになったのは、大体2019年の流行語大賞にノミネートされた辺りからでしょうか。

 ジェニファー・アレンが2010年にASMRという呼称を付けるまで、少なくとも日本においては「音フェチ」等の用語で認知されていました。音から一定の癒しを得る行為自体は身に覚えがある方もいるのではないでしょうか。トタン屋根に滴る雨の音、風鈴の音やひぐらしの鳴き声、聴覚的トリガーとしてリラックス状態を引き起こす音は、世に飽和しています。

 とはいえ、このASMRによる脳のリラックス状態を引き起こす原因は未だにはっきりと解明されていません(2021年1月 時点)聴覚トリガーに対する感覚の解析fMRI検査等、現在、google scholarにおいては「autonomous sensory meridian response」検索で6020件の論文が確認されていますが、日本における研究は日本音響学会聴覚研究会が行っている以外は非常に研究例が少ないのです。

 Bryson C. LochteらのfMRI研究では、”ASMR has been compared to musical frisson.”と述べられています。このfrissonとは aesthetic chills 直訳して美的悪寒などとして知られており、背筋の悪寒、疼きとして感じられる心地よさとして受け取られるようです[1]。Brysonらの上記研究では他にも側坐核(NAcc)、側前帯状皮質(dACC)、左右の補足運動野(SMA)に影響を及ぼし、前頭前皮質の活性をも促している。”ASMR-responders had significantly higher scores for the trait of ‘openness-to-experience’ than non-responders.”とされ、社会的認知や共感性にもサポート性を得ているようです。想像以上に副次効果がデッカい…。

 Giuliaらは"It is also worth noting that both studies demonstrated that ASMR is not associated with sexual arousal"として性的興奮とASMRの間に相関がないとしている、要検証。

 ■ASMRの種類・王道の三種類■

 一口にASMRと言っても様々な種類の癒しの音が存在しています。環境音や囁き声、多くの形で癒しを表現しているのですが、ここでは自身の知りうる限りの音声を、オススメのVtuberと連ねて列挙していきます。まずはASMR初心者が取っ付き易い三種を紹介しましょう。

I、耳かき(ear cleaning)

 言わずと知れたASMRの王道。耳の形をしたマイクに耳かき棒や綿棒、梵天を入れて擦られる音は、その心地よさを自身の語彙力では表現しきれない。竹やステンレスと言った耳かき棒の材質、マイク内に詰めるコルク等の素材の質、掻く際の強さ等、ASMRを行う人の技量が他よりもはっきりと表れる。沼じゃあ。

II、炭酸(Sparkling)

炭酸水を耳元に持ってくるとシュワシュワした泡の音が聞こえると思う。あれがより鮮明に聞こえるようになったのがこの炭酸だ。炭酸耳かき、炭酸ヘッドスパなどに幅広く応用されている。

III、マッサージ(massage)

 体の様々な部位を叩いたり、撫でたりさすったり。オイルマッサージや頭皮マッサージなど様々な種類がある。特にオイルマッサージはオイルの粘度等が結構直に伝わるのでいちおし。


■ASMRの種類・様々な沼■

 上記三種以外にも、ASMRは音をメインとする為、様々な種類がネットには氾濫している。沼にはまると抜け出せなくなること間違いなし。

1、スクラッチ音(scratching)

 所謂ひっかきの音、コルクだったり紙だったりと幅広く削る音を楽しむ。意外と単品でのヒット数が少ない。

 上記動画のようにタッピングとの組み合わせが案外多かったりする。

2、タッピング(tapping)

 物をトントンと軽くたたく音がメイン。ゆっくり叩いたり高速で叩いたりとバリエーションシンプル故に豊か。

3、咀嚼音(eating)

 メディアでよく取り上げられやすい。人によっては大分嫌悪感があるかもしれない(クチャラー的サムシング)。様々な食べ物をゆっくり咀嚼する音を聞くという何とも奇異なASMR。

4、スライム(slime)

 スライムに様々な物を練りこんだりして耳元で転がす。パキパキした音やネチっとした音に心地よさを覚えるようだ。

5、タイピング(typing)

 作業音としても人気を博している。タイプライターを模した音、一般的なキーボードでも、弾く音がまるで違うし、打っている人にも左右されます。

6、料理音(cooking)

 料理音はまな板の種類、切り方、食材、調理法とあらゆるものに左右される。一般的な料理動画でさえも癒しの範疇に入る。一種の環境音的な扱いにもなるかもしれない。

 Vtuberの性質上、どうしても料理ASMRは少ない傾向にあり、現実の映像と組み合わせる事もあるが、上記のような形で表現することもある。

7、ロールプレイ(roleplay)

 シチュエーションに自らを投影して聞く形になるASMR。好みのシチュエーションを見つけよう。視覚効果に頼る関係で、Vtuberの場合は耳かきサロンだったりヘアーサロンと銘打って配信する形が多い。

8、囁き(whisper voice)<朗読等も含める>

 基本的に多くのASMRは入眠や癒しの時間に利用される関係上、囁き声は必須スキルだ。囁き声を単品で取り上げる際は、朗読であったり雑談を指す事が多いだろうか。

9、オノマトペ(onomatopoeia)<sksk、tktk、コショコショ等>

 大別すれば囁きの内に含まれるもの。擬音語を用いたASMRで、他の物よりもこそばゆい感覚が強いか。音ってすげー。

10、物を削る音(carving)

 石鹸だとか粘土、木を削る音。基本は彫刻刀で削る音だろうか。

 因みに男だろうが女だろうが、音の良さに貴賤はないので、分かりやすそうなのを今回紹介してます。

11、散髪(hair cut)

 床屋や美容室でのあの散髪の音、髪の毛をすいたりする音。さくさく心地よい音が聴きたい人向け。

12、シャンプー(shampoo、head spa等)

 散髪の音と組み合わせて美容室ロールプレイに用いられることが多い。水音や泡のゴシャゴシャした音に癒しを感じる人に。

13、本をめくる音(page turning)

 カサっ、ペラリ、といった紙の擦れる音。近くで誰かが本を読んでいるような気持ちになるくらい、臨場感のあるものも存在する。

14、キネティックサンド(kinetic sand)

キネティックサンドと呼ばれるスウェーデンで開発された屋内砂遊び用の砂。ザリザリした音に快感を覚えるらしい。

bilibiliにも結構ASMRがあったりするので、忌避感のない方は是非。

15、スクイーズ(squishy、squeeze)

 子供の頃、誰しも一度は触ったことがあるであろう、あの何かを模したペタペタモチモチしたあのおもちゃ。あれはスクイーズっていうらしい。素材ごとに色んな音が出る。。。

16、筆記音(writing)<任意の筆記具、万年筆や鉛筆など様々>

 かなり奥の深いASMRの一つ。筆記具の種類、紙の材質、ペンのとがり具合と、意識的に聞くと不思議なほどに没入しやすい。

 今回、live2Dの立ち絵が存在する方は広義のVtuberとして取り上げています。大分暴論な気がする。

17、環境音(environmental)

 暖炉の音、囲炉裏や風呂の音、雨や木々のざわつき、夏の一場面を切り取ったような音など、シチュエーションに沿った音などが多い。特に海の音などは落ち着きやすいだろう。ASMRとして呼称されるずっと以前から、こういった環境の音に我々は日々耳を傾けてきた。こうしてASMRとして様々なシチュエーションを切り取って情景に思いを馳せる事が出来るようになったのは、とても良い時代だと感じる。

18、吐息、息吹き(ear blowing、breathing) 

 吐息や息を吹きかける音、単品よりもASMR中に自然と行われている事が多い。ヘッドホンの種類によっては実際に息を吹きかけられているように感じる事も。

 ■ASMRの種類・センシティブ■

 ASMRにもやはりエロい物は存在する。ここに貼る事は避けるが、例として挙げる事にする。

A)リップ音(mouth sounds、lip noise、kiss 等々)

 キスの音全般を指す。水っぽい音とか。

B)耳舐め(ear licking)

 読んで字のごとく。これやってるとまずYoutube君からセンシティブでBANされる。

 結構種類はある。ガチでエロい物を知りたい人はDLsite等を調べると幸せになれるかもしれない。入眠出来ねえ。

■ASMRの種類・闇■

・ドナルドダッグ

・般若心経

・掃除機ASMR

やべえのしかいねぇ。

■ASMRを楽しむ・結局ヘッドホンとイヤホンどっちがいいの?■

 当然、我々がASMRを楽しむ上で、イヤホン等は必須になります。そのうえで、結局ヘッドホンとイヤホンどっちがいいのかというのは、永遠の議題だと思うんですね、はい。

 その上で個人的にお勧めするのは、ヘッドホン。やはり臨場感や音の帯域はイヤホンよりも優れているし、環境音が鮮明に聞こえるのが何よりも大きい。イヤホンも、オープン型は前者のヘッドホンに寄るが、カナル型なら耳の内に入ってくるような耳かき音がより心地よく聞こえます。

 まあ用途で使い分けて、その上でしっくり来るものを探していくのが一番なんですけどね(丸投げ)。因みに百均のイヤホンは絶対にやめとくべき。最低でも3000前後の物がいいです(一敗)

 あとは高音特化よりも高音低音をバランスよく聞けるものがオススメだろうか。オーテクはいいぞ。

■ASMR楽しむ・おすすめのVtuber■

 自身の推しのASMR配信者を見つけるのは一つの楽しみでしょう。最近はホロライブやにじさんじ等の大手の配信者がASMRをやっている。世間は広い。取り合えず、ここでは私が初心者にお勧めする三人を紹介します。

▲周防パトラ(774inc.所属)youtube   twitter

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 ハニーストラップ所属。言わずと知れた「ASMRの女王」。自身で曲の制作を行ったりする、環境音を録音する為、山や海へ赴く等、音に対するこだわりは他の追随を許さない。防音室、機材などに投資しているが何よりも目を引くのはKU100と呼ばれるダミーヘッドバイノーラルステレオマイク、ダミヘなどと呼ばれるマイク機材最高峰。一個百万近くするこの機材を彼女は二台も持ち合わせている。

▲ともえとエルゼのほんわかASMR youtube

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 村瀬巴(twitter)とエルゼ・フォン・エーデルシュタイン(twitter)の二人が運営している。コンスタントかつ高頻度に放送を行っており、リクエストに応えてくれたり、コメントを高頻度で読む事で視聴者との交流を積極的に行っている。音のこだわりは勿論の事、高速耳かきは必聴。月兎堂と呼ばれるシリーズや、シチュエーションボイス、喋らないASMRも完備している。因みにVtuberはエルゼさんの方。

▲まこと (株式会社ライバー所属) twitter youtube

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 KU100持ち。一回の放送で多様な音を演出してくれる。他放送と違い、youtubeでは時間指定で聴きたい音をワンクリックで任意に聞けるように区切ってくれている。高品質な音や囁き。因みにニコニコ動画では会員になるとちょっとセンシティブな放送をやっている。

 ここで挙げた以外にも滅茶苦茶いい音を出す人はいる。白銀ノエルや
癒月ちょこ、猫又おかゆと言ったホロライブ勢。健屋花那、 竜胆尊、ラトナプティ、飛鳥ひな等のにじさんじ勢、774incの西園寺メアリなどなど。

 ここには列挙しきれない、探しまくろう。

■まとめ■

 ASMRは現在進行形でその勢いを増している。雑に検索でASMRと打っても出てくるだろう。これを機にVtuberの沼にはまったり、音のスペシャリストになるのもいいだろう。

 書き忘れていたが、Youtuberでははとむぎさん、「あるか」さん、「高倉むき」さんが非常にお勧め。リンク先へgo。

 この記事を執筆中にもASMRを聞いている。心地よいけど卒論は終わっていない。やばい。現実逃避を再開しようか。


終わり


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